おひつじ座


ボイオーティアの王アタマースの二人の子供であるプリクソスとヘレーは、継母のイーノーに憎まれていました。
ある年、イーノーは、麦の種を火であぶり、それを農民に分け与えました。
しかし、火であぶった種が目を出すわけが無く、その年は大変な不作になりました。
そして、イーノーは、それを大神ゼウスの怒りだとし、王子のプリクソスと王女のヘレーをいけにえにしなければいけないと、言いふらしました。
農民は、王宮に押し寄せました。
大神ゼウスは、二人を哀れみ、伝令神ヘルメスを二人の所に行かせて、金色に輝く牡羊を贈りました。
その牡羊は、黄金の羊毛が生えていて、言葉を話す事ができるし、空中を飛ぶ事もできました。
二人は、早速黄金の牡羊に乗って、空を飛んで逃げ出しました。
ところが、途中、ヘレーが海に落ちてしまいました。その海は、後に彼女の名前で呼ばれる事となりました。
プリクソスは、無事に黒海のコルキスに着きました。
プリクソスは、牡羊を大神ゼウスに捧げ、その羊毛をコルキスの王イエテスに贈りました。
そして、コルキスの王女と結婚して、幸せに暮らしました。
イエテス王は、黄金の羊毛を一本一本木につるし、決して眠る事の無い竜に見晴らせました。



東の空に、ひらがなのくの字をつぶしてふせたような、三つの星の並びがおひつじ座の頭の部分です。
その尻尾は、小さな星が固まって輝くプレアデス星団(和名 すばる)の近くまで伸びています。






Minomushi
'99.10.16

MIDI提供
Taishirou futsuno