錦眼鏡余話7:No273
マメ(豆)の力:その1 

A社日曜日:朝刊に「科学の扉」と題して、
科学のことが分かり易く説明されている。
 
11月始めの日曜版のタイトルは、
「マメの力で世界を救え」だった。
新聞の記事を引用しながら、「マメ(豆)の力」を紹介する。
 

2016年は国連が定めた「国際マメ年」だそうだ。
食料問題の解決策として、マメの力が注目されている。
 

アフリカ大陸のサハラ砂漠の南側には、
「サヘル」と呼ばれる半乾燥地帯が東西に帯状に広がる。
短い雨期や栄養に乏しい土壌は、農作物が育つ環境ではない。
人々は慢性的な食糧不足に苦しんでいる。
そのため、この半乾燥地帯は「飢餓ベルト」とも呼ばれている。
 

この地域の人々を支えているのがアズキの仲間だ。
この仲間は、日本の関東では赤飯などに利用されるササゲだ。
ササゲはアフリカ原産で、
世界の総生産量の9割以上がアフリカに集中している。
国際農林水産業研究センターのN氏は、
「サヘル地域(半乾燥地帯)では、
飢餓の時にササゲだけを食べて生き延びる状況が発生している」
と言っている。
 

ササゲは換金作物としても重要で、
代金は肥料や医薬品の購入、子どもの学費に当てられていると言う。
日本の農林水産省の資金援助で、
生育が早く収穫量の多い品種が開発された。
村人に栽培技術も教え、品種登録した新しい種子を広めた。
その結果、ササゲの生産量は2.6倍になったそうだ。
また、品質がよくなったため高く売れるようになり、
農家の所得も5.6倍になったと言う。
 

これから以下のことは、中学校や高校の理科で学んだ記憶がある。
マメ科の植物は、栄養の乏しい土壌でも育ちやすい。
マメ類の根には、根粒がたくさん付いている。
この中には根粒菌(バクテリア)とう微生物がいる。
この微生物は、
空気中の窒素を取りこみアンモニアと言う形にして、
植物の成長に欠かせない窒素を供給している。
また、
窒素は土壌にも放出されるので、
化学肥料なしで土壌が豊かになると言う。
日本の農家でも、
他の植物と輪作したり、畑の隅などにマメ科の植物を植えたりしている。
 

マメは環境負荷が少ないのも特徴だ。
国連食糧農業機関(FAO)によると、
1キロの牛肉を生産するには水が1万3千リットル必要だと言う。
レンズマメを1キロ作るのには、1千250リットルの水ですむそうだ。
 

また、マメは他の農産物に比べて食品のロスも少ないのも利点である。
(レンズマメの原産地は中東である。。。
中東やインドでよく食べられる。
すぐ煮えるので、シチューやスープ、カレーに最適だそうだ。)