錦眼鏡余話5:No199
大腸検査:その4 


技師さんから更衣室で、

「下着は開いている方が後ろになるように穿いてください。」

と指示を受けました。

 
更衣室で着ているものを全て脱いで、下着から穿きました。

下着は一見ステテコのような形をしていました。

開いているほうが後ろになるように穿きました。

今回の検査は後ろ側が開いているほうが、

患者のプライバシーに配慮できることが分かり納得しました。

 約30年も昔のこと、人間ドックでの苦い記憶が蘇りました。

病院でプライバシーもなく、

物扱いを受けた屈辱感を思い出したのです。

医学は、医療技術だけでなく、医療機器、医薬品、病院施設等

全てにわたり、隔世の進歩を遂げていることを実感しました。

 
下着の上にガウンのようなものを羽織り、

前で軽く紐でしばりました。

レントゲン室へ行く前に、指示されたとおりトイレに行きました。

もうお腹の中には何もないようでした。

 
レントゲン室に入ると、ベッドがありました。

ベッドの頭側の上に大きなドーナツ型の機械がありました。

これがCTだなと推測しました。

 
ベッドに腰を掛けて座るように言われました。

技師さんから

「看護婦がきて、腸の動きを抑える注射をします。

腸の動きを抑えるのは、CTの写りを良くするためです。

そのあと、腸内に炭酸ガスを注入するための管を取り付けます。」

と、丁寧な説明がありました。

 
技師さんの指示によって、自分がどうなるかがよく分かり、

とてもリラックスしているのを感じました。

 
看護婦さんがきて、左肩に注射をしました。

今度は腹ばいになるように言われました。

下着のあいているところを開いて、

看護婦さんが何やら作業をしています。

多分、炭酸ガスを注入する管を入れているのだなと推測しました。

技師さんが

「炭酸ガスを少しずつ注入していきます。

少しお腹が張った感じになります。

どこか痛くなったら知らせてください。」

と話しかけました。

 
CTを撮る前に、技師さんから注意がありました。

「息を吸ってと言われたら息を吸って、止めてと言われたら息を止めてください。

息を止めている間が少し長いですが、頑張って止めていてください。」

 
どんな順序で撮影をしたか忘れてしまいましたが、

上向きや腹ばい、

それから体の左側面、右側面と撮影された記憶があります。

側面を撮るとき、体が不安定になるので脚を上手に使い、体を支えました。

大きなドーナツ型の機械の中へベッドが滑るように入っていきました。

撮影が始まったのだなと思いました。

 
20分ぐらい経つと、技師さんが

「検査は終了しました。ご苦労さまでした。」 

と言うと、その後のことを話してくれました。

検査が終わって、ほっとしました。

 
下着や上着の始末を聞いてから、更衣室へ行こうとしましたが、

お尻に何か違和感があるので、トイレに行きました。

お尻りにゼリーのようなものがかなりついていました。

数回、トイレットペーパーで拭きました。

お尻に管がスムーズに入るように塗ったものだと思いました。

 
更衣室で着替えました。

この3日間、とても長く感じられました。

 
受付に行って、検査が終わったことを告げました。

会計は7,154円でした。

 
受付で、いつごろ検査結果が出るのですかと質問すると、

「来週の月曜日ごろには分かります。

できれば、電話で確認をして来るのがいいと思いますよ。」

とのことでした。

検査結果が出るまで、1週間ぐらいかかるのだと思いました。

 
もうひとつ、

食事について聞くと、普段の通りでいいということでした。

病気で下痢をしたのではなく、薬で無理やり下痢をしたので、

そんなものかと思いました。

 
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