(1-b)有棹撥弦楽器 ・リュート族の楽器(リュート、テオルボ、キタローネなど)
![]()
他方、4度調弦のままで、サイズが大型化したものに「テオルボ」「アーチリュート」「キタローネ」というグループがあります(「テオルボ」という名称はこれらの総称としても用いられます)。これらは主に通奏低音用として用いられ、弦数はじつに14コースに達しました。「アーチリュート」はイタリアで用いられ、「キタローネ」は全長2メートルを超える金属弦をもった楽器を指したようですが、これら3種類は当時からしばしば混同されていたようです。カッチーニなど多くのバロック初期の歌曲は、現在ではチェンバロやピアノで伴奏するのが普通ですが、これらのリュートで伴奏するのが本来の姿のようです。 |
||||||
![]() |
||||||
・ギターの仲間 ギターはスペイン周辺で発達した楽器で、リュートによく似ていますが、同じ起源を持つかどうかは定かではありません。エジプトが起源だと言われ、一般に別族の楽器とされています。
古典期に入ると、リュートなどが廃れたのに対し、ギターは引き続き発展していきました。弦はこの頃から1本ずつの単弦となり、低音に1本増えて現在と同じ6弦となりました。また、この頃からロマン派初期にかけて多数の優れたギター音楽作曲家が出現し、「ギターの黄金期」を迎えました。この頃のギターは「19世紀ギター」とよばれ、現在よりも小ぶりで弦の張力も弱いのが特徴です。現在の形となったのは、19世紀の末、すなわち、ほんの100年余り前のことです。 |
||||||