おおいぬ座・こいぬ座


おおいぬ座

月と狩猟の女神アルテミスに仕えていた娘に、プロクリスという美しい乙女がいました。そして、プロクリスは、アルテミスの神殿を下がって、ケパロスという立派な若者と結婚することになりました。
アルテミスは、そのお祝いに、たくさんの贈り物と一緒に、一匹の犬を贈りました。その犬の名は、レラプスといって、とても走るのが速く、どんな獣も追い越すことはできないというほどでした。 プロクリスとケパロスは、幸せに暮らしていました。
ある時、そのテーパイ王国に、ある神がご機嫌を損ねる事が起き、その神は、罰として、飢えたキツネを送り込んできました。キツネは、国中を荒らしまわり、子供をさらっていきました。
狩人達が力を合わせて狩り立てましたが、矢を射掛けても、矢より早く走って逃げてしまい、捕まりませんでした。
狩人たちは、ケパロスに、レラプスを貸してくれるように頼みました。夫婦は、了解してレラプスを貸しました。
レラプスは、キツネのにおいを嗅ぎつけるなり、勢い良く走り出し、キツネを見つけ、矢のように速くキツネを追いかけました。しかし、キツネも矢のように走って逃げます。そうして、いくらでも走りつづけ、なかなか勝負がつきませんでした。
その様子を天から見ていた大神ゼウスは、そのままだと二匹とも死んでしまうと思い、犬もキツネも走っている姿のまま石に変えてしまいました。
後に、ゼウスは、キツネの害から人々を救ったレラプスを、空に上げ、おおいぬ座という星座にしてやりました。

こいぬ座
アテネの王イカリオスは、忠犬マイラという犬を飼っていました。
ある時、イカリオスは、酒の神ディオニソスに酒の造り方を教えてもらいました。
そして、イカリオス王は、国の人々を喜ばせようと思って、初めてぶどう酒を作り、みんなに飲ませました。
ところが、人々は最初は喜んで飲んでいたものの、良いが回ってふらふらしてくると、王が毒を飲ませたものと勘違いして、怒ってイカリオス王に殴りかかり、とうとう殺してしまいました。
マイラは、一所懸命吠えて、主人を助けようとしましたが、くさりでつながれていたので、どうしようもありませんでした。マイラは、主人が死んだ後も、悲しそうに泣きつづけました。
大神ゼウスは、その姿を見て可哀相に思い、空に上げて、こいぬ座という星座にしてあげました。



オリオン座の三ツ星の東南に青い明るい星が輝いています。全天で一番明るい星です。これが、おおいぬ座のシリウスです。




こいぬ座は、シリウスの北にあります。こいぬ座の一等星をプロキオンといいます。「犬の前に」という意味だそうです。シリウスより先に上るので、そう名付けられたそうです。





Minomushi
2000.4.23

MIDI提供
Taishirou futsuno