錦眼鏡余話6:No217
香嵐渓:その2 

岐阜城の帰り、
私達ともう一組の夫婦が、
ロープウエイ乗り場の横のベンチで休んでいました。
 
ここは集合場所ではなかったようです。
夫婦連れは、ロープウエイで下へ降りようとしたので、
友人のIさんが
「下へ降りないで、ここで待つことになっていますよ」
と注意をしていました。
 

しばらくすると、添乗員が来て、
「ここにいたの?ああっ、良かった!
集合時間に4人もいないので、心配したわよ」
と安堵の顔をしました。
「集合場所って、ここではなかったの?」
と聞くと、このすぐ上の休憩所だということでした。
でも、ロープウエイの乗り場からは5メートルも離れていません。
私達が間違えたようです。
いずれにせよ、添乗員をハラハラさせたようです。
 

今晩の宿泊ホテルは、
下呂温泉の中にある「ブリーズベイホテル」だそうです。
バスは、川沿いの細い道をくねくねと登ってきます。
添乗員の話では、下呂温泉は日本の3名泉の一つだそうです。
あとの二つは、有馬温泉と草津温泉だと教えてくれました。
 

ホテルに近づくと、薄暗くなってきました。
斜面に高い建物が見えてきました。
建物の壁面に大きく「B」の字が金色に輝いていました。
「ブリーズベイホテル」です。
 

こんな山の中に「ベイ」(湾)がつくホテルはおかしいと、
友人のIさんに呟きました。
ホテルに着いたら、
友人のIさんはフロントの人に「ベイ」の由来を聞いてきました。
「神奈川のホテルが買収したので、ベイの名前が
ついています」
と説明があったそうです。
エレベーターの中に、神奈川にあるベイホテルの宣伝がありました。
 

部屋は洋風でした。
友人のIさんは、
「洋風の部屋は暗いから好きではない」
と言いながら、部屋の明かりを全部つけました。
それでも、薄暗いのです。
あまり用のない入り口の明かりが一番明るかったです。
ベッドは硬かったので、
良く寝ることができました。
 

携帯の目覚しの音で、5時に起床しました。
朝食は6時50分からです。
部屋を6時40分に出て、2階のレストランンへ行きました。
どこのホテルでも宿屋でも、朝食はバイキング方式です。
 

ここのホテルでは、
おかずは、ほとんどが和食ばかりで珍しいなあと思いました。
我々も、和食がよかったです。
お年寄り向けの朝食だなと、Iさんと話しながら食べました。
レストランがすいていたので、7時05分には食べ終わりました。
 

7時50分にバスは出発です。
ちょっと、慌ただしい朝です。
急いで、洗顔と歯磨き、それにトイレを済ませました。
荷物は前日にまとめてあるので、
7時40分まで、部屋で短い時間ですがのんびと過ごしました。
 

今日は初めに紅葉列車に乗ります。
 
紅葉列車は、一駅乗るだけです。
一駅と言っても、駅と駅との間隔が長いので、
乗車時間は
15分ほどでした。
電車は川沿いを走っていました。
モミジの赤は、少なかったけれども、
黄色や茶色に色づいた車窓の風景がきれいでした。
 

次の駅で降りて、バスに乗りました。
次に向かうところは、香嵐渓です。
香嵐渓は、豊田市足助(あすけ)町にあります。
東海随一の紅葉の名所だそうです。
 

今日の天気は時折り薄日が射す程度です。
すっきり晴れてほしいと願いつつ、バスは香嵐渓に近づきました。
バスが信号でもないのに止まりました。
添乗員が
「渋滞です。ちょっと駐車場に入るのに時間がかかりそうです」
と説明がありました。
ところが、巴川の左を走っていたバスは、
途中、橋を渡って右側の道を走り始めました。
 

添乗員が説明をしてくれました。
紅葉のシーズンには、
巴川の左側が乗用車で、
右側がバスの専用道路になっているのだそうです。
 

バスはすいすいと駐車場へと入ることができました。
何かすごく得をしたような感じになりました。
 

添乗員に「集合時間」と「集合場所」を指定されました。
それから、集合写真を撮り、自由時間になりました。
友人のIさんと別行動で、
思い思いの場所で紅葉を撮ることにしました。
 

人が多すぎて、
紅葉のきれいな場所を探すことが
できません。
紅葉にカメラを向けると、前を観光客が横切ります。
歩き疲れたので、
ベンチがあったので休もうとすると、
友人のIさんがひとりベンチに座っていました。
私もIさんの横のベンチに座りました。
2人で、お昼を食べることにしました。
 
待月橋(たいげつきょう)を渡ると、
レストランがありました。
Iさんは、
席があるかどうかお店の中に入って調べてくれました。
「長島さん、席があるよ」
Iさんが入り口から顔を出して私を呼びました。
運が良かったようです。
私達が席に座ると、
席は直ぐに満席になりました。
 

食事をしながら、集合時間まで余裕があるので、
香嵐渓の観光案内地図を見ながら、どうするかを話し合いました。
「もみじのトンネル」をくぐることにしました。
 
もう1回、待月橋を渡りました。