錦眼鏡余話7:No279
ミャンマー紀行:その5 
 
ヤンゴンのホテルにもどると、
トイレの水は流れるようになっていた。
 

他のお客さんがシャワーを浴びないうちにと思い、
急いでシャワーを浴びた。
でも、お湯にはならなかった。
 

仕方がないので、水シャワーで頭と体を洗った。
2晩続けて水シャワーを浴びることになった。
風邪をひかないように、
急いでバスタオルで身体の水気をとった。
 

早朝か夜遅くにシャワーを浴びると、
お湯が出てくるのかもしれないと思った。
でも、そんな時間的な余裕はない。
 

3日目(12月19日)は、午前4時起きだ。
ホテル出発は、5時である。
朝食はお弁当だと連絡があった。
 

4時20分頃、フロントに鍵を返しに行くと、
横に山積みされたお弁当があった。
友人のIさんとフロント前の椅子に座って食べた。
 

5時少し前、バスが来た。
まだ、街は薄暗かった。
ガイドさんが見えていないようだった。
 

出発時間より
遅れて、バスはヤンゴン空港へ向かった。
ヤンゴン空港は、ホテルから近かった。
 

今日の観光は、
約2800基の仏教遺跡の林立するバガン遺跡群の観光だ。
 

空路:国内線でニャウンウー空港まで1時間ちょっとだそうだ。
飛行機はプロペラ機だった。
飛行機の後ろに設置されたタラップから機内に入った。
真ん中に通路があり、その両脇に2列ずつ座席があった。
 

お客がそろうと、出発時間にならなくても出発してしまうので
驚いた。
 

ガイドさんの説明の通り、
バガン上空にさしかかると、
たくさんのパゴダが朝の光の中に見えてきた。
ガイドさんの言う気球は飛んでいなかった。
飛行機の飛来する時間が遅すぎたようだ。


 
バガン遺跡群の中のパゴダや寺院を見学した。
どこを見ても、パゴダや寺院は同じように見えてしまう。
もしかすると、日本へ観光に来た外国の人々も、
日本の寺院や神社など、どれも同じに見えているのではないかと思った。
 

昼食後、ある寺院で、我々ツアーの客が「体験お布施」(?)をした。
私は仏教を信じていないので、
お布施をしないで、写真を撮ることにした。
 

お坊さんの一団が寺院の外から帰ってきた。
一列になってやってきた。
若いお坊さんの一団だ。
先頭を歩くのは、中学生ぐらいのお坊さんだった。
歳の順に並んでいるような気がした。
 

 

ツアー客はお坊さんの人数を考慮しないで、お布施をしてしまうため、
列の後方の幼い顔立ちのお坊さんまで、
おかずやご飯がいきわたらなかった。
 

私はすぐにガイドさんへそのことを伝えた。
そのことに疑問を感じたツアー客が他にもいたようだ。
ガイドさんは、すぐにツアー客へ次のような説明をした。
「お坊さんのお椀の中の食べ物を、
みんな一緒にして配分します。
だから、幼いお坊さんにもいきわたるようになります。
心配することはありませんよ。」
 

すると、ツアー客の一人が以下のような質問をした。
「ボールペンを1本、差し上げたのですが。。。」
ガイドさんは、以下のような説明をしてくれた。
「ボールペンなどは、みんなで使うようにしますから大丈夫です。」
 

このあと、漆工房を見学した。
竹を素材として実に素晴らしい漆工芸品を作成していた。
薄く裂いた竹を巻いて、お椀のようなものを作っていた。

 

お椀のようなものを手にとると、大変軽かったので驚いた。
これは、長方形や円形のお盆でも同じだった。
手にとると、竹の素材で作られているとは思えなかった。
 

黒く出来上がった漆器を、
先の尖った道具で削ると模様が浮き出てきた。
根気のいる仕事のようだ。