錦眼鏡余話7:No242
京都旅行:その3
 
京都市にもどるため、
朝8時ちょうどに宿を出ました。
 
「倉忠」の女将さんにバス停まで送ってもらいました。
途中、山のほうに電気柵らしきものが見えたので、
「電気柵がありますね。イノシシが出るのですか?」
と、女将さんに尋ねると、意外な返事でした。
「電気柵は、サル除けなんですよ。
「伊根では、留守にするとき、戸締りをして出掛けるんです。
泥棒対策じゃなくて、
サルが窓などを開けて侵入してくる
から、
出掛けるときに鍵をかけるのですよ。
サルには、困っているんです。」
 

いつも笑顔の女将さんに、最後まで見送られて
伊根町と「さようなら」をしました。
バスは1時間ほどで、走って宮津駅に到着しました。
 
宮津駅から京都駅へは2時間弱です。
車内が木材を使った木目調の洒落たつくりの列車でした。
 

京都駅に着いて、最初にする仕事は、
 
持って歩く必要のない荷物を
ロッカーへ入れて身軽になることです。
新幹線乗場の改札口近くのロッカーの1つに
ふたりの荷物を押し込むことができました。
私は用意した小さなリュックに傘とカメラと貴重品を
入れました。
 

昼食を終えて、市営地下鉄烏丸線に乗り、
終点の「国際会館」駅に到着しました。
時間が少し早いので、駅の外へ出て
ベンチで時間調整をしました。
すると、ポチポチと雨が降ってきました。
たいした雨ではありませんが、
今日の見学場所「修学院離宮」へ行くことにしました。
客待ちしているタクシーに乗り込みました。
10分ほどで、「修学院離宮」に到着しました。
 

入場時間にはまだ時間があったので、
傘をさして、入り口近くを散策しました。
しばらくすると、
見学希望者が集まってきました。
見学者は事前に予約をとった人以外は入ることができません。
 

入口で、中年の女性2人が係員に、
予約していないが
入れてほしいと
交渉していました。
結局、入れなかったようです。
 

明日の京都御所も予約制です。
 

中に入ると、最初に「修学院離宮」のビデオを見ました。
ビデオが終わると同時に、
案内をする人が現れて、短い説明をして歩き始めました。
案内者は、若い女性でした。
紺の制服にマイクをつけて、黒い長靴を履いていました。
歩く距離は3キロだそうです。
建物や庭園などの説明を受けながら、
アップダウンのある3キロの道のりを1時間かけて、
ゆっくりと見学しました。
 

途中、
雨が激しくなりました。
でも、案内者の歩くペースは変わりませんでした。
最後、上離宮内にある上御茶屋へ登りました。
「浴龍池」が眼下に広がりました。
 

 

17世紀中ごろ、後水尾上皇の指示で造成された離宮だそうです。
谷川をせき止めた人工池を中心とした広大な庭園と茶室などからできています。
桂離宮・仙洞御所と並んで、
「修学院離宮」は、王朝文化の美意識の到着点を示すものだそうです。
 

雨が降っていて、思うように写真も撮れません。
上の写真をよく見ると、降りしきる雨が写っているのがわかります。
雨粒が銀の砂粒のように光って見えます。
 

上の写真は、
「浴龍池」と庭園です。
池の名前は、龍が水浴びをしている形からとったそうです。
 

説明が終わり、解散場所まで山を下りました。
下りながら、Iさんとタクシーが門の入口に待っているから、
すぐに入口へ駆けるように行こうと作戦を練りました。
 

「解散」の合図があったので、
私は先頭を切って、入口へ向かいました。
タクシーが1台、客待ちをしていました。
私はすぐにタクシーを確保しました。
Iさんがすぐに追いついてきたので、タクシーに乗り込みました。
 

タクシーで「国際会館駅」へ出て、
地下鉄に乗り京都駅へ出ました。
ロッカーから荷物を出しました。
 

今晩の宿泊地は、「大津プリンスホテル」です。
プリンスホテルは
大津駅の近くにあります。
 

大津駅を通るJRの在来線を探すことになりました。
こういう時は、旅慣れたIさんが
先導役でした。
迷うことなく、「大津駅に停まる」ホームの表示を見つけました。
ホームに降りると、電車が停車していました。
Iさんは、
「大津駅はこの電車だね。」
と言いましたが、私は不安なので、年配の方に
「この電車は大津駅に停まりますか?」
と尋ねました。
停まりますと、返事が返ってきてから電車に乗り込みました。
 

2駅目が大津駅です。
駅と駅との間隔が長いようです。
私は15分ほど乗ったような気がしました。
 

大津駅からタクシーに乗りました。
雨が一段と激しくなったようです。
 

夕方5時を少し回って、ホテルに到着しました。
 

ホテルは、琵琶湖の湖畔にありました。
40階ほどある細長い建物です。
我々の部屋は、琵琶湖が一望に見渡せる19階でした。
残念ながら、雨のために遠くが霞んで見えません。
晴れていたら、素晴らしい眺めなんだろうと思いました。