三日目(その2)


今度は南富良野方面へ狩勝峠を下る。ここは緩やかなカーブが続き、勾配も少ない。おまけに道幅も広い。必然的に速度は??km/hを超えてしまう。

 

南富良野に到着。ここから富良野を目指すには、このまま国道38号を使う。もっと言えば、裏道を使って麗郷(ろくごう)の森に出ることも可能。麗郷の森には、「北の国から」のロケ地が多数存在する。また、ジャム園やレッキスという、うさぎの里もある。1990年代に何回か行った。富良野を散策してた頃は、道東はまだ未知の世界だったんだなあ。

が、あっくんは、「北の国から」はほとんど見てないので、特に興味はない。峠バカの旅は、かなやま湖経由で、国道237号線の金山峠方面へ大きく迂回する。


 
 

これがかなやま湖の一光景。カヌーやキャンプもできる人造湖。

 

 

かなやま湖畔も、なかなか楽しいワインディングロードが続く。キタキツネさんとエゾリスさんの飛び出しに注意!

再び国道237号線に合流、日高峠からまっすぐ走っていれば、ここまで1時間もかからないのにね(笑)。

 

ここは比較的緩やかなカーブが続く。

ようやく富良野盆地が見えてきた。交通量も多くなる。今年の富良野は、富田ファームにだけ寄ることにした。白いランクルの後を走って富田ファームに到着。駐車場にスカちんを停めると、ランクルのドライバーが声をかけてきた。

「北九州から来たの?」
「ははっ、神奈川からなんですよ」
「ずいぶん懐かしい車が、ずっと後ろを走ってたから、ずっと気になってたんだよ」

40半ばくらいのおじさん。話を聞くと、北海道の開発調査とかで、富田ファームにいらしてるとのこと。

「札幌には行かないの?」
「ええ、札幌は交通量が多いし、峠が少ないから
「ええ〜、せっかく北海道に来てるのにもったいない。で、これからどこ行くの?」
「明日になりますが、道北の稚内まで走ろうかと」
「稚内行くんだったら、これあげるよ」

ランクルの荷台から、稚内の観光案内を取り出した。

「ああどうも、ありがとうございます」
「稚内だったら公園行けばいいよ。犬の銅像もあるし」

銅像が観光名所かい!

とツッコミたかったが我慢。おそらく、南極に行ったタロとジロの銅像だろう。

「ところで、すごくいい車ですけど、何か盗難予防対策してらっしゃいます?」
「うん、イモビがついてる」
「それだけじゃ心もとないなあ。何せランクルは、盗難人気No.1の車だから。盗まれると、あっという間に稚内港から輸出されますよ(笑)。盗難予防としては、ステアリングロックが簡単で効果的ですよ」
「何それ?」
「鉄パイプをハンドルに装着して、回らなくするんです。ほんの10秒で脱着できるし。カー用品店に行けば、数千円で売ってますよ」

盗難予防の基本は、盗みにくい車ってことをアピールすることが大事。

「へえ〜、早速探してみるよ。どうもありがとう!」

話好きのおじさんに捕まって、10分以上も駐車場に留まってしまった(苦笑)。かあちゃん曰く、オレが話を振るから長くなるらしい。

富田ファームでラベンダーソフトクリームを食った後、香油を購入。うつ病のあっくんは、アロマテラピーも試している。

 

これが香料になるラベンダー(写真右)。ラベンダーは初夏にしか見れないが、収穫/乾燥させてるのを見ることができた。

さて、次の目的地は美瑛。時刻はPM4:00近い。今年の美瑛は、ケンメリの木とセブンスターの木だけだな。国道237号線に合流、約30分でケンメリの木に到着。

ペンション、ケンとメリーのお土産屋さんを散策、キーホルダー等数点を購入した。

「すいません、(ペンションの)庭を見せて頂けますか?」
「ええ、どうぞ」

今年のケンとメリーは、気になる情報があった。ペンションの庭には、ヨンメリが展示されてるんだが、今年はジャパンも入荷したらしい。それを確認したかったわけ。

おなじみのケンメリ2000GTX。

 

これがジャパン。EXベースにES用シート等を装着したミックスバージョンだった。

 

さらにR30まで増殖していた。

ちょっとペンションのオーナーさんと話してみたくなった。

「すいません、オーナーさんはどちらにいらっしゃいますか?」
「入り口の土手で芝刈りをしてたはずですけど」

ほどなくオーナーさんとご対面。

「あ、どうもはじめまして、KAZと申します」
「どうもどうも!」

オーナーさんとしばし談笑。

「ケンメリだけかと思ったらジャパンもあったんで、声をかけさせて頂きました。」
「ジャパンも好きでしてねえ、知り合いの工場にあったのをレストアしてもらったんですよ」
「そうなんですか、北海道にはジャパンは多いんですかねえ?」
「でもないですよ、私もやっと一台見つけられた次第なんで」

ケンメリの木について、ちょっと聞きたくなった。

「あのCMは、どこから撮影されたんですか?」
「この道を下った辺り、あの辺からちょっと畑に入ったところですよ。あのCMは、部屋の中から撮影されたように見えますが、実際は木の窓枠を畑に立てて撮影したんです。外国人の男女(ケンとメリー)が来たんで、当時は珍しかったですよ」

この位置からちょっと右、畑に入ったところから撮影されたらしい。このポプラの木は老木で、真ん中から2つに割れてきている。2004年の台風18号で、かなりの枝が折れたらしい。

 

どっちかと言うと、こっちのアングルの方が分かりやすいかな。写真に写っている畑から、あのCMは撮影された。

 

このように、木の割れ目を隠して撮影するといいんだが、いかんせんアングルが限られる。

「ところで、CMのラストに白いヨンメリが農道を走り去って行きますよね。あれはどの辺で撮影されたんですか?」
「さあ、少なくとも美瑛ではないですよ。十勝の方で撮影されたらしいんですが」

64へぇ!

てことは、CMのヨンメリは、美瑛に来てない可能性が高いな。

「実は明日から、家族と旅行に出るんですよ」
「そうなんですか、じゃあ今日じゃないとお会いできなかったんですね。ラッキーだった。で、どちらまで?」
「長野県岡谷市のスカイラインミュージアムに行きます。前は茨城県水海道市のレッドパークに行って、箱スカの試乗もしましたよ」

北海道まで来て、岡谷やレッドパークの話をするとは思わなかった(苦笑)。この後、かなり突っ込んだ岡谷/レッドパーク談義で盛り上がってしまった。その他、ご家族のこと、美瑛の暮らしのこと等、しばらく話し込んだが、詳細は個人情報に関わるのでオミット。

「どうも、いろいろありがとうございました!」
「道中お気をつけて、今度は泊まりに来て下さい」
「はい、ありがとうございます!」

いつの日か禁煙したら、ペンション・ケンとメリーに宿泊しよう。
(注:後で分かったことですが、ペンション・ケンとメリーには喫煙所があります)

夕暮れ迫る美瑛の丘をセブンスターの木へ。毎年ここで、サンセットを眺めるのがお約束。

 
 
 

 
 
 

 
 
 

最後のレポートなんで、特別に大公開。これがあっくん愛用の美瑛マップだ!
国道237号からこう入って、こう走って、こう旭川に抜ける(笑)。国道237号から東側の地図は、裏面に印刷されている。東側も新栄の丘、拓真館、千代田ファーム、白金温泉等、観光名所盛りだくさん!

再び国道237号線に合流する頃には、とっぷりと日が暮れていた。ヘッドライト点灯、旭川まで18kmの市街地走行。いつものホテルの駐車場に到着、十分なアフターアイドリング。本日の走行距離328km。

「すいません、ホテルに宿泊する者なんですけど、どこに停めればよかですか?」

駐車場は満車だった。

「明日は何時ごろ出発されます?」
「8時過ぎくらいかな」
「それじゃあ、こっちに停めて」

指示された駐車場の片隅に、慎重に停車。

「何でこんなに混んでるんですか?」
「明日、ここで(代議士)先生の出陣式があるんですよ」

そうか、いよいよ明日から、衆議院選挙戦開始か。郵政民営化選手権試合、2週間1本勝負だったな。

「ほんじゃ、宜しく。動かしてもいいけど、ぶつけないでね」

スカちんのキーを駐車場の人に渡してホテルへ。旭川の宿泊は、いつものグリーンホテル別館。チェックインして一服、それからラーメンを食いに行くことにした。2004年は山頭火を食ったなあ。今年はどうしようか?

最後は梅光軒にするか。2001年のレポートをお読みになった方はお分かりの通り、あの時は旭川で非常にまずいラーメンを食った。それは梅光軒だったんですねえ。梅光軒ってのは、旭川で有名なラーメン屋さんで、大きなシナチクが特徴的。あっくんは1990年代、何回も食っていた。それが2001年に行ったとき、何を血迷ったのか、牛乳をどばどばと入れた離乳食ラーメンに変身していた。今年は離乳食から改善されてるのか、確かめようと思った次第。一種の勇気ありシリーズやね(笑)。

味噌ラーメンを注文、程なく出てきた。

......うん、いける!

90%くらい、以前のうまかったラーメンに回復している。もうちょっと豚骨を煮込む火加減を調整したら、さらにコクが増すだろう。麺も以前のように、もうちょっと太麺にしてスープを吸い込ませたほうがいい。なんて、偉そうに言ってるけど、それほどかつての梅光軒はうまかったってこと。

「ごちそうさまでした」

後は、コンビニで、ビールとつまみ、明日の朝食とするパンを買ってホテルに戻りヒッキー。明日もハードな一日じゃ。早めに寝よう。

と言っても、うつ病患者は、なかなか寝付けないんだよなあ。