錦眼鏡余話8:No283
ミャンマー紀行:その9 

朝食を食べ終わってから、40分ほどで舟に乗った。
私は一番後ろの5番目の座席に乗った。
 

今日の観光は、インレー湖の遊覧観光だ。
 

インレー湖周辺には少数民族がたくさん住んでいるという。
私の記憶だが。。。ガイドさんの説明では26万人ほどだと言った。
これも、ガイドさんの話だが、
インレー湖周辺の山々に住む少数民族の人々がゴミや生活排水などを
垂れ流しているそうだ。
雨期になると、
雨水ととともに流れ落ち、インレー湖の水質を悪くしていると言う。
最近、日本の援助で、
ゴミや生活排水の処理の問題がようやく動き出したと教えてくれた。
 

少数民族のインダー族が、
インレー湖の浮島で野菜や果物を栽培しているのを聞いて驚いた。
実際にトマトなどが実っている浮島の脇を通った。
 

また、この民族は片足で櫂をあやつり、
小舟を使って網を仕掛けたり、回収したりしている。
下の写真は、片足で櫂を操作し、網を仕掛けているところだ。
 

昼食後もインレー湖観光を続けた。
今度は舟の上から、集落を見てまわった。
写真:手前の横に並んだ杭は、人々の生活橋である。
 

観光後、ホテルにもどり、コテージでのんびりと過ごした。
今回のツアーで、のんびりしたのは初めてだ。
 

まず、シャワーを浴びた。
昨夜は、ミャンマーへ来て、
初めての温水のシャワーを浴びることができた。
とても嬉しかった。
今日も、温水シャーを浴びて、頭も身体もすっきりとした。

 
昨夜は夜寝るとき、コテージの中は想像以上に寒かった。
3枚の厚手の毛布でも震えて、なかなか寝つけなかった。
また、寒さで夜中に目を覚ましてしまった。
 

今夜はあたたかくして寝ようと思い、
トランクの中のダウンジャケットを取り出そうと思った。
寝るときに着ようと思ったからだ。
 

トランクの鍵を開けようとした。
鍵が、どうしたことか鍵穴に入らない。
トランクの鍵が壊れてしまったようだ。
しばらく、開けようと努力したが無駄だった。
 
いじるとかえってよくないと思った。

 
どうしたらいいか困って食堂へ行った。
ガイドさんがいたので相談してみた。
ガイドさんは
「このホテルには技術者がいるので、
仕事が終わったら、あなたのコテージへ行くように頼んでみる」
と言てくれた。
 

夜9時過ぎ、ガイドさんが技術者を連れてコテージに訪ねてきた。
部屋の明かりが暗いので、友人のIさんが懐中電灯を貸してくれた。
 

ガイドさんと一緒にきた若者が、Iさんの貸してくれた
懐中電灯で、
鍵の
中がよく見えるように照らしてくれた。
 

細いドライバーを使って、鍵穴の中をいじっていた。
2分ほどして
作業が終わった。
技術者が「鍵は?」という顔をしたので、
私が鍵を渡すと、
技術者が鍵穴に鍵を差し込んで回すと、
音をたててトランクが開いた。
 

技術者は、私に向かって自分でやってみろと合図をしてくれた。
私は恐る恐る鍵穴に鍵を差し込んだ。
スムーズに鍵が鍵穴に滑り込んで、トランクが開いた。
嬉しくて、自然に笑みがこぼれた。
 

私は若い技術者へ何回もお礼を言った。
あらかじめ用意しておいた米5ドル紙幣を渡した。
彼は辞退したが、握手をするように彼の手をとって、
その中に紙幣を包み込んだ。
 

ガイドさんたちが帰ってから。。。
トランクを開けて、ダウンジャケットを取り出して着た。
これで、底冷えする寒さ対策ができた。
 

その晩は、
心配事(鍵が壊れた)がなくなったので、すぐに寝ることができた。