錦眼鏡余話5:No198
大腸検査:その3 
 
夜中の3時頃に、便意を感じて目を覚ましました。

妻を起こさないように静かにトイレに入り、

パジャマとパンツをおろしましたが、出るものが出ません。

しばらく待つと、おしっこ状態のものが少し出ました。

 
トイレを出ようと思い、パンツとパジャマを持ち上げようとしたとき、

パンツが黄色く汚れているに気がつきました。

「おもらし?」

パンツをめくってみると、パジャマも汚れています。

「まいったなあ」

 
トイレの中にパンツとパジャマを脱ぎ捨てて部屋へ戻りました。

敷布団のシーツも黄色く汚れています。

シーツをはいで、敷布団を見ました。

汚れていません。

それでも、心配なので、手を置いて触って確かめてみました。

敷いてあったシーツが厚かったので、汚れを吸い取ってくれたようです。

 
シーツはどこにあるのだろうか?

また、汚したらどうしょうという不安を感じました。

まるっきり、意識のない状態でお漏らしをしたようです。

 
亡くなった親父の時代に紙おむつを買ってあったことを思い出しました。

寝ている妻を起こすことはできません。

仕舞ってありそうなところを探しましたが見当たりません。

使うようになるまで、

仕舞っておこうということになったような気がします。

でも、どこにあるかが分かりません。

1階から2階で、オムツをしまうところは限られています。

でも、見つかりません。

 
敷布団を汚したら大ごとになります。

そう考えると、仕方がありません、寝ている妻を起こしました。

「あら、あら、大変だったわね。」

と言いながら、

おむつを2階のトイレ横の物置からすぐに取り出しました。

同じところを私も見ましたが、目に留まらなかったようです。

新しいシーツも出してくれました。

 
おむつをしたので、安心してすぐに寝入りました。

 
朝、8時、プリントに従ってコップ一杯の水を飲みました。

以後、何も口にしてはいけません。

検査は午後1時30分からです。

 
午前8時ごろまでトイレに通いました。

それ以降は、トイレにもいかずに小康状態になりました。

 
病院までは10分もかからずに着きますが、

途中道路工事で渋滞しているところがあるので、

時間の余裕をもって、家を出るように動きました。

病院の駐車場は、もう空いているはずです。

 
1時ちょうどに病院を出ました。

病院へは1時10分に到着しました。

受付で

「CTコロノグラフィー検査で来ました。」

と告げると、事務の人が

「2階の奥のレントゲン室へ書類を提出してください。」

と言って、書類を渡してくれました。

 
階段を登って、廊下を奥へ行くと、レントゲン室の受付がありました。

私が受付で書類を渡すと、短い白衣を着た40代らしい技師さんが、

「更衣室で着替えてから、必ずトイレに行って、

ここへ戻ってきてください。」

と言って、ビニル袋に入った着替えを2着渡してくれました。

 
私は更衣室の場所がわかりません。

「更衣室はどちらですか。」

と聞くと、技師さんが親切にも、

「分かりにくいので、案内しましょう。」

と言って、私を更衣室まで案内してくれました。

 
大腸検査:その4へ続く