錦眼鏡余話7:No278
ミャンマー紀行:その4 
 
山のふもとの「キンプン」に到着した。
 

ここからトラックの荷台に乗る。
荷台には、7列ほど長い座席が前向きに座るようになっている。
それぞれの座席の前には、
手すりになるステンレスの棒が横に伸びている
トラックの荷台には、
立ち上がってもぶつからない高さに屋根がついていた。
 

トラックの荷台に乗るため、背の高い台の上へ登る必要がある。
台は、鉄製で数段、階段がついていた。
その台から、トラックの荷台に移る。
長い座席に立ってから、両足を座席の前へおろして座る。
 

たちまち、座席は乗客で埋まった。
座席1列に6人ほどが肩を接するように座った。
ひとつのトラックに40名以上は乗った勘定になる。
すぐに、トラックは走り始めた。
 

そのうち、トラックは山道を走るようになった。
段々と道は、険しくなっていく。
道路はコンクリートで舗装されているようだ。
山道が険しくなると、トラックはうなりをあげて登っていく。
時々、トラックはロウにギアを入れて走る場面があった。
トラックは悲鳴のような轟音をあげながら。。。
そんなとき、隣の人に話かけても聞こえないほどである。
 

出発前に、ガイドさんが
「1度も事故を起こしたことがありません。」
と説明したのを思い出した。
本当だろうかと疑問を感じたのは、私だけではないと思う。
それほど、スリルを感じた。
 

ヘヤピンカーブのようなところを曲がり、
急坂を登るときなど、ものすごい音を出し、
トラックが喘ぎながら這い上っていく感じになる。
手すりから手を離したら、前後の客にぶるかることは確実だ。
思わず手すりをつかまる両手に力が入った。
 

ふと、タイヤがパンクしたら。。。ブレーキが故障したら。。。
と頭をよぎった。
片側は深い谷になっている。
 

途中、道路の端で、長々と休んだ。
ゴールデンロックのあるチャイティーヨから下ってくるトラックを
待っていることが分かった。
10台近のトラックが満員のお客を乗せて、
駐車している我々のトラックの脇をスピードを上げて通り過ぎていく。
チャイティーヨには、
たくさんの人が参拝や見学に行っているのだと思った。
 

山の頂上に着くと、
高い鉄製の台を利用して、トラックから降りた。
トラックから降りながら、
遊園地のジェットコースターもこんなものかと思った。
 

道の両側には、びっしりと土産物屋や食べ物屋が
並んでいた。
 

パゴダに着いたようだ。
靴を脱いで素足になって、ガイドの後に従い見学を始めた。
もともと、関心がなかったので、いい加減に見学をした。
家族連れが多かったのは、今日は日曜日だからと納得した。
トラックも今日いちにちが稼ぎ日だったようだ。
 

遠くにゴールデンロックが見えてきた。
ゴールデンロックは、仏教徒の巡礼地になっている。
ゴールデンロックとは、崖の端に転がり落ちる寸前で、
まっている巨岩の名前である。
この巨岩は、最初、金色をしていなかったようだ。(当たり前だが)
そのときは、何と呼んでいたのだろうか。。。くだらないことを考えた。
 

誰かが金色に塗ったようだ。
日本人から見ると、あまり良い趣味とは思えない。
 
大岩の上には、小さな仏塔が建てられている。
大岩に金箔を貼っている人の姿も見られた。
 

ガイドさんの説明にも飽きてきたので、
階段に腰をおろしたりして疲れをとったりした。
 

 

帰りは、長いバス旅になった。
バスに乗っていると、ミャンマーの田舎の風景も
いろいろと変わっていく。
農民は、電気もガスもない生活をしているようだ。
家は、竹やヤシの葉などを巧みに使い、
高床式の涼しげな家のようだ。
 

市場の通りを通ることもある。
 


市場の周りは雑然としている。
お店が連なり、ゴミが散乱している。
 

途中、列車の線路を跨いだ。
ガイドさんの説明では、
一日ほんの数回しか列車は通らいとのことだ。
列車は国民に不人気らしい。
乗車券も正規の値段より高いと。。。
駅で働く人が、儲かるように高く売るのだと、まるで嘘のような話をした。
 

改革をしているスーチーさんも苦労しているだろうなと思った。