錦眼鏡余話4:No154
ザ・テクノロジー:その1 

A新聞の朝刊に「ザ.テクノロジー」第3部 バイオ編(下)が
載っていました。

大見出しにひかれて、読んでみると時代の最先端技術の
開発のために、世界中がしのぎをけずっている様子が
読みとれました。
 
大見出しは、「最強の糸 編み出す微生物」です。
昔、クモ(蜘蛛)を勉強したことがあり、まだ興味をもっています。
今でもクモを見ると、何グモだろうかと目を近づけてしまいます。
 
クモの糸が鋼鉄を超える強度とナイロンを上回る伸縮性を
もっている世界でも最も強い繊維だということは知っていました。
今、クモの糸が車体や人工血管など、
様々な分野に応用でそうな次世代の素材として注目を
集めているそうです。
 
慶応大学の31歳のS氏が率いるバイオベンチャー企業「
スパイダー」が目指すものは、人工的にクモの糸を合成し、
量産化することだそうです。
実用化にクモを利用することはできないそうです。
 
クモは縄張り意識が強く、共食いをするからです。
このため、1度に多数のクモを飼育することが出来ず、
糸の大量生産ができません。
 
「クモの糸」は、特殊なたんぱく質で出来ています。
バイオベンチャー企業「スパイダー」が目をつけたのは、
微生物を利用して大量生産する方法でした。
 
微生物は、細胞の中の遺伝子が様々なたんぱく質をつくっています。
バイオベンチャー企業「スパイダー」は、
微生物の中に、別の遺伝子を組み込み、クモと同じたんぱく質を、
効率よく大量につくる基礎技術の開発に成功しました。
 
この企業の強みは、「自ら遺伝子を設計し、
生産効率の高い遺伝子を製作できる点にある」ところです。
自前で様々な遺伝子をつくり、微生物に組み込む実験を繰り返し、
大量生産が可能な組み合わせに行きついたそうです。
 
昨年11月、トヨタ自動車系の部品メーカーと共同で、
試作研究施設をつくったそうです。
その研究施設で、
来年から年間10トンの生産態勢に入る予定だそうです。
 
バイオベンチャー企業「スパイダー」が取組手法は、
「合成生物学」と呼ばれているそうです。
欧米では、ベンチャー企業から世界的大手までが入り乱れて、
この分野で激しく研究・開発・競争をしていると言われています。