錦眼鏡余話5:No166
イスタンブール紀行:7 

ノスタルジック・トラムヴァイの終点に着きました。
 
ずっと、路面電車の走る通りを歩いてきましたが、
ノスタルジック・トラムヴァイには駅はないようです。
ゆっくりなので、どこからでも乗れるのかなと思いました。
 
路面電車が終わると、急に道幅が狭くなりました。
そのかわり、道の両側に歩道がついています。
 
歩道を歩いていると、果物屋さんがありました。
今はザクロのシーズンなのでしょうか。
果物屋さんの店頭には、熟して真っ赤になったザクロの果実を、
上部をカットして並べてあります。
これが、イスタンブール風なのかなと思うほど、
どの果物屋さんでも、同じようにザクロ上部を切って綺麗に飾ってあります。
よく見ると、オレンジやグレープフルーツも上部を切って並べてあります。
 
(ザクロだけでなく、オレンジやグレープフルーツも上部を切って飾ってある。)
 
あまり綺麗なので、立ち止まって写真を数枚撮りました。
すると、私のすぐ横で、
ヨーロッパから来たと思われる初老のご婦人も写真を撮っていました。
私が、ご婦人へ
「ビューティフル!」
と話しかけました。
すると、ご婦人は、にっこり笑って
「サンキュウ!」
と応えました。
 
私は歩道を歩きながら、
ご婦人の「サンキュウ!」の意味が分らず考えました。
しばらくして、私の「ビューティフル!」を、
ご婦人は自分自身に向けられたものだと勘違いしたことに気がつきました。
私は、ザクロの果実がきれいだったので、
ご婦人に向かって「ビューティフル!」と同意を求めたのです。
 
歩きながら、Iさんに「ザクロの件」を話しました。
「ヨーロッパのご婦人は自分に自信があるんだよ。」
「自分に自信があるって、とても良いことだね。」
と話し合って、ふたりで声をあげて笑いました。
 
「そろそろ、ガラタ塔があるはずだよ。」
と、Iさんは私に話しかけました。
それから、すぐの横道に数人の日本人がいました。
その奥まったところに、ガラタ塔が青空を背景に建っていました。
 
 
意外と小さな塔です。
ガイドブックには、67mとありました。
現在の塔は、14世紀以降のもので、
てっぺんのとんがり帽子は、後に新しくつけ加えられたものだそうです。
エレベーターを最上階まで行き、狭いレンガ造りの螺旋階段をあがると、
地上53mのテラスから、イスタンブールの街が360度見渡せました。
ガラタ塔が小高いところにあるため、実際の高さ以上に見晴らしがよかったです。
 
(天気がよかったために遠くの街並みまでくっきりと見ました。左上は金角湾。)
 
天気がよかったので、イスタンブールの街並みがずっと遠くまで
見渡すことができました。
狭いテラス(人がやっとすれ違える幅)でしたが、私はパノラマ写真を撮りました。
パノラマ写真を合成して、自分のHP(錦眼鏡写真館)にアップしました。
下のURLをクリックすると、ガラタ塔からのパノラマ写真に繋がります。
ご覧ください。
 
左側に見える金角湾が川のように見えます。
誰もが右回りをしています。
更に、右へ回ると逆光になりました。
目を細めてみると、左からトプカプ宮殿、アヤソフィア、
ブルーモスク(スルタンアフメット・ジャーミィ)の順に並んで見えました。
 
(左奥にトプカプ宮殿、真ん中がアヤソフィア、右端がブルーモスク)
 
赤茶色の屋根が、ヨーロッパの地中海側の景色を思わせます。
素晴らしい眺めに、Iさんとふたりで、
ここまで頑張って歩いてきた甲斐があったねと景色を堪能しました。
 
テラスをぐるっと一周して下へ降りました。
今日はガラタ塔の景色に満足したのと、
疲れが限界に達していたので、ペラ博物館はパスすることにしました。
 
さあ、これからトラムヴァイ(路面電車)のカラキョイ駅まで歩きます。
途中、4回ほど道を尋ねながら。。。迷い迷いして、
長い道のりを歩いて、ようやくカラキョイ駅に到着しました。
ギュルハーネ駅に着いて、無事ホテルに戻ることができました。
 
今日は、充実した一日でした。
また、疲れた一日でした。