(1-a)擦弦楽器
・ヴァイオリン族の楽器(ヴィオラ・ダ・ブラッチョ、腕のヴィオラという意味)
・・・ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなど
ヴァイオリン族というものがいつ発明されたかは定かではありません。ヴィオール族をもとにしてある時突然発明され、ガスパロ・ダ・サロによってほぼ原型が決まり、アマティ、ストラディバリによって完成されたというのが定説です。この頃は、現在とは異なりヴィオラが基本的な存在でした。小さなヴィオラを「ヴィオラ-イン」→「ヴァイオリン」、大きなヴィオラを「ヴィオラ-オーネ」→「ヴィオローネ」、少し小さなヴィオローネを「ヴィオローネ-チェロ」→「ヴィオロンチェロ」のように、接尾語によって区別された訳です(現在のコントラバスは、ヴィオール族です)。
ところで、チェロはヴィオラ・ダ・ガンバが発達したものだと言う人がいますが、これは全然違います!ヴァイオリン族とヴィオール族はそもそもはじめから別の楽器として発達してきましたので、チェロの祖先はヴィオラです。たまたま、バス・ヴィオラ・ダ・ガンバの音域や構え方が似ているのでこのような誤解が生じたのでしょう。というわけで、これをつかうとウソツキになるのでご注意下さい。
さて、ストラディバリなどの銘器は現在でも使用されていますが、現在のストラディバリウス(モダンヴァイオリン)と製作当時のストラディバリウス(バロックヴァイオリン)では全く異なるものです。つまり、大幅に改造されている訳です。どのように違うかと言うと・・・
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モダンヴァイオリン
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バロックヴァイオリン
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ネック
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表板に対して5度傾いている
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表板と平行で、短い
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指板
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黒檀で出来ていて、長い
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ツゲなどで出来ていて、短い
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魂柱
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太い
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細い
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バスバー
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長い
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短い
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弦
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主にスチールで、張力が強い
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ガットで、張力が弱い
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顎当て
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ある
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ない
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弓
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毛側に湾曲しており、重い
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毛と反対側に湾曲しており、軽い
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上がモダン弓で、下がバロック弓 |
という感じです。この「改造」は、音量を上げるためのもので、音色の面ではバロックヴァイオリンの方が優れていると言われています。弓については、均一な音が出せるモダン弓、しゃべるように弾くことができるバロック弓といわれ、いずれも時代のニーズにあった音を出せるように作られているわけです。「改良」ではなく「改造」だと言うことが分かりますね。
ヴィオール族の楽器(ヴィオラ・ダ・ガンバ、脚のヴィオラという意味)
・・・ヴィオラ・ダ・ガンバ、コントラバス、バリトンなど
ヴィオール、ヴィオル、ヴィオラ・ダ・ガンバは、すべて同じものをさします。高音域から低音域までいろいろなサイズのものが存在しますが、名前は全て同じです。もちろんそれらを区別しなければならないので、高い方から「パルドシュ」「トレブル」「テナー」「バス」という接頭語がつけられます。現在の「コントラバス」は、「コントラバスヴィオール」のことだったんですね。
ヴィオール族の基本サイズは「バスヴィオール」で、単に「ヴィオラ・ダ・ガンバ」といえば、バスをさすことが多いです。ヴィオールのための独奏曲もほとんどバスヴィオールのために作られ、それ以外の音域のものはアンサンブルで用いられます。
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