錦眼鏡余話2:No80
地下資源:1 

日本の排他的経済水域の面積は、世界6位の広さをもっているそうです。

排他的経済水域とは、
国連海洋法条約に基づいて設定される経済的な主権の及ぶ
水域のことを指すそうです。

もう少し、分かり易く説明すると、
日本の領土の沿岸から200海里(約37q)の範囲内の
水産資源及び鉱物資源などの非生物自然の探査と開発に関する権利を
得ることができるそうです。
その代り、資源の管理や海洋汚染の防止の義務も負わなければなりません。

尖閣諸島の領有権問題に中国の主張が強いのも、
実はこのあたりにあると言われています。
最近の海洋権益に対する中国の強いこだわりは異常なほどです。
地図で見ると、尖閣諸島海域が中国の太平洋への出口に
位置していることが分かります。

もう1度、世界地図を見てください。
中国がフィリッピンと争っている南沙諸島の位置を確認してください。
南沙諸島は、遠く中国から離れ、フィリッピンの鼻の先にあります。
歴史の古い中国が古い書物等の地図や資料で、
南沙諸島を示していても領有したことにはなりません。

中国が領有を主張してきた時期と
南沙諸島の周辺の海域に地下資源が眠っているが取りざたされた時期と
重なります。
これは、尖閣諸島の領有権問題と同じです。
中国のかっての地図には、尖閣諸島は、琉球王国の中として著されていました。
琉球王国は、江戸時代、薩摩藩が編入したとされています。


今、日本の排他的経済水域に新たな地下資源の可能性が高まっています。
それを見越してか、中国は南鳥島を岩と定義していて、
日本の排他的経済水域ではないと主張しています。

ベトナムのトンキン湾に浮かぶ諸島に西沙諸島があります。
西沙諸島は、ベトナム沿岸の目と鼻の先です。
中国は、力づくで西沙諸島を実効支配しています。
これも、地下資源の問題からです。
ベトナムは、大昔から中国に支配されてきた苦い歴史を持つ国です。
現在も、隣国の大国の我が儘にじっと耐えています。
ベトナムの漁師が西沙諸島近海で漁をしていると、
中国の監視船に拿捕されているそうです。

尖閣諸島問題だけではありません。
中国は、南沙諸島、西沙諸島、チベット、ウイグル自治区、
尖閣諸島、台湾などの問題で、覇権主義的な行動をとっています。
中国は、チベットやウイグル自治区、台湾問題は、
国内問題だと言って、外国の主張を内政干渉だと突っぱねています。

中国は、覇権主義的なレッテルを貼られることを嫌っています。
覇権主義的な政策とは、大国的で高圧的な対外拡張政策を取ることです。



話をもとに戻しますが、
最近の深海調査から、排他的経済水域に地下資源が眠っていることが
明らかになってきています。
今のところ、地下資源の中で、
海底から安定的に産出できているのは、石油と天然ガスしかありません。

近年の探査技術の向上により、
日本でも有望な石油天然ガス層が見つかっています。
いや、それだけでなく、他の地下資源も有望視されています。