錦眼鏡余話1:No18  
フエ・ホイアンの旅:その5
 
 
半日ツアーの最後は、土産物店です。
土産物店は、みんな小屋のように小さなものでした。
どの店でもカラフルな線香を作っているようです。
実演しているお店もありました。
店の中に入ると、品物を勧められるので、ブラブラと
散策しました。
(カラフルな線香が干してあります。)

ツアーから帰ってきたらお昼でした。
ホテルのすぐ前のレストランで昼食を食べました。
私はパスタとコヒーを注文しました。

午後はホテルの部屋で少し休憩した後、
街中の旅行代理店へ
明日の汽車の切符を取りに行くことにしました。
大きな道路をフォン川に沿って歩きました。
交通量の多いとこですが、歩道が広いので安心です。
ところが、旧正月の飾り物を売っているお店が
歩道を占拠しているために、
歩行者は車道へ降りなくていはなりません。
日本では、絶対にあり得ないことです。

旅行代理店に着くと、お店はシャッターが降りていました。
「まいったなあ、休みのようだね」
シャッターの隙間から店の中を覗いていると、
後ろから、人声がしました。
振り返ると、バイクにまたがった年配の男の人が
走ってきて停まった車を指さしました。
車でやって来た人が旅行代理店のオーナーのようです。
彼はシャッターを開けて、我々の汽車の切符を渡してくれました。
汽車の切符代は11ドルでした。

本当に間一髪で、汽車の切符が手に入りました。
Iさんは、教えてくれた年配の男の人にチップをあげました。

切符が手に入ったので、フエ駅を探しておこうと歩き始めました。
ところが、フエ駅は意外と遠いところにあることが分かりました。
途中で諦めて、グエン朝王宮を徒歩で見に行くことにしました。
フースアン橋を渡って、旧市街に入りました。

旧市街は旧正月一色のようです。
大きな色とりどりの風船を売っている屋台が出ていました。
さっそくシャッターを切りました。

(色とりどりの鮮やかな風船が一際目を引きました。)

王宮の手前に堀があり、石橋が架かっていました。
道幅が狭く、オートバイや車がかなりのスピードで
走っています。
人ひとりやっと歩ける幅の歩道が付いています。
王宮の入り口には、歩道はありません。
我々は小走りで通り抜けました。
小走りに走りながら、
まだベトナムは車及びオートバイ優先なんだと思いました。

王宮まで来ましたが、見るべきものもないので
すぐ帰ることにしました。
もと来た道を戻りました。
途中で歩き草臥れたので、タクシーを拾うとしたけれど、
タクシーは拾えませんでした。
信号待ちしているバイクの男の人に、
Iさんが英語で
「タクシーをつかまえたいのだが。。。」
と話しかけると、
「タクシーは携帯で呼ぶんだ」
と返ってきました。
タクシー会社の電話番号を知らない我々にはタクシーが
呼べないことが分かりました。
諦めて歩くことにしました。
ホテルまで、まだ大分距離があります。
気合を入れて歩き始めました。

フースアン橋を歩いて渡る人は、我々のような観光客ばかりです。
長い橋を渡り終わるまで、
歩いて橋を渡っていたベトナム人はたった一人でした。
ベトナムの人々は、
皆さんオートバイで移動をしているようです。
オートバイには、2人、3人、ときには4人も乗っています。
(前から2台目のオートバイは、子ども、お父さん、お母さんと
3人乗りですね。)

我々を除いて、歩いているのは欧米系の人がほとんどでした。
ところが珍しく橋の途中で
、日本人客のツアーとすれ違いました。
ツアー客は、我々と同じような年配ばかりでした。
ツアー客の列から大分遅れて歩いてきた年配のご夫婦に
「頑張ってください」と、声を掛けました。

ホテルに帰って、一休みしてから夕食を食べに行くことにしました。
今夜の夕食は、ガイドブックに載っているレストランです。
「トロピカルガーデンレストラン」
何となく、美味しそうな感じのレストランです。
ところが、探しても見つかりません。
諦めて食事の出来るお店を探し歩いていると、
店の前で、
店員さんが我々を誘ってくれたので入ることにしました。
そこで、しっかりと食事をしてからホテルに戻りました。

ホテルに帰ってから、Iさんがガイドブックを読み直しました。
「トロピカルガーデンレストラン」は、もうひとつ奥の通りにあることが
分かりました。
違う路地を探していたことになります。
探しても見つからないはずでした。

Iさんは8時になると、就寝してしまいました。
私はシャワーを浴び、明日の訪問地ホイアンの情報を
ガイドブックから仕入れました。
そのあと、
持って行った司馬遼太郎の「中国・?(びん)のみち」(街道をゆく:25)を
読み始めました。
読んでいるうちに眠たくなったので、吸い込まれるように眠りました。