錦眼鏡余話3:No84
藤沢周平:その1 

駅の構内の本屋で、
藤沢周平の未刊行初期短編と銘打った「無用の隠密」
という本を見つけました。
15編の短編で構成されていましたが、それぞれ忍者
ものでした。
 
これをきっかけに。。。
(今までは、司馬遼太郎の本を読んでいました。
「歴史のなかの邂逅」シリーズや「空海の風景」、
「街道をゆく」シリーズなど。)
 
ところが、
最近は藤沢周平の本を読んでいます。
始めは、家の本棚にあった昔読んだ作品を
もう1度読み返していました。
 
読み終わったものは、家の本棚に立てかけておくと、
娘たちが我が家に来たとき、持っていってくれます。
 
それでも、文庫ばかりですが、
いつの間にか藤沢修平の作品が20冊以上並んでしまいました。
獄医立花登手控えシリーズの「春秋の檻」「風雪の檻」
「愛憎の檻」があります。
このシリーズを読むと、
江戸時代の小伝馬町牢獄の様子がよく分ります。
文庫本には、小伝馬町牢獄の見取り図が掲載されています。
 
獄医立花登手控えシリーズには、もう1冊あります。
「人間の檻」です。
これは、本屋で探してもありませんでした。
見つけたら、読みたい1冊です。
 
「獄医立花登手控え」のように、
藤沢周平の作品には、シリーズものがいくつかあります。
いくつか紹介します。
 
始めに、「用心棒日月抄」シリーズ。
これは、昔NHKでドラマ化されましたね。
私も何回か見ました。
主役の青江又八郎役は、確か村上弘明がやっていました。
個性的な人物がたくさん出てきます。
用心棒稼業の相棒の細谷源太夫、
口入れ屋(現代なら就職紹介所やハローワークかな)の相模屋吉蔵、
そして、江戸藩邸の嗅足:忍者集団の束ね役:佐知などです。
この佐知なる女性は、藤沢ファンンの中年・老年男性の憧れの
存在になっています。
 
このシリーズは、文庫本で4冊出ています。
「用心棒日月抄」「刺客」「孤剣」「凶刃」です。
用心棒稼業と言っても、
物語では、用心棒の名に値しない仕事も解決していくのがおもしろいです。
江戸庶民の生活(裏店:うらだな:表通りではない長屋住まい)と
そこに暮らす人々の様子が具体的に分かります。
これが藤沢周平の魅力だと感じています。
 
青江又八郎は、この佐知に協力して、藩の窮地を救います。
藩を救っても、
財政厳しい藩は、又八郎にほとんど恩賞らしいことをしません。
 
「彫師伊之助捕物覚え」は2冊あります。
「消えた女」と「漆黒の霧の中で」です。
このシリーズは、江戸町人と岡っ引きなどの光と影が分かります。
 
私の読書の時間は、主に就寝前の時間です。
早い時は、午後9時、床に横になり本を読み始めます。
(最近、アベノミクズが好調なので、図に乗った安倍首相が
右傾化の度合いを打ち出しているので、ニュースを聞くと
精神的にイラつくので見ないようにしています。
参議院選挙、その前の都議会選挙と自民党が圧勝する可能性が
高いですが。。。その結果、実はこれって大変怖い結果を招くと感じています。
 
今日の新聞には、自民党高市早苗調整会長が村山談話を
「侵略という文言を入れているのは、私自身しっくりきていない。
自存自衛のために決然と立って戦うというのが当時の解釈だった」と
認識を示した。。。とありました。
自民党調整会長は、この程度の認識を公然と表明して
恥ずかしくないのかと感じました。
呆れるより、この程度の政治家が国政を運営している自民党の
調整会長だなんて思うと、うすら寒くなりました。
グローバル化に生きる現代人が、戦前の軍人や戦争を主導した
政治家の考えを鵜呑みに信じているのだとしたら、
アメリカの議会も、最近の日本の右傾化を憂慮しているのが
よく分ります。
韓国が「戦前の日本による統治を侵略とは違う」などと言う政治家が
ごろごろいる実態を知って、戦慄するのも無理がありません。
朝鮮の国そのものをなくそうとした事実は消えることがありません。
日本人名を名乗らせ、日本語を学校で教える。。。
これって、パラオなどの南洋諸島でやったことと同じですね。
この裏には、
戦後の日本人は、明治以降の歴史を学校で学んでいない実態があります。
学校では、大抵明治の初めぐらいで歴史の授業が終わっているのです。
長々と古代史をやっているからか、近代・現代史を教えないのです。
 
維新の会やみんなの党がようやく自民党と違うことを述べだしたが、
アメリカなどのありのままの率直な対応がいかに自民党が進めようとしている憲法改悪が
恐ろしい方向へ進もうかとしているかが分かったからかもしれません。)
 
おっと、大きく脱線しましたが。。。藤沢作品にもどります。