錦眼鏡余話7:No277
ミャンマー紀行:その3
 
第1日目の観光は、ひとつだけだった。
ヤンゴン市の繁華街にある「シュエダゴン・パゴダ」の見学だ。
 

ガイドさんの名前は、ティーピーエーだ。
面倒なので、ガイドさんと呼ぶことにした。
彼女の説明だと、
パゴダの中に入るときは、素足になる決まりだそうだ。
これは、旅行前の注意書きにあったので知っていた。
ただ、違ったことはサンダルなどは、
自分で用意することになっていた。
私はスリッパを用意してきた。
 

ところが、
バスの中で、
サンダル(草履)が配られた。
これは、会社のほうからのプレゼントだと言う。
これをバスの中で履いて、パゴダの中へ入るとき
素足になる。
ツアー客23名が、
大きな籠の中へサンダルを入れて
見学を開始した。
 

素足になると、空港の手荷物検査のようなところがあった。
シュエダゴン・パゴダは、仏塔をはじめ仏様などが、
たくさんの宝石で飾られている。
そのため、
刃物や先のとがったものを持ち込ませないための検査だという。
 
きらびやかなパゴダ(仏塔)を覆う金箔は
全て信者からの寄進によるものだと説明があった。
 

見学しながら気になったのは、素足になったその下の状態だ。
ゴミだけでなく、砂や小石、おまけにハトの糞らしきものもある。
大勢の参拝客を避けながら写真を撮ったり、
足元にも気配りしながら歩くのは神経を使うものだ。
 

暗くなったので、パゴダはライトアップされていた。
金色のパゴダが、ライトアップの光を受けて一層きらびやかだ。

 


ぐるりと回って、見学が終わるのに時間がかかった。
いささか疲れたので、
途中、数回、段に腰をおろして疲れをとった。
ツアー客の皆さんは、とても元気で、
ガイドさんをとり巻いてしっかり話を聞いていた。
一つ一つ、仏像に両手を合わせて頭を下げている人もいた。
ガイドさんが、ようやく出口のほうへ向かったので、私も
気力が湧いてきた。
友人のIさんが段のところで、草臥れた顔をして座っていた。
私は何回も座って休んだので、元気よく先頭近くを歩いた。
 

レストランで、夕食をすまして、
ホテルに戻った。
ホテルの部屋で、一層元気が出てきた。
Iさんが最初にシャワーを浴びてもいいというので、
浴びたが、
最初だけお湯がちょっと出たがあとは水。
困ったことに、頭は泡だらけ。。。
仕方ありません、水シャワーで泡を洗い流した。
寒かったが、体も水シャワーで綺麗にした。
バスタオルで体の水気をとったら、ようやく体の震えがおさまった。
 

次の日(2日目)の早朝、
友人のIさんが、「トイレの水が流れないぞ」
と言ったので、フロントへ降りたついでに、ホテルの人に伝えた。
明日の朝まで、このホテルを使うのだ。
直してもらわないと、困るのは我々だ。
 

お弁当がフロントに山積みになっていた。
鍵をかえしながら、
お弁当をもらい、その場で、椅子に座り急いで朝食を食べた。
バスが来たが、ガイドさんはまだ来ていない。
 

ガイドさんが遅れたので、
予定の出発が30分間遅れた。
珍しいことだ。
 

今日の観光は気乗りがしない。
内容を読んでも、まるっきり興味が出てこない。
あまりにも俗っぽくて、ばかばかしいと感じたのだ。
 

バスは、ひた走り、山のふもとのキンプンに到着した。
途中、食堂へ入り昼食を食べた。
ハエが多いので驚いた。
窓を開けると、飛び出ていくが、新手がまた飛び込んでくる。
食事中も油断がならなかった。