錦眼鏡余話8:No282
ミャンマー紀行:その8
夜明け前と夜明けの風景を撮りたくて、
私は
朝4時に起きた。
カメラを持って。。。
友人のIさんを起こさないように、そっとコテージを抜け出した
。
外はまだ暗かった。
頭上には、星がまたたいていた。
冬の星座は、もう見えなかった。
かわりに夏の星座が頭の上にあった。
白鳥座のデネブや鷲座のアルタイルが輝いていた。
フロント前に来ると、
蓮らしい植物が浮いている水上に。。。
灯をともした笹舟が三艘とまっていた。
まだ、あたりは暗かった。
何でこんな夜明け前に、笹舟が三艘もいるのかと不思議に思ったが、
私は夢中でシャッターを切った。
右に左へ動いて、場所を移動して撮った。
遠くの山並みの上空がほんのりと色づいてきた。
笹舟の上には、独特の形(三角錐)をした網があった。
網を取り付けている枠は竹でできているようだ。
片手で操れるほど、軽くできているのだろう。
周囲がしだいに明るくなってきた。
湖の上を靄(もや)が流れている。
遠くの山並みが靄の上に浮いている。
幻想的な風景だ。
舟頭(せんどう)同士で、タバコの火のやり取りをしていた。
遠くにいた笹舟の舟頭が片足で器用に笹舟を操っていた。
ヨーロッパ人らしい外国人が三脚に取り付けたカメラを前に
座っていた。
しきりに笹舟の舟頭に指示を出していた。
このヨーロッパ人が笹舟の舟頭を雇ったようだ。
<ミャンマー紀行>
:その9へ続く