錦眼鏡余話2:No74
侵略的外来種:1 
 
1995年、「セアカゴケグモ」が大坂府で発見され、
大きなニュースになったことを記憶している方も多いでしょう。
強い毒を持つクモとして、大きく報道されました。
強い毒をもつのは、雌だけのようです。
(雄は弱い毒をもつと言われています。)

「セアカゴケグモ」は、1p程度の小型のクモです。
丸くつやつやした黒い色のクモですが、
腹部の背面に縦につながるように菱形の赤い模様があるので、
直ぐに見分けがつきます。(赤い模様には個体差があります。)

本来、日本国内には生息していないクモでした。
原産地は、南半球のオーストラリアですが、
世界各地に分布を広げています。

日本では、関西以西の港湾施設を中心に分布を広げているようです。
セアカゴケグモの網は、ヒメグモ科なので不規則網(円網などと違い、
不規則に引きまわした網)です。

主にベンチの下側や側溝の蓋の裏側、コンクリートの隙間など
に生息しています。
比較的、地面に近く直射日光の当たらない場所を好むようです。
人間との接触が少ないところに生息しているために
日本ではセアカゴケグモに咬まれた例は少ないそうです。

先ほども、述べたように雌は強力な神経毒を持っているそうです。
咬まれたら、数日に渡る痛みや腫れを起こすそうです。
重症化すると、全身に症状が出て、乳幼児なら死に至る場合もあります。
ただ、セアカゴケグモは、性格がおとなしく驚いたりすると、
擬死(死んだふりをして、網から下に落ちる)をするそうです。

今のところ、
「セアカゴケグモ」が日本に入ったからといって、
他のクモや生物に大きな影響を与えたわけではありません。
また、それによって、
大きく生態系を狂わせたという報告もされていません。

しかし、日本生態学会が、日本の「侵略的外来種ワースト100」に
セアカゴケグモを指定しています。
強力な毒をもったクモということで、人間活動に大きな影響を与えることが
心配されます。
そこで、日本の気候に順応し分布拡大することを警戒しなければなりません。

「侵略的外来種」とは、
特に生態系や人間活動へ与える影響が大きい外来種のリストです。

日本の「侵略的外来種ワースト100」中からよく知られたものを挙げてみます。

☆哺乳動物・・・・★アライグマ・タイワンザル・ジャワマングース・ヤギ
☆爬虫類・両生類・・・・★カミツキガメ・ウシガエル・オオヒキガエル・グリーンアノール
☆昆虫・・・・★アメリカシロヒトリ・アルゼンチンアリ・イエシロアリ・ウリミバエ
☆魚類・・・・★ブルーギル・ソウギョ・オオクチバス(通称ブラックバス)
☆植物・・・・★アレチウリ・カモガヤ・セイタカアワダチソウ・ヒメジョオン・ハルジオン
         ・オオブタクサ・オニウシノケグサ・ボタンウキクサ