錦眼鏡余話2:No77
TPP参加:1

安倍首相がTPP参加を表明しました。
今度の自民党政権としては、素早い対応だと思っています。

民主党政権時代には、TPP参加については迷走しすぎたようです。
決められない政権の象徴でした。
民主党政権時代、
特に野田さんはTPP参加に強い意欲をもっていました。
しかし、党内の反対どころか離党をする議員が出て。。。
政権党として瓦解寸前までいってしまいました。
民主党の内に抱える病巣の深さを感じさせます。

民主党でTPPに強く反対した議員は、
農業団体や全農協蓮を支持基盤とした族議員だということを
ここではっきりと確認したいです。
(実は自民党の反対議員も同じですが。。。自民党は党として
決まったことに、議員が従うという当たり前のことが通じます。)

全農協連では、国の食糧自給率だのと言っていますが、
コメを除いては、日本の農業はかなり昔に壊滅しています。
自給率を叫ぶには、ほど遠い数字なのです。
では何故?声高に食糧自給率を叫ぶのでしょうか?

かなり以前から、
日本の農政は、巨額な補助金なくして成立しなくなっています。
補助金なくしては、農家はやっていけなくなっています。
族議員たちの気勢は、補助金をもっと増やして、
農家に手厚い援助・保護をしろと言っているように聞こえます。

自民党こそ、長い年月をかけて、
こうした農政の体制をつくりあげてきたのです。
しかし、安倍政権は、それを少しずつ転換していこうとしているようです。
安倍首相は、この本質を隠蔽するような甘い言葉で
国民を欺こうとしているようにみえます。
日本の美しい棚田や田園風景を守るのが政府の仕事だと。。。

米や乳製品、牛肉などが
美しい棚田や田園風景を守るのと、どう結び付くのか分かりません。
響きのいい言葉で、本質をきちんと説明しないまま交渉に入るようです。

TPP交渉で、農業の中のいくつかを例外的な扱いにするようです。
それが叶わなければ、TPPから抜けると。。。勇ましいことを言っています。
参議院選挙まで、農業者の票を自民党に繋ぎ止める姑息な手段だとしたら
許しがたい行為です。
農業者を、そして国民を騙すことになるからです。
日米間で、日本(農業)や米国(自動車)の例外についてある程度の合意に
達したようですが。。。他の国の例外を呼び起こすことにならないでしょうか。
これは、
関税なきをうたい文句にしているTPPの根幹を揺るがすことになります。

私はきっぱりとTPPに参加すると、明言すべきだと思っています。
外国へ物を売って。。。つまり貿易で飯を食っている日本が
TPP「環太平洋戦略的経済連携協定」または
環太平洋パートナーシップ協定」へ参加をしないことは
世界の変化や国々からに置いていかれてしまう懸念が大きいです。
関税を撤廃して、自由なものの行き来が日本の国の将来を豊かにさせます。

環太平洋の国々が自国の特性を最大限に生かし、
その良さを発揮して貿易を通して豊かになっていくのです。
幾多の困難があるはずです。

日本の農業も、競争にさらされます。
でも、その競争に打ち勝った農業のある分野だけが生き残れます。
駄目なものは切り捨てられ、代わりに安い外国物・輸入品が店先に並ぶでしょう。

今後の日本の農業のあり方が問われています。

◇TPP参加◇その2へ続く(予定)