九・十日目(10月12・13日)   トロント → シカゴ経由 → 成田

 
 今日は、トロントを経ってシカゴ経由で成田への帰路に着く。 カナダの旅も最後の日となった。 国際空港なので余裕の時間を多めにとってホテルのシャトルに乗る。 空港では、果たして予想通り時間がかかった。 荷物検査とボディチェックを厳重にしていた。 入国のときシカゴで受けた指紋と虹彩チェックがあった。 日本人観光客が多いのだろう、検査係官は日本人だと分かると、「ヒダリ」「ミギ」そして虹彩検査時には「ワラッテ」とニッコリしながら指示を出していた。 対応のよさに心が和む。 10時20分、シカゴへ向け出発。 機内では、出発直前まで携帯電話をかけている人やPCで仕事をしている人が目立った。

 機内では、日本人女性2人が私たちの前の席に座っていた。トロントの友人宅で過ごし、紅葉で有名なアルゴンキン州立公園に行ったとのことで、とっても綺麗だったという。 シカゴでの荷物騒動が無ければ、私たちも立ち寄ることができたかも・・・と残念に思う。

 シカゴ(オヘア)では、乗り継ぎのための時間が3時間くらいあった。 オヘヤをユナイテッド・エアー成田行きで出発する。 今度は往路と違い成田まで昼間のフライトとなる。 出発して暫くの間は、PCに取り込んでいたデジカメ画像を見ながら時を過ごす。 訪れた先々のことを思い出しながら・・・。

 時々窓越しに目をやる。今回も後方の窓際の席であった。 眼下にはカナダ大陸、ステップの地形が続く。 ウィニペグ、マニトバ辺りでは湖沼や川が無数に見える。 やがてロッキーの山並みが雪をいただいて眼下に見えてきた。 機内のスクリーンでは飛行状況を写している。 飛行機はアラスカ・アンカレッジ上空を飛行し、ベーリング海峡、そしてカムチャッカ半島から日本の東北沖を通過して成田に向かう経路をとることがわかった。 高度1万m、速度800kmで飛行。

 アンカレッジの手前辺りから、周りの山々よりひときわ高い峰を持ち、そして雪でしっかり覆われた山々が眼下に見えてきた。 Mt.マッキンリーではないかと思われる。 あの植村直巳さんが遭難した山だと思い合掌する。
 今度は眼下に湖と川の自然が創り出した造形美が現れてきた。 川が激しく蛇行している。 かつて蛇行していたところが取り残されて湖になっていたり、そのままに取り残され昔蛇行した川であったことがはっきりと証拠となっていたりする。 自然が作った壮大な彫刻・絵画のようだ。

 飛行機の窓に水蒸気の結晶のようなものが着いていることに気づく。 外気は氷点下60度、結晶が青空を背景にして太陽の光にキラキラと美しく輝いている。 やがて機はベーリング海峡に出て、カムチャッカ半島上空を南下してゆく。後部進行方向右側の窓よりの席であったことに感謝しつつ過ぎ行く景色を堪能する。

 機は東北沖を南下して、やがて犬吠崎、九十九里浜海岸が見えてくる。 高度を徐々に下げ、いつしか窓に輝いていた結晶も消えていた。 予定通り無事成田空港に着陸し、カナダの旅は終わった。 天気には余り恵まれなかったけれども、訪れた先々で紅葉のカナダを十分に楽しむことができた。

今回の走行距離約1900km、歩数約10万5400歩。

シカゴを出発、帰路につく カナダ・ラップランド上空
ロッキー山脈北端か? アラスカ上空
Mt.マッキンリー? 写真(左)を過ぎたころのフライト状況図
自然の造形美1 自然の造形美2
フライト状況図 ベーリング海峡
いつしか窓に付いた水蒸気の結晶 フライト状況図
犬吠崎 九十九里浜
  こうして、「カナダの紅葉を求めて」の

 わたしたちの旅は無事に終わった。
成田空港に着陸