落合正行先生と田中耕二郎先生の裁判を支援する大学人の会
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2021年3月24日 大阪高裁で和解!
長期にわたる控訴審の最終段階で裁判所から「和解」の提案が出されました。原告側として検討、裁判所と被告・学院側弁護士とのやり取りの結果、最終的に和解することに決しました。
3月25日 大阪地裁 原告勝訴の判決!
判決主文
1
本件訴えのうち,原告田中耕二郎が,被告に対し,本判決確定後の金員の支払を求める部分を却下する。
2
原告田中耕二郎が,被告に対し,労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
3
被告は,原告落合正行に対し.平成27年11月21日から平成31年3月31日まで,毎月21日限り73万
0800円及びこれらに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年5分の都合による金員を支払え。
4
被告は.原告田中耕二郎に対し,平成27年11月21日から本判決確定の日まで,毎月21日限り72万
0800円及びこれらに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
5
被告は,原告落合正行に対し、1521万7700円及び別紙1の「金額」欄記載の金員に対する同別紙の
「支給日」欄記載の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
6
被告は,原告田中耕二郎に対し,1500万2700円及び別紙2の「金額」欄記載の金員に対する同別紙の
「支給日」欄記載の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
7
原告らのその余の請求をいずれも棄却する
8
訴訟費用は被告の負担とする。
9
この判決は,主文3項ないし6項に限り.仮に執行することができる。
原告(落合正行・田中耕二郎)の声明
追手門学院現理事長で弁護士でもある川原俊明氏が、原告落合と田中に行った懲戒解雇を無効と判じた
大阪地裁の判断は、誠に合理的であり、社会的に意味のある判断だと考えます。
判決において、現理事長等か原告等を大学から排除する強い意志を持って、合理的事由がないにもかかわ
らず、本来証拠と出来ない内心をも懲戒事由とし、学院では懲戒解雇時には弁護士など専門家の意見を聞く
慣例の手続きも経ず、遵守すべき事実、論理、倫理、人権をも軽んじる権力行使を行い、排除したい者を独断
他に懲戒解雇できる統治のあり方が明らかにされました。そして、この「統治」のあり方が、「腐ったミカン
はいらない」とするターゲットとした教職員の人権をも無視する酷い手法で辞めさせることを目的に行った
研修へとつながったのです。
事の始まりは、前理事長が追手門学院大学において幹部職員(当時事務No・2)による複数学生とチアクラ
ブコーチとに対する深刻なセクハラ行為(大学設置調査委員会で認定)をコーチから相談された事務局長(当時〉
が結果として隠蔽したという事務職最高幹部二人の起こした悪質な事案であります。クラブコーチは原告田中
に相談し、学長であった原告落合を長とする大学ハラスメント委員会に訴えました。そして、大学調査委員会に
よりセクハラが認定され、隠密には厳しく重い付言がつけられましたが、法人懲戒委員会では理事長一任となり、
その結果、理事長が加害職員に厳重注意と謝罪文の提出を求めたのみで、自己都合による退職後、直ちに他の学
校法人の常務理事に就任)を承認し、事務局長に対しても口頭による厳重注意のみで、事実上不問に付しました。
事務局長と理事長の2度にわたる隠蔽でこの事案を無かったことにした学院中枢の極めて重大な事案です。
特に、前理事長は、厳正な処分と同時になすべき被害学生等への十分な心身のケア、そして学院としての再発
防止策の策定など教育機関としてのあるべき姿を全く示すことをしませんでした。
学院のこのようなあり方に対して、クラブコーチか提訴し、原告等は自浄作用が機能しない法人では大学の
機能を損なう事になると考え、勇気ある行動を支援しました。これに対して、前理事長は、原告落合を自ら辞め
るように、学長就任前から非協力的姿勢をあらわにし、学長就任後には合理的理由がないにもかかわらず学長辞
任勧告を10ケ月にわたり行いました。さらに学長辞任後には、現理事長等が原告落合に対して3年にわたり3
度の配転を行い、研究者総覧や教員名簿、大学院の受験生用パンフレットから名前を消す、強引な統治や懲戒解
雇を履行しやすくするため必ずしもデュープロセスを経ないで一方的に懲戒手続きをはじめ様々な学内規程を
法人に都合のよい内容に変更してきました。
一方、クラブコーチは裁判の過程で訴訟を唐突に担当弁護士にも相談せずに取下げ、裁判支援のためのグルー
プ内での情報・意見交換のメールを全て被告側に提供しました。その上クラブコーチは、自身の相談を真摯に受
け止め、支えてきた原告田中を貶める多数の事実に反する発言を学院の証人として行いました。原告としては、
このような理事会執行部とクラブコーチの行為を厳しく問いたいところです。
鑑みれば、現理事長等のの下での法人敗訴濃厚であった落合の配転判決の直前の2015年10月25日に突如懲
戒解雇され、爾来4年5ケ月が経過しました。懲戒解雇の結果、私達は大学教授としての教育・研究の機会を
奪われ、給与も支施されない状況に置かれ、取り返しのつかない負の影響を長期間にわたり止むなく受けざるを
得な<されたことは、決して許すことの出来ないことです。
もとより、私学といえども大学は教育機関として社会の公器であります。最高学府にある大学の現理事長で、
弁義士でもある川原氏は、大学が大切にしている事実に基づき、論理に沿った理性的判断、倫理と人権の尊重と
いう学問と教育に大切な価値を全く尊重せず、従って妥当性も、適切性も認められない権力の行使を行い、自身
に都合の悪い原告や教職員を学院から追放したこと、白身の学院にとどまらす中京大学や名古屋芸術大学、さら
には梅光学園など他の教育機関にまでもその手法を波及させていることは、追手門学院の役職はもとより、社会
的な役職を自ら辞するに十分値する振る舞いであると考えます。
最後に、本判決を得る事が出来ましたのも、提訴から4年5ケ月余にも及び私達を支えてくださいました弁
護士の先生方のおかげであり、深く感謝致します。
さらに、はじめから一貫して私達の裁判を支渡してくださいましたさまざまな大学の教員をはじめ、追手門学
院の卒葉生の皆様を含む多くの方々の支援の腸であり、皆様方に深く感謝いたします。
被告:追手門学院大学は即日「控訴する」ことをホームページで公表しています。
【資料】
追手門学院訴訟とは 山本正志(落合正行先生の裁判を支援する大学人の会事務局長)
追手門学院大学の「異常事態」
2009年6月頃から、多数派理事らによる大学改編の動きが具体化。6月22日の大学評議会で学長選
考検討委員会が設置され、落合副学長(当時)が責任者に選出されるが、「学長選出については教職員の
意見を十分に聞いて進めていきたい」旨の発言をしたところ、多数派理事から攻撃されるようになり6月
29日に副学長を辞任。
9月、次期学長選挙が開始され、一次投票、二次投票を経て、落合教授が次期学長候補に選出された。
2010年4月1日、落合学長就任。
8月、2007年6月に発生した学生の自死事件が新聞報道され、12月下旬、理事長が落合学長に対し、
記者会見の場で謝罪し、学長の辞任表明をするよう迫った。落合学長は辞任拒否。
2011年9月の理事会まで続いた落合学長への辞任強要が失敗とみるや、多数派理事らは、2012年
4月1日から改定寄付行為を施行、「この法人の設置する学校の長は…理事長が理事会の議を経て選任す
る。解任するときも同様とする。」という規定を追加し、学長を理事会の決議で解任できるようにした。
2012年4月2日、理事会が、学部長・副学長、その他の部長・センター長人事などを否認、辞任を迫
られていた落合学長は、学長職の遂行困難と判断し、理事会に学長辞任届を提出した。同年5月26日、
理事会はこれを承認した。
7月20日、落合学長の辞任を受けて行われた学長選挙では、当時副学長の職にあった教授が大差で当選
したが、理事会は新規定によって、上記の当選者を排除し、落選した対立候補を学長に任命した。理事会
は2013年4月より、学長選考規程を改悪し、教職員による投票を廃止し、理事長が推薦した者を理事
会が選考するとした。
2月の学部教授会での選挙で次期心理学部長が選ばれたが、理事会はこれを承認しなかったが、こうした
異常な事態は続いており、現在5学部中3学部で、教授会での投票で信任されてない人物
が学部長に任命されている。
川原理事長は、「学問の自由とか大学自治については私立大学には適用されない。大学の中で理事会や執
行部に対して自由を主張することは憲法の保障するところではない」と主張している。
大阪地裁への提訴(第1次訴訟=落合先生の地位確認)
2013年3月29日 追手門学院大学の前学長であった落合正行教授が、同氏に対してなされた不当・
不法な連続的な強制配転処分を違法として、学校法人・追手門学院(川原俊明理事長)を相手取って、
大阪地方裁判所に訴えた。落合教授は、追手門学院大学心理学部教授としての地位確認も求めている。
原告:追手門学院大学前学長・心理学部教授 落合正行被告:学校法人追手門学院(理事長 川原俊明=
弁護士)
以後、口頭弁論は主に双方から「準備書面」「証拠説明書」のやり取りが続いた。
(A2013/7/1 B9/10 C10/17 D12/19
E2014/2/20 F4/10 G7/7 H10/1 I12/3
J2015/2/2 K3/9 L511 M6/15 N7/13 O9/2 10/25落合先生と田中先生に対する解雇処分
P11/18落合先生勝訴!その後追手門学院は控訴を取り下げ、落合先生の勝訴が確定しました。
大阪地裁への提訴 (第2次訴訟=落合先生と田中先生に対する解雇処分撤回)
@ 2016/2/15初公判 A4/20 B6/15 C9/7 ➄11/10
E2017/1/25 F3/22 G5/18 H7/31
I2018/10/1,11証人尋問終了後、裁判長から和解協議が提案された。
和解協議
11月16日:原告として和解条件をまとめた「和解について」を提出。その主な内容は、@懲戒解雇を撤回
すること、A落合先生の心理学部教授、田中先生の経営学部教授の地位を確認すること、B両先生について
完全な名誉回復措置をとること、C未払賃金(給与及び賞与)を支払うこと、D落合先生は来年の3月末で定
年退職し、同時に田中先生も1年を残して早期退職すること、E両先生が退職した場合は退職金を全額支払う
こと、Fそのほか両先生に解決金を支払うこと、などである。
11月21日:被告が原告の「和解について」の内容では被告が和解に応ずるメリットはないとして、原告に再
考を求める「上申書」を提出。
11月26日:第1回和解協議 裁判長は原告・被告の双方に和解意思ありとみて、「2週間以内に(裁判所と
しての和解案を)提案します。年明けに次の協議をやりましょう」と提案。
12月11日:裁判所が「和解条項(案)」を提示。裁判所は和解の枠組みとして、@懲戒解雇撤回と地位確
認、A和解成立日での退職、B未払賃金と退職金の支払い、C和解の公示、など。
12月21日:裁判所の「和解条項(案)」に対して、原告側は@和解成立日から定年退職日までの賃金相当額
を解決金として支払うこと、A未払賃金に期末手当も含めること、B名誉回復措置として謝罪や名誉教授の
処遇を行うこと、などの補充を求める。
2019年1月7日:被告が「和解についての意見書」を提出。@和解成立日での退職は応諾するが、懲戒解雇
の撤回については触れないことを希望する、A退職までの未払賃金の支払いは応諾する、B和解条項の内容
等で互いに相手を誹謗中傷しないこと、などを主張。
1月16日:原告が「被告の意見書に対する意見」を提出。原告側の提案の趣旨をを理解しないのであれば、
和解の成立は困難なものと評価せざるをえない、と指摘。
1月17日:第2 回和解協議で、裁判所は「和解条項(案)」の枠組みは変更しないことを明言、双方に検討
を求める。
2月18日:第3 回和解協議 双方の主張の隔たりは縮まらず、和解協議は打ち切られることになった。
3月13日:被告は新たに提出した準備書面で、懲戒解雇が認められない場合は普通解雇を行ったと主張。
和解協議の決裂後、年度末の人事異動で裁判長が交代、新裁判長から「もう一度和解協議ができないか」と
の異例の打診があり、これに応じることになった。
6月12日:(第4回和解協議) 双方の主張の隔たりが縮まらず、和解は困難であることが再確認された。
7月10日:(弁論準備)和解協議が決裂したことを正式に確認し、最終弁論を10月2日(水)午後1時30分
から行うことを決定。
10月2日の前日、双方から最終準備書面が提出された。これによって最終的な主張のやり取りは終了し、判
決の言い渡しは裁判所から通告されることとなった。
2020年3月25日 判決言い渡し。ページ初頭へ