電子工作の部屋

ここは、ハードウェアに関するコーナーです。
ハードというと、今は出来合いのパーツを組み合わせて自分好みのマシンをデザインすることを指していう事がほとんどですが、
かつては、はんだごてをふるって、トランジスタやICチップから配線するという時代がありました。
技術の進歩は日進月歩であり、今やこのような時代遅れの制作は何の価値も持たないものですが
そういう古き良き時代?に私が試行錯誤の末に制作した数々のゴミを紹介しようと思います。
LED電光掲示板の制作
1988年制作

16×16ドットのLEDのマトリクス上で、アニメーションを表示するという
いわば、電光掲示板のミニチュアのようなものです。
夜見ると綺麗なので、インテリアとして使えます。
この装置は1988年のI/Oに掲載されました。


回路図

点灯しているところ
テレビゲームの制作
1987年制作

オリジナルのテレビゲームを一から作ろうと思って作ったものです。
テレビに映像を映し出すというと難しそうに思えますが、ビデオ信号というのは
意外と単純なしくみで、白黒映像なら0ボルトと1.2ボルトくらいの電圧の差で白と黒を表現し、間に水平同期信号と垂直同期信号を入れてやれば映るのです。
当時、MSXに採用されていたTMS-9918等のCRTコントローラーを使えば、もっと簡略化でき、しかも高性能化できたのですが、使い方がよく分からなかったため、完全にTTLのロジックでビデオ信号を作り出しています。
しかしこれは常に高速にメモリをアクセスし続ける必要があります。
CPUはZ80を4MHzで動作させており、ソフトは当然マシン語です。
ゲーム内容はディフェンダーのスクランブルあえといった感じで、超高速スクロールがうりなのですが、見せられないのが残念です。
ワンボードマイコンのソフト開発に欠かせないものが、エミュレーターとROMライタなのですが、それらも全て自作したものを使って開発しました。
我ながら、よくここまでやったものだと感心します。
今、これだけの意欲があれば、何でもできそうな気がしますが・・。


回路図
ハードの仕様
ゲームのソースリスト

ロータリー式チャンネルが、時代を反映しています(^^;
ROMライタの制作
ワンボードマイコンのソフトを開発するために必要に迫られて制作した2716と2732用のROMライタです。
ROMというのは読み出し専用のメモリで、その中の一品種である2732というのは、32KビットのROMのことであり、つまり4Kバイトしかなかったのです。
2716に至っては、たった2Kバイトです。
今では信じられないくらいの少なさですが、当時は64Kバイトが広大なメモリ空間であった時代でした。
制作過程としてパソコンのX1上でソフトを開発しROMエミュレーターでデバッグした後、この装置でそれをROMに焼いて、ボードマイコンに取り付けるという流れになります。
RS−232Cの制作
1984年制作

1984年当時、日本でもパソコン通信サービスが始まったばかりで、アスキーネットとテレスターという2大ネットの存在がありました。
しかし、当時私が使っていたのはMZ−80Bですので、モデムはもちろんRS−232Cポートも付いていません。
そこで、自作してしまえと、Oh!MZの記事を参考に作ったものです。
シリアルIOの8251を使用しています。
ソフトもOh!MZに載っているものを自分用にアレンジして使いました。
当時は漢字ROMを搭載している機種も少なく、ほとんどがANKと呼ばれる半角カナ文字を使用していて、しかもモデムではなく、音響カプラで300ボーという超低速でした。
ちなみに当時の私のテレスターのIDがTS-2001、アスキーネットのIDがASC06???(忘れました)でした。


回路図
ファミコン用自機数書き換えボードの制作
ファミコンで遊んでいた時、ゲームが難しすぎて進めないので、書き換えてやろう という不純な動機で制作しました。
昔のファミコンは、既成のスタティックRAMを使用していたため、ワークエリアを読み出したり書き換えたりする事が可能だったのです。
また、今の超精密なICと違ってICのピン間隔も広かったので、加工も容易でした。

自機の数に使われているワークのアドレスを探し出すアルゴリズムとしては、まず、RAMの内容をすべてバッファに保存しておきます。
次にゲームをプレイしてわざとやられます。そうすればそのワークの内容も1つ少なくなっているはずなので、バッファの内容と比較して1つ減っているアドレスだけを残します。
この作業を何度か繰り返せば、自機に使われているアドレス以外はすべてふるい落とされるという寸法です。
あとは、そのアドレスに好きな値を書き込んでやれば良いわけです。

ファミコンと接続したところ

パラメーターを書き換えてプレイ中
X1用自機数書き換えボードの制作

混沌の極みです・・・。
はっきり言って死にました。
1986年制作

X1で遊んでいた時、ゲームが難しすぎて進めないので、書き換えてやろう という不純な動機で制作しました。 ただし、回路にかなり無駄が多く、苦戦の連続で、配線にまる三ヶ月もかかりました。 この装置は1986年のI/Oに掲載されました。


X1と接続したところ

パラメーターを書き換えてプレイ中
エレクトロシティの制作


1993年頃制作

約2000個の発光ダイオードを点滅させて、電光都市のようなものイメージして作ったものです。
制御用にZ80マイコンを自作し、コントローラーはお馴染みの8255を14個使用しています。
まるで宇宙戦艦ヤマトの都市帝国みたいで、すごく綺麗なのですが、写りが悪くて残念です。
発光ダイオードはマトリクス状に配列してダイナミックドライブ方式でコントロールしているものと8255の出力で直接コントロールしているものとがあり、2000個の発光ダイオード全てが一つ一つ個別にコントロール可能になっています。
骨組みは鈴メッキ線を使用していますが、これは電気を通すので、発光ダイオードのアノード側を半田付けする事で配線と固定が同時にでき、なかなかうまい方法だった思います。
カソード側は、ワイヤリングペンという、特殊な線材で配線しています。
といっても、ワイヤリングペンは高価なので、実際はリレーのコイルを解いて、変わりに使用しています。
リレーのコイルがワイヤリングペンの代用になるというのは、なかなか経済的です。
解くのが手間ではありますが。


人はこれをガラクタの山と呼ぶ!
でも私にとっては宝の山であり、見ているだけで楽しいのです。
一時期、部品やジャンクを買いあさっていた頃があって、軽く30万くらいは費やしているのではないかという気がします。
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