「失礼します。」と言って診察室へ入ると、
I先生は60歳ぐらいの体の大きな先生でした。
先生は私が座ると、
「もう1回検便をしますか。」
と尋ねました。
私は、
「長い間、人間ドックも受けてないのと、
医師の所見欄に(本来は大腸ファイバーです)とあったので、
この際、大腸ファイバーを受けてみようかと考えています。」
と言うと、I先生は
「65歳以上の方は大腸ファイバーだと体に負担がかかるので、
当病院ではCTコロノグラフィー検査を受けることになっています。」
と言いました。
私は
「CTコロノグラフィーって、どんな検査ですか。」
尋ねると、
「大腸だけでなく、肝臓や膵臓、腎臓も一緒に調べることができるCTですよ。」
と教えてくれました。
1度にそんなにたくさんの臓器の状態がわかるなら、受けてみたいと思い、
「受けてみます。」
と返事をしました。
診察室を出て、しばらく待合室で待っていると、
看護婦さんが私の名前を呼んで迎えに来ました。
看護婦さんの後に従って、先ほどと違う診察室に入りました。
看護婦さんは、テッシュ箱より少し小さ目で厚い小箱と
液体の入った2本の容器と赤色の錠剤を、私の前に並べました。
看護婦さんは、最初に
「CTコロノグラフィー検査は、検査をする前のことが大切なので、
このプリントに書かれたとおりに薬や食事・水分をとってください。
そうしないと、CTコロノグラフィーが無駄になることがありますから。」
そう言ってから、プリントに沿って説明を始めました。
何やら面倒な検査だと思い、
受けるなんて言わなければよかったと後悔しました。
くよくよしても仕方ありません。
プリントにそって、
20日(土)の晩から薬や食事、水分補給をしっかりとやらなければなりません。
妻が
「入院しているなら、看護婦さんが忘れずに薬や食事、水分補給まで
しっかりとやってくれるからできるけど、自分でやるって大変だね。」
と同情してくれました。
検査日は6月22日(月)です。
当日検査時間は1時30分と書いてありましたが、
看護婦さんから15分前には受付にくるように言われました。
からの3日間、プリントに沿って生活するようになります。
6月20日(土)夕食後に赤色の錠剤:下剤を飲みました。
6月21日(日)
水分は、「水かお茶、スポーツ飲料」のどれかです。
飲む分量も時間も指定されています。
朝食は、茶碗に七文目ほどのお粥と味噌汁だけでした。
お粥は味がほとんどありませんでしたが、
お腹が空いていたので美味しく感じられました。
昨夜の下剤が効いて、21日(日)午前中に2回、トイレに行きました。
2回とも、しっかりとした便が出ました。
お昼は、中華粥とスープだけでした。
中華粥は、ほんのりと味がついていました。
量は、朝食のおかゆと同じでした。
中華粥というから、中に何か入っているのではないかと探しましたが、
味が中華粥になっているだけのようです。
夕飯は、スープもなく、お粥だけでした。
21日(日)のお昼過ぎに気がついたのですが、
午前10時と午後3時におやつがありました。
おやつは、専用のクッキーと粉末の粉ジュースを水で溶かして飲みます。
クッキーは食べずに、粉ジュースを指定された量の水で薄めて飲みました。
すきっ腹には、甘くておいしく感じられました。
「こんな食事じゃ、お腹がすいて可哀想ね。」
妻が同情してくれました。
時間が指定されいる「飲む液体」が2本ありました。
水で薄めて飲むものと、そのまま飲むものとがありました。
飲む時間が指定されているので、
忘れないように、携帯で時間の5分前に目覚まし時計をかけました。
21日(日)の夕飯後7時から1時間ほどかけて、
そのまま飲む液体がありました。
プリントを読むと下剤とありました。
とても、一気に飲めないほど、酸っぱく飲みにくいものでした。
時間をかけないと飲めない下剤でした。
飲み終わってから、しばらくすると、お腹がゴロゴロとし始めました。
午後10時を過ぎたころからトイレへ頻繁に通いました。
固形の便ではありません。
おしっこ状態のものが数回出ました。
夜12時少し前に疲れて眠ったようです。