錦眼鏡余話4:No139
谷根千地区を歩く:その2 

のんびりと食事をしていると、
広場の前をいろいろな人が通るのに気がつきました。
犬を連れて散歩をしている人。
日傘をさして歩く人。
リュックを背負った外国のかた。
中には、我々のようにカメラを首からぶら下げている人もいます。
良い写真が撮れるといいですね。
 
前のテーブルには、本を広げて読んでいる若い女の人。
その横に、スマホの画面を見入っている若い女の人。
横顔にカメラを向けてシャッターを切りました。
 
 
また、地図を頼りに歩き始めました。
食事をしてエネルギーを補給した感じになり、脚も軽やかになりました。
Sさんが煙草を吸うしぐさをしました。
近くに小屋があります。
「建物の後ろへ。。。行ってくるよ。」
「わかった。。。この付近で、写真を撮っているよ。」
 
私の目の前がちょうど噴水です。
噴水の前のベンチでくつろぐ人や一休みする人もいます。
今日は月曜日です。
動物園を始め、国立博物館、西洋美術館などの施設はお休みです。
月曜日なのに、それでも通行人が結構いるものです。
 
小さい子を連れたお母さんが、乳母車を押して通ります。
タイミングよく噴水が高く上がりました。
シャッターチャンスだと思いシャッターを押しました。
 
 
上野公園の放送が流れました。
公園内は禁煙になっているので、協力を求めている放送でした。
Sさんは、どうしているかなと思い小屋に近づくと、
小屋の前のベンチで知らない人と一緒に煙草を吸っていました。
Sさんが私に、ベンチ前の路面を黙って指さしました。
そこには、おびただしい煙草の吸殻が落ちていました。
Sさんは、吸殻を持参している吸殻入れに入れると立ちがらりました。
 
また、元気よく歩きはじめました。
「月曜日でよかった。」
Sさんの一言で、二人は笑いました。
(今日は公園事務所の方もお休みのようです。)
 
ようやく上野公園を抜けたようです。
 
谷中霊園や旧吉田屋酒店の脇を通って細い道は続きます。
途中、1回道に迷いました。
Sさんがおかしいと気がつきました。
そうでなければ、時間と労力のロスが大きくなるところでした。
 
こんなときは、土地の人に聞くのが一番です。
お店に飛び込み尋ねて、正しい道に戻りました。
 
やたらと、お寺の多い場所に差しかかりました。
谷中には、70以上のお寺があると言われています。
大袈裟な言い方をすると、道にお寺が続いているのです。
 
 
江戸時代に、幕府は谷中にお寺を集めたそうです。
何故、そんなことをしたのか理由があったようです。
インターネットで調べてみると、いくつか出ていました。
 
天正年間(1573〜92年)ごろまでは、
お百姓家が点在するのどかな場所だったらしいです。
 
谷中は、江戸城の鬼門の方角にあったのです。
江戸城の鬼門封じのためにたくさんのお寺ができたそうです。
もうひとつは、江戸の密集を緩和するために、
他所からお寺が引っ越してきたらしいです。