都農神楽保存会
都農神楽は、宮崎県東児湯地域で伝承されている高鍋神楽に属しており、その創始については、いつの時代であったかなどを記した文献は残っていない。
藩政時代の記録によると、高鍋藩主が都農神社に祈願の折、神楽を奉納して奨励し、全盛を極めた時代があったと伝えられている。「都農神社纂記」には、天明3年(1783)8月11日の祈晴祈願に終日、文政3年(1820)8月11日祈晴に、天保3年(1832)6月2日の雨乞いに降雨があった報賽(お礼)に8月19日終日、それぞれ都農神社に神楽を奉納したと記している。また、嘉永5年(1852)7月4日には、藩主の許可を受けて、藩民が神楽を奉納し五穀豊穣を祈願したと記されている。また、高鍋藩の記録「拾遺本藩実録」によると、文政6年(1823)5月27日藩主秋月種任公神楽奉納の上雨乞い。との記録もある。その他にも、江戸時代、都農神社の境内にあった神宮寺の大泉寺 (大泉寺は修験道場であり、川北郷(当時の町名)の修験者の本寺的役割を果たしていた) が記した「大泉寺文書」によると、都農神社の祭礼に関わりをもち、特に尾鈴神社での雨乞いには大泉寺が修験者を引き連れて、神楽を奉納したとされている。
現在、都農神楽は、都農神社の歳旦祭を始め、夏祭、冬例大祭、同前夜祭、末社例祭で奉納されている。