落合正行先生と田中耕二郎先生の裁判を支援する大学人の会

事務局:山本正志 〒606-8201 京都市左京区田中玄京町76
 
  tel,fax075-702-6705 メール:m-ymmt@mbox.kyoto-inet.or.jp

 

大阪高裁(控訴審)初公判直前に、被告追手門学院側が控訴を取り下げ

 

310日に落合正行先生の地位確認裁判の控訴審が、大阪高裁で予定されていましたが、被告の

追手門学院側が31日、突然、控訴を取り下げました。したがって、310日の公判なくなりま

した。また、これによって、1審判決が確定することになり、原告の落合先生の勝訴となりました。

引き続き、お二人の解雇撤回裁判の第2回公判は、4201130分大阪地裁8階で行われます。

以下、弁護団の「コメント」を紹介します。

落合先生の配転に関する裁判について、平成28年3月1日、法人が控訴を取り下げたため、第一審判決

が確定しました。

第一審判決は、落合先生に対する本件配転は無効であり、落合先生は「追手門学院大学心理学部教授とし

て勤務する労働契約上の権利を有する地位」を 有すること、法人が行った本件配転は不法行為であり、

法人は落合先生に対して慰謝料として50万円の支払義務を負うことを認めていましたので、その内容が

確定したことになります。

法人による控訴の取り下げは、控訴審での配転権限の有無、正当性の存否についての審理をも自ら放棄し

たものであり、本件配転が一片の合理性・必要 性もなかったこと、本件配転は大学の民主的運営を守ろ

うとする落合先生を排除するという不当な動機・目的で行われたものであること、そして、私たちがこの

裁判で明らかにした大学教授職の権利・利益が、教授という地位に伴う普遍的なものであることを明らか

にするものでした。

  法人は、取り下げの理由について、落合先生に対し、平成27年10月25日付で行った懲戒解雇処分の

有効性が控訴審のみで判断され、第一審の審 理・判断を受けられなくなる(審級の利益を失う)からと

しています。本当なら第一審から審理されるはずなのに、第二審から審理されたのでは、自らが負けた と

きに上訴をして争う機会(審級の利益)が少なくなるというのです。

しかし、控訴審において、懲戒解雇処分の主張を新たに持ち出したのは法人側です。審級の利益を失うのは

落合先生も同様ですが、私たちは無法な懲戒解雇が認められる余地はなく、早期決着が必要という立場で、

反論の準備をしていました。

ところが、法人は、懲戒解雇処分に対する判断を早期に控訴審にさせるとまずいと考えて、控訴自体を取り

下げたのです。

これは自ら行った懲戒解雇が早期に無効と判断されることの危険、可能性を回避したものです。また、紛争

のさらなる引き延ばしを図ることでもあります。

私たちは、落合先生、田中先生の懲戒解雇処分に関する裁判においても、早期に無効判決を勝ち取るため、

さらに奮闘いたします。

追手門学院大学不当解雇事件弁護団

 

 

落合先生勝訴!! 1118日判決公判報告

今回の判決公判には被告・追手門学院側の弁護士は出廷しませんでした。

判決後、報告集会を大阪弁護士会館で開き、弁護士の報告・解説に続いて、落合先生から「大阪地裁判決に

対する声明文」が配布され、感謝の言葉がありました。

「全国国公私立大学の事件情報」http://university.main.jp/blog/ 参照

 

不当解雇撤回の闘いについて

続いて落合先生と田中先生にたいする1025日付の解雇通告に対して、お二人からの訴えと弁護団からの報

告・提起があり、参加者からの発言、討論が行なわれました。

判決主文

1  原告が被告に対し,被告の設置する追手門学院大学心理学部教授として勤務する労働契約上の権利を有す
る地位にあることを確認する。

2  被告は,原告に対し,50万円及びこれに対する平成25413日から支払済みまで年5分の割合による金
員を支払え。

3 原告のその余の請求を棄却する。

4  訴訟費用は、これを20分し,その11を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。

5 この判決は,第2項に限り、仮に執行することができる。

         

報告集会での弁護士のお話

 

今回の判決で、第1は、落合先生が「追手門学院大学の心理学部所属として勤務する労働契約上の権利を有する
地位にあることを確認する」として、単なる従業員としての地位ではなくて、学部所属の教授として所属すること
を確認したことが大きな成果だと思います。

それから、慰謝料として50万円の損害賠償を被告に命じる判決が出ました。

こういった労働事件で解雇とか配転とかでの裁判で、最終的に解雇無効とか、配転無効となったとしても、慰謝
料の支払い命令というのは余りありません。通常は職場に復帰できればそれで足りるということになります。金額
は少ないですけれども、損害賠償を認めたということは被告・法人の方に大きな非があったと認めたことを意味し、
大きな成果だと思います。

判決文で具体的に書かれている内容を見ますと、

1つは、教授としての地位があるかということと、損害賠償の2つになっています。
教授としての地位確認については、争点が4つあります。

争点1は、原告・落合先生が学長就任に伴い,当然に教授たる地位を喪失したか、という点です。

この点は法人の方が持ち出してきた争点ですが、「落合先生が学長に就任したことによって心理学部教授としての
地位を失った」という主張です。

この主張に対しては「原告が学長就任に伴い,当然に教授たる地位を喪失したとはいえず,この点に関する被告の
主張はいずれも採用できない」という判決です。

争点2は、落合先生が,学長就任に伴い、教授たる地位を喪失する旨の合意をしたかどうかという点です。この点も
法人の方が持ち出してきた争点ですが、判決では「被告の主張は、採用できない」として明確に否定しました。

争点3は、原告が学長就任に伴い当然に心理学部から離脱したか、という点ですが、これについても「被告の上記
主張は、採用できない」と否定しました。

争点4は、被告の原告に対する配転命令権の有無という点についての判決ですが、今回の判決では「法人には配転
命令権が無かった」とされました。

少し説明をいたしますと、法人の新しい就業規則にも、「業務上の都合により職務の変更を命ぜられた場合は、旧
職務を引き継いだ上、新職務に専念すること」という条文が作られていまして、これは旧規程にはなくて、今回新た
に入れられた規程ですが、この規程について「職務の変更を命ぜられる理由となる原因についてはなんら規定してい
ない」。ですから、「移った場合、その部署で職務に専念する」という規程であって、どういう場合に移るのか、その
権限が法人にあるのか」ということを規定したものではない、という判決です。ですからあくまでも職務変更後の服
務規律に関する規程であって、配転命令権を定めた規定ではない」と言っておりまして、法人側は「就業規則は適用で
きなくても法人には人事権というものがあって、規程が無くても配転命令が出せる」と主張しましたが、判決では、
「被告の上記主張は、採用できない」とこの主張を否定しました。

「被告が本件大学の教員に対し、当該教員の同意なくその専門とする分野に対応する所属学部をはずす配転を行な
う権利を有してはいないことを確認させるものである」として、落合先生の地位が確認された判決です。

法人側はなぜ配転が必要であったかという主張はほとんどできませんでした。それ以前にそもそも配転命令権が無
かったという判決です。

 

 

20151118

大阪地裁判決に対する声明文

落合正行

                                                                      

本日の地裁での判決は、今回の私への配置転換が法的な根拠がないことを認めるきわめて合理的判断であり、大学
に関わる裁判の今後のよき判例となると考えます。

顧みますと、私は、2012728日に合理的な理由もなく、私の意に反して心理学部教授から教育研究所教授に
配置転換をされました。その後も今日に至るまで、毎年、次々と新たな部署に配置転換をされ、教育・研究上理不尽
な扱いを受けました。

もとより、私学といえども大学は教育機関であり、社会の公器です。大学の教員は研究の専門によりカリキュラム上
必要な科目を学部学科に所属して担当しますので、一般の企業の従業員とは雇用のあり方が異なります。これは、大学
の研究と教育という社会的機能を保証するために必要なあり方です。従って、理事長が教員の専門性を無視して自由に
配置転換出来ないことが認められたことは、大学の独自性を考慮した大変重要な判断だと考えます。理事長が、その後
も大学を自分の意のままに運営するために大学の自由と自治を踏みにじり続けることは、大学の社会的存在を無にする
行為です。

配置転換の結果、私は心理学部教授として担当していた業務を遂行できなくなりました。ゼミの募集が突然中止され
て学生が登録出来なくなり、また私の担当の数科目が数年にわたり開講されず、心理学部の開講科目として学生との
約束事を履行せず、学生に対する心理学教育に重大な不利益を与える結果となっております。

最後に、本判決が得られましたのも、提訴から27ヶ月余にも及び私を支えてくださいました弁護士の先生方の
おかげであります。また、自らのことを顧みず、はじめから一貫して私の裁判を支援してくださいました大学の同僚
の教員をまじめ、大学関係者、卒業生の皆様を含む多くの方々の支援の賜であり、皆様方に、感謝いたします。

sDSC04612
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


1025日、落合正行先生、田中耕二郎先生に対する解雇処分!

 

11月18日午後1時15分 大阪地裁で落合先生の裁判の判決公判です。

その後、東隣の大阪弁護士会館1205室で報告集会を開催いたします。

この場で、新たな解雇処分にたいする報告と提起を行なう予定です。

 

落合正行先生、田中耕二郎先生連名の抗議声明

 

懲戒解雇に対する声明

 

20151025日(日)、私たちに川原俊明理事長名で「懲戒解雇に処す」という通知書が配
達証明で郵送されてきました。本学院の現在の「教職員懲戒手続規程」は、懲戒委員会の決定に
対して不服申し立ての機会が一切認められていないため、これにより、即日、私たちは懲戒解雇
され、以後、許可なく学内に立ち入ることをはじめ、担当授業の遂行、研究室の使用、公費で購
入した物品等の使用、図書館や情報システムの利用など、専任教員としてのすべての行動が禁止、
もしくは著しく制限されることになりました。

今回の懲戒は、昨9月に川原理事長が懲戒委員会に付議してから1年以上の期間があったに
もかかわらず、年度途中において、担当授業が遂行できなくなり、受講学生に多大の迷惑をかけ
ることを承知で遂行されたものであり、まずもってこのことに強い怒りを覚えます。おそらく、
来る1118日に予定されている、落合の不当配転取消訴訟の一審判決に備えて、法人側が敗訴
しても、落合を解雇することによって心理学部教授に復帰させなくしようという悪質な狙いがあ
るものと思われます。

わせて、懲戒解雇は永年にわたる勤務に伴う退職金の給付や、私学共済の医療費給付などの
権利を剥奪するものであり、経済的にも計り知れない損失となります。個人的なことになります
が、現在、田中の妻は、重大疾病で療養中であり、多額の医療費を必要としています。自らの余
命に対する不安に加えて、経済的不安を新たに抱えなければならなくなった妻が可哀想であると
ともに、言いようのない申し訳なさを感じています。

そもそも、今回の懲戒解雇の理由は、「院等を被告とする損害賠償請求訴訟等の提起を教唆し、
その遂行に
深くわり、マスコミを通じてその事を公表すれば院の評が低下することを認
しながら、学内を混させて理事者にする責任を追及できると考えてあえて記者見を
し、もって
院の名及び信用を毀損する行為を行った、また、院等を被告とする前記訴訟の
遂行にあたり、本
の原告の意思を超えて荷し、職務上知り得た秘密を他に漏らした、または、
それに準ずる行為を行った」というもので、これらが「追手門
院大就業規則」第301項第
1
3、第4、及び7(いずれも事案の就業規則、現在は条数が第34条に変更
されている。)に該当するというものです。

ここで言う「院等を被告とする損害賠償請求訴訟等」とは、具体的には、本学の卒業生が2010
7月に申し立てたセクハラ事案について、キャンパス・ハラスメント防止委員会(当時)では申
し立てのほとんどが事実として認定されたにもかかわらず、処分について当時の懲戒委員会では結
論を出すことができず、最終的に大木理事長(当時)の判断により、学院の幹部職員による複数学
生に対する極めて重大な出来事であったにもかかわらず、一片の謝罪文の提出を求めたのみで、そ
れ以上の処分を行わなかったことから、これを不服として、卒業生が20118月に大阪地裁に提訴し、
併せて大阪弁護士会に人権救済の申し立てを行ったことを指します。この提訴と申し立ては、結局、
20128月に取り下げられましたが、その後、川原理事長は事実を捻じ曲げ、虚偽のストーリーを
描いて、20149月に私たちを懲戒委員会に付議したものです。

また、その間、川原理事長は、当該訴訟等の原告代理人を引き受けた弁護士を、訴訟を煽動した、
訴訟を学内抗争の助長に利用したなどの理由を挙げて、大阪弁護士会に懲戒請求を申し立てましたが、
大阪弁護士会は、これらの懲戒理由は認められないとして、この請求を却下しました。しかし、こ
れに納得しない川原理事長は、日本弁護士連合会に対して異議申し立てまで行ったのですが、日本
弁護士連合会も大阪弁護士会の判断に誤りはないとして、川原理事長の異議申し立てを却下したの
です。このように、川原理事長の描いたストーリーは、法律の専門家団体ではまったく認められなか
ったものであり、それにもかかわらず、私たちを懲戒すべく、学院の懲戒委員会に付議したのです。

そもそも、本学院の現在の「教職員懲戒手続規程」は、20137月に従来の「懲戒委員会規程」を
大幅に改悪したものであり、
@懲戒の付議が理事長の専決とされたこと、また「部局による調査」を
経ることなく、直接、理事長が付議することもできるようにしたこと、A懲戒委員会の構成人数が削
減され、理事長の意思が反映されやすい者によって事実上構成されるようになったこと、B第三者の
役割が期待される弁護士についても、「理事長によって指名された」委員長が指名するとされ、第三
者としての客観性・公平性が必ずしも担保されないこと、C懲戒委員会の開催定足数や決議定足数が
引き下げられ、決議しやすくなったこと、D不服申し立てを認めず、懲戒委員会の決議をもって、理
事長が即時に懲戒を発令することが可能となったこと、E「改定後の規程は、該改定以前に生し
た懲戒事由についても適用する」として、手続規定であるとはいえ、立法の「不遡及の原則」を無視
し、遡って容易に懲戒できるようにしたこと、など多くの重大な問題を含んだもので
あり、労働契約
法第10条の要件を充たさない無効の規程です。

実際、今回の懲戒において、唯一第三者であることが期待されて懲戒委員会に加わった弁護士も、
かつて川原理事長の弁護士事務所に所属していた経歴があり、結局、懲戒委員会の客観性・公平性は
何ら保障されていなかったのです。また、川原理事長が描いたストーリーは、20107月から20128
月までの間の出来事であり、これをその後の20137月に「
迅速な決定が必要になったから」という理
由を挙げて
改悪した懲戒委員会に付議し、およそ「迅速」とは言えない1年以上もの時間をかけて、
今回の懲戒解雇を強行したわけです。

私たちは、内容的には事実を捻じ曲げたものであり、手続的にも、正当性のかけらが一片もないこの
ような懲戒処分を受け入れることは断じてできません。不服申し立ての機会が認められていない以上、
本学院で起こった事実を外部に提示することになり不本意ですが、司法の判断を求めて断固闘うつもり
です。心ある皆さま方のご支援をよろしくお願い致します。

 

20151027日                           落合正行/田中耕二郎

 

 

以下資料

 

追手門学院「落合」訴訟とは
山本正志(落合正行先生の裁判を支援する大学人の会事務局長)


追手門学院大学の「異常事態」
2009年6月頃から、多数派理事らによる大学改編の動きが具体化。6月22日の大学評議会で学長選
考検討委員会が設置され、落合副学長(当時)が責任者に選出されるが、「学長選出については教職員の
意見を十分に聞いて進めていきたい」旨の発言をしたところ、多数派理事から攻撃されるようになり6月
29日に副学長を辞任。
9月、次期学長選挙が開始され、一次投票、二次投票を経て、落合教授が次期学長候補に選出された。
2010年4月1日、落合学長就任。
8月、2007年6月に発生した学生の自死事件が新聞報道され、12月下旬、理事長が落合学長に対し、
記者会見の場で謝罪し、学長の辞任表明をするよう迫った。落合学長は辞任拒否。
2011年9月の理事会まで続いた落合学長への辞任強要が失敗とみるや、多数派理事らは、2012年
4月1日から改定寄付行為を施行、「この法人の設置する学校の長は…理事長が理事会の議を経て選任する。
解任するときも同様とする。」という規定を追加し、学長を理事会の決議で解任できるようにした。
2012年4月2日、理事会が、学部長・副学長、その他の部長・センター長人事などを否認、辞任を迫
られていた落合学長は、学長職の遂行困難と判断し、理事会に学長辞任届を提出した。同年5月26日、
理事会はこれを承認した。
7月20日、落合学長の辞任を受けて行われた学長選挙では、当時副学長の職にあった教授が大差で当選
したが、理事会は新規定によって、上記の当選者を排除し、落選した対立候補を学長に任命した。理事会
は2013年4月より、学長選考規程を改悪し、教職員による投票を廃止し、理事長が推薦した者を理事
会が選考するとした。
2月の学部教授会での選挙で次期心理学部長が選ばれたが、理事会はこれを承認しなかったが、こうした
異常な事態は続いており、現在5学部中3学部で、教授会での投票で信任されてない人物
が学部長に任命されている。
川原理事長は、「学問の自由とか大学自治については私立大学には適用されない。大学の中で理事会や執
行部に対して自由を主張することは憲法の保障するところではない」と主張している。

大阪地裁への提訴
2013年3月29日 追手門学院大学の前学長であった落合正行教授が、同氏に対してなされた不当・
不法な連続的な強制配転処分を違法として、学校法人・追手門学院(川原俊明理事長)を相手取って、
大阪地方裁判所に訴えた。落合教授は、追手門学院大学心理学部教授としての地位確認も求めている。
原告:追手門学院大学前学長・心理学部教授 落合正行被告:学校法人追手門学院(理事長 川原俊明=
弁護士)
以後、公判は主に双方から「準備書面」「証拠説明書」のやり取りが続いた。
(A2013/7/1  B9/10 C10/17 D12/19 
 
E2014/2/20 F4/10 G7/7  H10/1

2014年12月3日の第10回口頭弁論では、裁判長が被告(追手門学院)側に対して「学長を辞任
したら教授でなくなるという
(被告側の)論理には無理があるので、もう一度被告側から根拠を出すように」求めましたが、被告側
は何ら根拠を示すことはできませんでした。

「大学人の会」結成と呼びかけ
12月3日の公判の後、参加者と話し合いの上で、@公判の論戦(被告・学院側道理のない点を追求)
を広く知らせることの重要性、A落合先生支援を主旨とした「落合正行先生の裁判を支援する大学人の会」
を結成し、裁判長に対する「要請署名」を呼びかけることを提案しました。世話人で相談した結果、
広く呼びかけを開始しましたが、昨年末までに、関西一円をはじめ全国から200名を越える要請署名が
結集され、1月21日に裁判所に提出しました。同時に呼びかけた支援カンパも40万円近く寄せられ、
今なお「拡散」し続けています。
川原俊明氏が追手門学院の理事長に就任すると、学長に選出された落合先生に対する執拗な攻撃や人事へ
の一方的指揮などとともに、学内外での教職員の自主的活動に対して監視・規制が厳しくなって、「ワン
マン大学」「無権利大学」ともいえる状況におかれています。したがって裁判の進行状況など、学内では
知らされていない、知らせることもできない状況にあります

2015年3月9日の公判において、被告側が提出した準備書面が明らかになりました。

その言い分は、「原告が学長就任期間中に教授の地位になかったことは、明らかである。(会社などの場合)
(部長などの)昇進辞令が発令された場合(あるいは従業員が昇進を承諾した場合)当該従業員は従前の
職位(課長などの地位)を喪失する」という主旨ですが、@学長就任とともに教授としての地位を失う→
A学長辞任とともに元の教授に戻ることはありえない→B従って学院として落合氏を教授としての処遇は
しない、という乱暴な論理です。
月13日公判では原告落合氏の陳述書が提出されました。                
9月2日の公判では、原告落合氏にたいする証人尋問がおこなわれ、判決公判が11月18日午後1時
15分とされました。

 

テキスト ボックス: 7月13日公判報告
今回の公判では原告落合氏の陳述書が提出され、次回公判で証人(落合氏)に対する尋問が行われること
になりました。  次回公判は9月2日(水)午後2時30分から。大阪地裁8階です。

 

 

 

 

陳述書2015(平成27)年7月7日
原告 落合正行

第1 身上経歴等
1 大学教員歴   2 大学内における役職歴
第2 学長就任から退任に至る経緯
1 理事会による大学改編の動き
2 学長就任とこれに対する理事会多数派の圧力
第3 学長辞任から本件各配転に至る経緯
1 大学運営の急激な中央集権化
2 私を心理学部から、大学から排除するための本件各配転
第4 本件各配転は不当な目的によるもの
第5 学長就任時の地位
1 学長就任時に教授の地位を喪失した事実はありま///せん
2 教授会への参加について
3 給与
4 文部科学省の通達等
5 過去の学長の兼任
6 文部科学省への報告書等
7 学長退任後の取扱い
(1)心理学部教授会その他の会議への出席
(2)出勤簿・メールボックスの取扱い
(3)その他の法人の取扱い
(
以上はこれまでのニュースで参照してください。紙面 の都合で省略いたします)

第6 本件各配転の法的根拠
教授の配転は本人同意が必要
そもそも、本件各配転には、法的根拠はないと考えます。教授に限らず、大学教員の採用は、各学
部の教授会で新しい教員を採用する場合、各学部毎に資格要件を明示して募集し、過去の研究歴や
成果物の提出を求め、その分野の専門性を満たしているといえるかを判断して、採否を決めるのが
原則です。
以上の判断過程は、細部の相違はあれ、基本的にはどこの大学でも同様の判断過程がとられていま
す。これは、大学教員の採用にあたっては、特定の分野について研究・教授・指導を行うことが前
提とされているからです(教員公募にあたっては、採用学部、学科、採用の職階、専門領域、担当
科目等を明記されています。甲46の1、2)。
このように、採用公募にも採用学部、学科が明記されていることは、大学教員の所属学部・学科は、
その専門分野と不可分であることから、学部学科は採用時に合意されているということです。(
下一部略)
新就業規則について
法人は、2012(平成24)年4月1日に施行された新就業規則(乙15)25条が本件各配転
の根拠であるとします(それ以前には、この規定はありませんでした)。でも、これは「第5章服
務規律」における職務専念義務を定めた条文です。自ら同意してそのポジションに就いた以上、そ
の職務に専念精励すべきは当然のことですから、これは当たり前のことを定めたものにすぎません。
使用者が配転権を定めたければ、普通は「第4章人事」に定めるものです。しかし、この新就業規
則でも、使用者の配置転換権を直接に定める規定はありません。なお、法人が就業規則を変更する
にあたって、労働基準法90条の職場の労働者の過半数代表の意見聴取手続をとっていません
(新就業規則にもその旨の文書は添付されていません)。法人には3つの労働組合がありますが、
いずれも事業場の労働者の過半数は組織していません。ちなみに東京大学の就業規則(乙47)で
は、「教員の人事に関する事項について、別段の定めを置くときは、それによる」とされ(3条た
だし書)、この別段の定めとして「東京大学教員の就業に関する規程」が制定されていますが
(甲24)、同規程4条では、大学教員の配置換え及び出向に関しては、「大学教員は、東京大学
教員懲戒手続規程(…)の定める審査の結果によるのでなければ、その意に反して配置換又は出向
を命じられることはない。ただし、組織の廃止等により現
に就いている職が消滅する場合に行う配置換え又は出向については、この限りでない」とされてい
ます。

第7 各配転の必要性の欠如
本件第1配転…教育研究所(@)および一貫連携教育機構(A)
(1)教育研究所(@)
教育研究所自体は、以前からある組織ですが、そこに所属している教員は、従前は学部教授等との
兼任であり、専任として配転されたのは私が初めてでした。出勤簿も私一人だけです(甲57)。
そもそも、教育研究所には、専任教員を置くという規程はなく、そのようなことは予定されていま
せんでした。そして、2012(平成24)年7月28日の本件第1配転の前後を通じて、なぜ私
が専任教員としてここに配属されなければならないのか、私がここで具体的にいかなる業務をすべ
きなのかについて、法人から説明されたことはありませんでした。それどころか、本件訴訟におい
ても、結局、今日に至るまで、法人は本件第1配転の必要性について、具体的な主張をしませんで
した。法人は、一貫連携教育機構の心の研究所(B)が大切だと縷々述べるのですが、肝心の教育
研究所(@)への配転の必要性については、何も述べていないのです。しかも、本件第1配転から
1年8ヶ月後の2014(平成26)年4月1日には、法人は、この教育研究所(@)を廃止して
しまいました。この廃止の理由の説明もありませんでした。
結局、私が本件第1配転により教育研究所に配転されてから、同研究所が廃止されるまでの間に、
私が担当した業務は、2013(平成25)年9月から12月にかけて計8回開催された連続講演
会(乙32)の企画、講師の手配等だけでした。わざわざ、専任としてまで行うべき業務内容でな
いことはいうまでもありません(なお、そのうちの1回は私が講師となりましたが、そのときのみ、
録音・録画がされないといった嫌がらせまで受けています)。それ以外の教育研究所の業務は一切
与えられませんでした。
法人が主張する、教育研究セミナー開催(乙32)、ニュースレターの発行(乙63)、研修会等
への所員参加、学生FD活動の支援(乙64)、高大連携事業の推進(乙65)、文章表現コンク
ール「青が散る」の実施(乙66)、自校教育の推進など、教職員や学生の意識改革を推し進める
「教育実践」は、他の教育研究所所員には業務として割り当てられていましたが、私にはこれらの
業務に就くことを命じられることは一切ありませんでした。そもそも、私の専門は認知発達心理学
であり、上記内容は私の専門とはまったく関係のない内容なのです。
(2)一貫連携教育機構(A)
一貫連携教育機構は、2012年4月に設立され、現在も存続していますが、これは大学の組織で
はありません。したがって、この機構の「特別教授」という肩書きも、学校教育法上の教授ではな
く、特段の意味はありません。
また、一貫連携教育機構において、具体的にどのような業務が求められているかについての説明が
まったくないのは、@と同じです。
本件第2配転…一貫連携教育機構心の教育研究所(B)
2013(平成25)年4月1日付けで配属された一貫連携教育機構心の教育研究所(B)につい
て、法人から、一貫連携教育機構になぜ心の教育研究所をもうけるのか、心の教育研究所の目的及
び業務は何か、そこで私が何をするのか、などの説明は一切ありませんでした。もちろん、設置に
際して趣旨、目的、業務の内容などを示した会議資料といったそれを文書化したものを見たことも
ありません。(一部略)
2014(平成26)年3月末日付けで同研究所が廃止される(法人によればCに移管)までの1
年間に私に命じられた業務は、2回の追手門学院茨木中高校研修会(2013年5月22日(乙33)、
2014年2月6日。いずれも各1時間程度の講演会)における講師だけであり、他の仕事は一切
与えられませんでした。一貫連携教育機構心の教育研究所は、茨木市にある大学から遠く離れた、
大学からは地理的に隔離された大阪城の麓にある大手前キャンパス(法人が設置する小学校、中学校、
高等学校の所在地で、大学の教職員は一人も常駐していない場所)に部屋が割り当てられ、机やロッ
カー等が置いてあるだけでした(甲58)。
専任教員は私一人で、職員も一人もいないというものでした。要するに、この心の教育研究所は、
まったく実体のない組織でした。そして、心の教育研究所への配置は地理的にも大学から隔離され
た地であり、私を大学、大学構成員から孤立させる事を目的としたものです。
さらに、本件第2配転の数ヶ月後には、設置されていたコンピューターも引き上げられるという有
様でした。
本件第3配転…総合教育研究推進機構心の教育研究所(C)
2014(平成26)年4月1日付けで、総合教育研究推進機構心の教育研究所(C)が設置され、
私は同日付でここに配転されました(なお、被告は同日付けで私の一貫連携教育機構特別教授の任
を解きました)。
法人は、本件訴訟において、Bの事業をCが引き継いだのだとも主張していますが、私が法人から
そのような方針を事前に説明された事実はありません。そのような文書を見たこともありませんし、
もちろん、私を交えて、この新たな心の教育研究所の目的・方向性等について検討することもあり
ませんでした。
そもそも、学院設置の一貫連携教育機構と、大学設置の総合教育研究推進機構は別の組織ですから、
そこに同じ名称の「心の教育研究所」を設けるとしても、位置づけ、目的、機能は異なるはずです。
なぜなら、両者がまったく同じであるなら、そもそも設置主体を違える必然性がないからです。
Cが大学附置とされたことから、小中高のある大手前キャンパスではなく、大学のある茨木キャン
パスに移されました。その結果、私の勤務場所も変更となりました。しかし、勤務場所の変更につ
いても、法人からの説明はありませんでした。しかも、Cの設置場所は、やはりというべきか、同
じ大学にある他の研究所やセンターから離れた、倉庫と資料室(基盤教育機構資料室、資格課程資
料室、記念資料室)、そして研究室の並ぶ人の往来のほとんどない孤立した4号館1階(4103
究室)に、他の研究所やセンターと比べると異常に狭い部屋があてがわれています(甲59)。
専任の教員が私以外にいない、補佐してくれる職員もいない、備品も書物も過少という点では、
Bの組織と変わりありません。しかも、この新たな心の教育研究所が発足してから今日まで私の行
った具体的な業務は以下のものだけでした。
2014年5月15日総合教育研究推進機構会議
同年6月18日心の教育研究所所員会議
同年8月25日総合教育研究推進機構会議
同年9月25日総合教育研究推進機構会議
同年10 月9日心の教育研究所所員会議
2015年4月23日心の教育研究所所員会議
同年4月30日総合教育研究推進機構会議
このうち、総合教育研究推進機構会議は、同機構長、副機構長及び同機構に属する研究所及びセン
ターの所長(オーストラリア研究所長、ベンチャービジネス研究所長、心の教育研究所長、地域支
援心理研究センター長、スポーツ研究センター長)で構成され、推進機構の基本方針に関わる重要
事項等を協議するものとされています
(甲45 追手門学院大学総合教育研究推進機構規程第11条)。
しかし、予算、人事、行事などこの会議で決定できる権限については何一つありません。また、心
の教育研究所所員会議は、心の教育研究所の所員によって構成される会議であり、所長である私が
主宰するものとされています。しかしながら、年に数回しか開かれない会議への出席、主宰は、研
究所の専任でなければできないような仕事ではありません。

第8 各配転による不利益
教授会参加の権利・大学運営に参加する権利の剥奪
(1)教授会参加等の権利の意義
大学教員は、憲法23条により直接、学問の自由及び大学の自治への参加が保障されており、教授
会(学校教育法93条)が大学の自治を具体化するための基本的な会議体として機能しています。
追手門学院大学心理学部教授会においては、@教員の人事に関する事項、A学生の入学、退学、卒
業、除籍及び賞罰に関する事項、Bその他重要事項、といった大学の運営に関して重要な事項を審
議するものとされています。また、教員が大学の自治の担い手として活動するためには、大学内の
情報を入手する機会が保障されなければならず、また、意見表明の機会が保障されなければなりま
せん。すなわち、大学教員が大学の自治の担い手として活動するためには、教授会に所属すること
が不可欠です。
(2)教授会参加の権利を剥奪されたことによる不利益
追手門学院大学心理学部教授会は、少なくとも月に一度は開催されています。その報告事項、審議
事項は、20から30項目にも及ぶことがあり、教授会に出席しないと、大学内の情報がまったく
入手できません。それだけではありません。これに付随して、大学で起こっている様々なことにつ
いて、その内容について質問することも、また何よりも意見を表明することも出来ません。
私はこれまで、心理学部教授会に出席することにより、大学内の情報を得てきていました。しかし、
本件第1配転以降、心理学部教授会に出席する機会を奪われ、同僚の教員と接触する機会から、
また大学内の多くの情報から隔絶されることとなりました。そのため、大学構成員として大学内で
起こっていることや様々な施策や規定の変更などに係わる意見表明の機会も奪われました。
2013(平成25)年4月から、大学教育研究評議会の議事内容・資料が電子配信されることと
なりましたが、教授会の存在しない教育研究所に配置換えされた私には配信がされず、私は大学内
の動向がまったくつかめない状態に置かれることとなりました。
(3)法人の反論について
これに対し、法人は、オーストラリア研究所、基盤教育機構、地域文化創造機構に、教授会に所属
しない教授、及び特別教授が存在すると主張しています。しかし、オーストラリア研究所について
は、東京在住のご本人の希望でとられた例外的な措置です。
他方、基盤教育機構は、学部という名称ではないものの、基盤教育機構に教授会が存在し、他の学
部と同じ日程で教授会を開催しているのですから、これは実質的に学部と同等です。そして、基盤
教育機構の教授会は同機構の教員全員で構成されています(2015年4月現在、教授9名、准教
授2名、講師1名、特任助教1名)。しかも、機構長は、各学部長と同じ職務と権限を与えられて
います。
また、地域文化創造機構の「特別教授」(2名)は、そもそも学校教育法上の教授とはまったく異
なるものですから、比較にはなりません。
心理学研究科委員会参加の権利・心理学研究科運営の権利の剥奪
私は、本件第1配転により、心理学部教授の地位だけでなく、大学院心理学研究科教授の地位も剥
奪されました。このため、心理学研究科委員会への参加機会を奪われました。ここで研究科委員会
とは、大学院の各研究科ごとに設置される委員会で、大学学部の教授会に相当するものです(甲27。
研究科委員会規程)。
委員会は、研究科担当の教授をもって組織され(必要と認めるときは、研究科担当の准教授・専任
講師を加えることができます)、当該研究科に関する次の事項を審議・決定するものとされています。
(1)
学科課程に関すること。
(2)
授業担当者の選考に関すること。
(3)
課程修了の認定に関すること。
(4)
学生の入学、退学、除籍及び賞罰に関すること。
(5)
諸規程の制定及び改廃に関すること。
(6)
その他研究科の運営に関する重要事項
そして、心理学研究科委員会は、心理学研究科の教授で組織される委員会です。この心理学研究科
に所属しなければ、前記研究科にかかる審議・決定に関与できないことになり、具体的な研究・教
授の機会も奪われることになります。なお、心理学研究科には、臨床心理学コース、生涯発達・生
涯教育心理学コースおよび社会・環境・犯罪心理学コースの3コースが用意され、それぞれのコー
スに教授と院生が配置され、より専門的な研究・教授がなされており、私は、従前より、一貫して、
生涯発達・生涯教育心理学コースを担当してきましたが、本件第1配転以後、ここから外されてし
まい、同委員会を通じて大学内の情報を入手したり、意見表明をする機会を奪われました。また、
他の教授たちとの研究・意見交換・交流の機会も奪われました。
このように、本件第1配転は、大学院の自治に関与する権利も奪うものでもあったのです。
教育的役割の剥奪とそれに伴う研究活動上の不利益
(1)研究と教育は不可分
大学教員は自分の専門分野について、最新の研究成果に基づき、学生や大学院生に教授するのですが、
それは一方通行ではありません。学生、大学院生から質問を受けたり、彼らとの議論を通じて、自
らの研究の問題点に気づいたり、新たな研究テーマを見いだしたりなど、双方向のコミュニケーシ
ョンを通じて自らの専門分野を深化させていくことが、学問にとって重要なことです。
(2)担当授業の削減
しかし、私は、本件第1位配転により、従前、心理学部・心理学研究科教授として担っていた教育
的役割を剥奪され、それに伴い、自らの研究活動においても多大な不利益を被りました。
大学学部・大学院研究科での研究・教授科目は多彩ですが、一般に必修科目、選択必修科目、自由
選択科目に分かれます。このうち、学生・院生の卒業要件に関わる必修科目が研究・教授にとって
重要性を有する科目といえます。
なぜなら、必修科目は、当該学部・研究科に入学した学生・院生全員に履修を求め、単位を取得し
なければ卒業出来ないという科目が選定されるため、自ずと重要な科目がこれに充てられるからで
す。また、学生・院生との意見交換・研究、学生に対する教授については、双方向のゼミ形式が有
用であり、そのため、必修科目の多くはゼミ形式で行われることになります。
本件第1配転時の心理学部・心理学研究科のカリキュラムでは、以下の科目が必修科目とされてい
ます。
@心理学部 A心理学研究科()
しかし、本件第1配転後、法人は、心理学部教授会及び心理学研究科委員会の強い反対をおしきっ
て、何ら理由を示すことなく、私の心理学部の担当科目を、以下のものに限定しました。
@心理学部:心理学の総合的理解、心理学総合科目1、心理学体系論、教養ゼミ7(心の探検)
(2012,2013年度)

A心理学研究科:臨床発達心理実習、言語発達支援論、生涯発達心理学演習
私が担当しているこれらの科目に必修科目(ゼミ)は1科目も含まれていません。法人は、学部
に所属しない者には担当させないという理由で、心理学部人事教授会の決定を覆したのです。そ
もそも私の同意もなく学部に所属させないようにしたのは法人であり、そしてそれを理由に科目
を制限すると言うことは、配転の目的に科目減を含意していたことになります。そして、担当科
目は、教養ゼミ7(心の探検)を除いて現在まで続いております。従って、私の担当科目はすべ
て、科目の重要性からみると必修科目ではない科目であり、重要度の評価は低い科目であるとい
えます。
これにより、私は、学生との意見交換・研究、学生に対する教授という面で著しい不利益を被る
ことになりました。
(3)研究と教育の両者に関わる科目の剥奪と研究活動への影響
上記科目剥奪のなかでも、特に重大なのは、心理学部における卒業研究1E(卒業論文指導)、
卒業研究2E(卒業論文指導)、特殊演習2T(3 年生ゼミ)、心理学研究科における生涯発達・
生涯教育心理学コース演習1B(修士論文指導)、生涯発達・生涯教育心理学コース演習2B
(修士論文指導)といった、学生や大学院生に対する指導の機会を奪われたことです。
いわゆる講義形式の授業においても、授業を受け持たないことによる研究活動の影響はあります
が、特に、ゼミ、卒業論文、修士論文に関わる授業では、研究活動上の影響は多大です。すなわ
ち、ゼミ、卒業論文、修士論文に関わる授業では、教員が一方的に研究成果を教授するというよ
りも、ゼミに参加する学生や大学院生といっしょに専門分野の最新の文献を読み、議論を行うこ
とが主たる授業内容となります。
このことは、単に、学生、大学院生に対して自らの専門分野を教授するだけでなく、自らの研究
に関する議論をすることにより、研究を進めていくという重要な機会でもあります。これまで大
学院生と共同研究を行ってきました。しかし、私は、大学院生の所属がなく、また他の専任教員
もいない教育研究所への配置換えにより、上記のような学生、大学院生と議論する場を奪われま
した。とりわけ、研究・教授の成果を形あるものにする卒業論文指導、修士論文指導から外され
たことは、研究者にとっては著しい不利益となります。
(4)法人の主張に対する反論
なお、法人は、私は講演会の講師をしており(乙55)、研究成果の発表の機会についても、教
育研究所教授及び心の教育研究所所長の立場から十分に行える、と主張しています。しかし、法
人が挙げたシンポジウムは一般市民を対象としてものであり、専門的素養を身につけた学生や大
学院生への教授や議論とは質的にまったく異なるものです。
 学生、大学院生との関わる機会の剥奪
4で述べたとおり、私は、これまで心理学部及び心理学研究科教授として、学生及び大学院生の
卒業論文指導、修士論文指導をはじめとして、多くの学生及び大学院生を指導、教育してきまし
た。その交流は、単に授業を通じてのみではなく、学生や大学院生とは進路相談、コンパなどの
交流、また卒業後も長く続く交流を通じて、若い彼らからの刺激を受けて、自らの研究を発展さ
せてきたのです。しかし、本件第1配転により、私は、学生も大学院生もいない教育研究所の所
属となり、以後、学生及び大学院生との交流の機会、共同研究の機会を奪われ、研究活動上も多
大な損失を被っています。
  学会開催補助、国際学術会議開催補助、教員交換制度、短期在外(海外)研修、国内研修、
 
制度など学部 に割り当てられた諸制度の権利の剥奪

専門分野の研究活動を進め、切磋琢磨していくにあたっては、学会への出席等が確保されてい
るだけでは十分ではありません。教員交換制度、短期在外(海外)研修、国内研修などの制度
を使って、他大学や他の研究機関との交流を行うことは、私の専門分野の研究を進めていく上
で極めて重要なことです。また、学会や国際会議の開催も同様です。
しかし、追手門学院大学においては、教員交換制度、短期在外(海外)研修、国内研修などの
制度は、学部を基本的な単位として制度設計がなされています。
また、学会開催補助、国際学術会議補助も学部を基本的な単位としてなされています。したが
って、学部や研究科を離れると規定上、様々な制度上の恩恵を受けることが出来なくなるのです。
以下、具体的に説明します。
(1)学会開催補助(甲28)
学会開催補助とは、被告大学の専任教員が主体的に学会の運営に関わる場合に、補助金を支給
するものです。
補助金の額は、学会参加規模に応じ、5万円〜30万円です。同補助の申請は、所属学部教授
会の了承を経て学長に申請することとされているため、所属学部が存しない私は主体的に所属
する学会の運営に関わっても補助を受けられません。
(2)国際学術会議開催補助(甲29)
国際学術会議開催補助も学会開催補助と同様に、被告大学の専任教員が主体的に国際学術会議
の運営に関わる場合に、補助金を支給するものです。補助金の額は、1件につき200万円を
超えない額と定められています。
同補助の申請も、学会開催補助と同様の手続が必要であり、私は補助が受けられません。
(3)短期在外研修(甲30、31)
短期在外研修とは、3週間から2か月未満の間で海外研修を行うもので、短期在外研究員には、
航空運賃・滞在費・交通費等が支給されますし、研修期間中の給与も支給されます。同研修の
申請は、所定の願書に事業(研修)計画書を添え、所属学部長に提出することとされており、
かつ、学部教授会の議を経て短期在外研究希望者を選考し、学長に推薦することとなってい
ます。所属学部が存しない私の場合、有資格者であるにもかかわらず、同研修の申請すらで
きないことになります。
(4)国内研修(甲32)
国内研修は、「国立、公立、私立の大学又は研究所等(中略)において、教員がその専攻す
る分野の研修又は教育に関する研究調査に専念することを目的とする」ものです。国内研修
をする教員には、研修委託費、修学費等が支給されます。同研修の申請も短期在外研修と同
様の手続が必要であり、学部に所属しない私は、有資格者であるにもかかわらず、同研修の
申請すらできないことになります。
法人は、本件配置換え後も、日本学校心理士会、日本心理学会及び発達心理学会例会に出席
するなどしており、不利益はないと主張しています。しかし、2,3日間の学会に参加する
ことと数ヶ月という短期の研修機会とは同じではありません。短期の研修機会を奪われるこ
とは、研究上の大きな不利益といえます。
このように、私は、心理学部から排除された結果、学部を単位とした各種制度を利用する機
会を奪われ、重大な不利益を被っています。
実験設備・専門誌購入等の不利益
専門分野の研究を進めていくにあたっては、教員個々人に支給される個人研究費のみでは十
分とはいえません。例えば、私の専門分野である「認知発達心理学」の研究は実験設備の利
用が不可欠なところ、かかる実験設備を個人研究費だけは到底まかなうことはできません。
学部に所属していると、学部学科に対して予算が付き、その中には機器設備の予算もつきま
す。したがって、学科で承認が得られれば、機器備品を購入することができるのです。また、
専門誌の購入についても、毎年、かなりの数の専門誌が発行される中、それを全て個人研究
費でまかなうことは不可能です。そこで、どこの大学でも図書館があり、図書館として、一
定数の専門誌を購入することとなっています。この点、追手門学院大学でも、同様に一定数
の専門誌を図書館で購入することとなっていますが、予算上の制限もあることから、購入図
書については、各学部の図書委員を通じて申し出ることとなっています(甲25)。学部に
もよりますが、教員一人あたり図書費では50万円を超えるくらいの予算があります。雑誌
に関しても、自分に必要な新たに刊行された雑誌を購入することが可能です。
しかし、私は、本件第1配転以降、所属する学部がなくなったため、私の研究分野に必要な
専門誌の購入を申し出る方法・手段がなくなってしまい、最新の研究を入手する機会が奪わ
れ、研究活動を進めるにあたって重大な支障を来しています。
教育活動評価への不利益
さらに、追手門学院大学における教育活動評価の不利益も存在します。追手門学院大学にお
いて、「教員活動評価」は、教育、研究、社会活動、大学運営の4領域が設定されています
(甲60)。
この点、学部及び研究科に所属していれば、教育及び大学運営、あるいは社会貢献の機会が
等しくあります。しかし、本件第1配転以後、私が所属させられている教育研究所や一貫連
携教育機構、総合教育研究推進機構においては、教育と大学運営については、そもそもその
ような機会がないことから、業績を上げることが出来ません。具体的には、以下のような点
で不利益を被っております。
たとえば、教育領域に関して、(略)
心理学の専門資格維持における不利益
私は、臨床発達心理士スーパーバイザー、学校心理士スーパーバイザーという資格を持って
います。このスーパーバイザーとは、心理学会を中心に、心理の専門家に対する専門的アド
バイスをする役割を持つ心理の専門資格者の上位資格のことです。この資格は心理学会が提
供する心理学の専門資格ですが、多くの大学院では、院生に対し、臨床心理士、臨床発達心
理士、学校心理士など認定協会が指定している科目をカリキュラムに組み込み、内外の機関
と連携して実践活動の経験を積ませることで、これらの資格の受験資格を得られるようにし
ています。
そして、この実践活動については、スーパーバイザーの指導が必須の要件となっており、指
導を受けなければ、院生は、上記各資格の受験資格を認定されないこととなります。
追手門学院大学においても、心理学研究科の臨床心理学コース、生涯発達・生涯教育心理学
コースに属する院生は、ほぼ全員が臨床心理士、臨床発達心理士及び学校心理士の取得をめ
ざして心理学研究科に入学しています。したがって、スーパーバイザー自体は大学が提供す
る資格ではありませんが、心理学研究科での研究・教授にあたってはスーパーバイザーとし
ての指導は不可欠のものとなるのです。
私の保有する2つのスーパーバイザー資格を維持するには、5年ごとの資格更新が必要であ
り、資格更新のためには、研修会への出席、関連する研究業績、及びスーパーバイズの件数
などの要件を満たさなければなりません。このうち、スーパーバイズの件数は、指導を行っ
た当該大学院生の人数でカウントすることが一般であるため、継続的に大学院生や臨床発達
心理士・学校心理士のスーパーバイザーとしての役割を果たすことが必要となるのです。と
ころが、心理学研究科の所属を失うと、院生にスーパーバイズする機会が奪われてしまい、
これにより、スーパーバイザーの資格も失うことになってしまいます。
本件第1配転以後、私は大学院生の修士論文指導の担当から外されてしまい、大学院生に対
するスーパーバイザーの機会も奪われました。このため、2つのスーパーバイザーの資格維
持に多大な支障を来しています。
10 名誉教授授与機会の剥奪(略)
11 入試手当の機会の剥奪(略)

第9 最後に
以上申し上げたように、本件各配転は、現理事長のやり方を批判する代表的な立場にあった
私の学内における影響力をなくすために、見せしめとして、心理学部から排除するために必
要性のまるでない配置転換をしたもので、それ自体許しがたいものです。このことにより、
大学の自治、学問の自由を守ることを行う行動を制限する配置換えは許されないことです。
しかも、それは私の大学教授としての基本的権利を奪い、職業生活、社会生活上、多大なる
不利益を与えるもので、許すことができません。                以上