ゆったりとした昼食を終えて、
元気が出てきた私達は駅へ切符を買いに行きました。
午後になったから切符を売ってくれるはずです。
駅の構内には、棚があって木陰になっている場所がありました。
テーブルと椅子がたくさん並べてありました。
そこは、セルチュクのお年寄りが集う場所のようです。
おばあさんは見当たりませんでした。
皆、お爺さんばかりです。
何やら、ゲームに興じていました。
切符売り場へ行って表示を読むと、
お年寄りは割引きされることが分りました。
メンデレス空港駅では、Iさんの英語が通じて、
「メンデレス空港駅〜セルチュク間」は、ひとり2.7TLでした。
ところが、セルチュク駅の若い駅員は、Iさんの英語には反応せず、
ひとり4.5TLの料金を請求しました。
何となく釈然としないまま、請求された金額を払い、切符を手に入れました。
荷物を取りにペンションに戻ることにしました。
列車の発車時間15:53分です。
まだ、2時間以上時間があります。
午後3時までペンションで過ごすことにしました。
ペンションのお爺さんが外のソファに腰かけていたので、
一緒に写真を撮らせてもらいました。
写真は、日本へ帰ってからプリントアウトして送る約束をしました。
エフェスのお土産は、昨日バザールで買った干しブロウ1キログラムです。
Iさんと2人で、そのお爺さんから2キロも干しブドウを買いました。
お爺さんは、とても喜んでいました。
3時になったので、預けてあった荷物を背負い、
ペンションの方にお礼を言って駅へと向かいました。
駅で、私はすぐにトイレに行きました。
トイレの前におじさんがいました。
トイレ掃除のおじさんのようです。
1TL硬貨を渡しました。
しばらくして、Iさんもトイレに行くと言ったので、リュックを預かりました。
トイレから帰ってきたIさんが笑いながら話してくれました。
「威張ったトイレ掃除のおじさんだよ。
25クルシュ(硬貨:4分の1TL)を渡したら、1TLだと言って手を出したので、
しかたなく1TLを渡したよ。」
列車が来ました。
乗ると、それほど混んでいませんでした。
車内の中ほどへ進むと、通路側の座席が1つ空いていました。
隣りの席には、どこかで買い物をしてきたらしいご婦人が膝の上に
たくさんの荷物を置いて座っていました。
私は「この席はあいているのですか?」と隣りの空席を指して聞くと、
両手を広げて、肩をすぼめました。
私は、空いているようだと勝手に解釈して座りました。
しばらくすると、若い青年が来ました。
私は慌てて立ち上がりました。
ところが、青年は網棚のリュックを取ると、
列車の連結部分に行って立ってしまいました。
私は、すぐ横に立っているIさんに
「あの青年に悪いことをしたな。きっとトイレに行ってたんだよ。」
と話しかけ、座席に腰をおろしました。
2駅目あたりで、青年は降りたようです。
通路を隔てた反対側の窓際の席が空きました。
すると、通路側の人が窓際へ移って、通路側をあけてくれました。
買物荷物をたくさん抱えたトルコ人のご婦人は、
外国人の私達に興味があるらしく、トルコ語で話しかけてきました。
私は、ご婦人が膝に抱えているビニル袋の中のこげ茶のものを
指差して、これは何ですかと聞きました。
話の内容から、パプリカのほしたものらしいことが分りました。
この中に、チャーハンとか詰めて食べるらしいです。
そう言えば、
今日のお昼のレストランで、私も食べた記憶が蘇ってきました。
トルコ人のご婦人は、私たちが「空港駅」で降りられるように気を配ってくれました。
無事、空港駅で降りるとこができました。
ホームで、ご婦人達の横を通ったとき、盛んに手をふってくれました。
私も手をふって応えました。
「メンデレス空港」で、搭乗を待っている間、雷が鳴って強い雨が降ってきました。
Iさんと、エフェス観光が終わってからでよかったなあと話しました。
イスタンブールの空港(アタチュルク空港)への飛行時間は、約1時間です。
どこの国か分りませんが、私が並んだ列の周りは団体さんでした。
皆さん、良くお喋りをする人たちでした。
ところが、男の人は静かにゆったりとしていました。
飛行機に乗り始めたとき、団体さんの仲間の2人(ご婦人)が遅れて到着しました。
そうしたら、団体さんの皆さんから遅れてきた2人を非難する声が
あがりました。
避難したのは、全員がご婦人たちのようです。
瞬間、蜂の巣をつついたようになりました。
日本人の私には、ちょっと異様な感じを受けました。
列が動き始めて搭乗が始まりました。
私のすぐ前の方は、とうとう遅れてきた2人に何かを言うために列を離れました。
とても険しい顔をして戻ってきました。
日本人と随分違うなと感じました。
飛行機に乗ってから、Iさんに
「どこの国の人?」
と聞くと、
「スペイン人だね。」
と教えてくれました。
ものごとをはっきりさせるお国柄のようです。
こんな場合、日本人なら、皆さん、黙っているはずです。
先ほどのスペイン人の団体旅行の人々が、
私達の飛行機座席の周りにたくさん座りました。
その賑やかなこと!
大声で、お隣同士でしゃべっています。
中には、立ちあがって、後ろの座席の人と大声で話している人もいました。
後ろ向きの人は、さすがに客室乗務員に注意をされました。
大声で話しているのは、皆ご婦人方ばかりでした。
男の方は皆物静かにゆったりとしていました。
1時間はあっと言う間に過ぎました。
ところが、
イスタンブールの空港でも雷が鳴り、外は激しい横殴りの雨でした。
飛行機のタラップを降りて、20メートル先に大型のバスが停まっていました。
乗客は皆、そこまでいかなければなりません。
私はリュックの底にしまってあった折畳み傘を取り出し広げて、
滑らないようにタラップを1段1段降りました。
また、風が強いので、傘が煽られないように風向きに気をつけて歩きました。
バスの中は、混雑しています。
カッパを着ている人もいました。
頭から濡れている人もいました。
私もズボンの裾が濡れてしまいました。
メトロ(地下鉄)とトラムヴァイ(路面電車)を乗り継いで、
ようやく、ホテルに戻ってきました。
幸い、ギュルハーネ駅からホテルまでは傘をささずに帰ってくることができました。
|