錦眼鏡余話2:No71
高層ビル解体:その1

高層ビル群と言えば、アメリカが本場です。
ニューヨークのマンハッタンには高層ビルが林立し、
アメリカの富の象徴的な存在になっています。

9.11をテレビ映像で見たとき、
超高層ビルが1機の飛行機の突入により、
もろくも上層階から崩れ去っていくのに驚いたのは、
私だけではないと思います。
逃げ惑う人々を瓦礫と粉塵が襲い、
さながら地獄のようだったに違いありません。

昔、テレビで、
古くなった高層ビルに火薬を仕掛け、
瞬時にビルを解体し瓦礫の山にするアメリカらしい
解体作業の映像をみたことがあります。
コンピューターで、火薬の量を調節して行うのだそうですが、
粉塵の物凄さは、9.11で見たものと同じでした。
ビル全体を幕のようなもので覆うやり方でしたが、
それでも、
解体ビルの周りは、かなりの被害を受けただろうと想像します。
また、
国土の広いアメリカでも、都会地を瓦礫を積んだ大型ダンプが
走り抜けるかと思うとぞっとします。

ビルの周りに空間のない場合はどうするのだろうか?
瓦礫の山は、いったいどこへ運ばれるのだろうか?
資源の再利用は、なされているのだろうか?

いろいろな疑問が湧いてきます。

日本なら、どうなるのでしょうか。
国土の狭い日本では、
東日本大震災:3.11の大地震と津波の被害で生まれた膨大な瓦礫の
受入先で揉めています。
復興の遅れにもつながることになりますが、
受入先を打診された自治体は、「初めから受け入れ先を決めているのでは、
住民の理解を得られない」と拒否を表明しました。
政府のやり方の拙さを露呈した感じでした。

2月18日の月曜日の朝刊に
「高層ビル解体」についての記事がありました。

日本には、100mを超える高層ビルが約800棟あるのだそうです。
建物だから、古くなれば取り壊さなければなりません。
海外では、高層ビルの多くは、
築30〜40年で解体されることが多いそうです。
高層ビルの寿命って、そんなに短いのですかと驚きました。

日本では、丸ビルや東京駅、東京中央郵便局など長い風雪に耐えて、
使われてきました。
今、これらのビルは新しく立て替えられました。
東京駅はつい最近、明治の面影を残した建物で生まれ変わりました。
しかし、これらの建物は、高層ビルではありませんね。

日本の高層ビルの始まりは新宿からでした。
京王プラザホテル、住友ビル、東京都庁ビル等、挙げたらきりがありません。
池袋のサンシャイン60も代表的な日本の高層ビルです。

日本では、約800棟のうち、
120棟が築20年目を迎えているいるそうです。
と言うことは、これから間もなく、
日本でも高層ビルの解体ラッシュが始まると予測されます。

そこで、
日本の大手のゼネコンが新しい解体工法を引っさげて、
受注競争に名乗りを上げています。
すでに、幾つかの高層ビルの解体作業が始まっています。

<高層ビル解体:その2>へ続く