福岡県のダム歩き

11)陣屋ダム

田川郡には前記の油木ダムのほかにこの陣屋ダムがある。水系が異なって中元寺川という遠賀川へ注ぐ川の水源にこれは存在する。こちらのほうが水量は豊かであるように思えるのだが、ダム湖自体は大きくないようだ(総貯水量440万立方mは油木ダムの1/4以下)。ダムの規模は水源の量によるというよりもそこの地形に依存するところが大きいということだろう。

例によって天気の良い日を選んで田川市を通過し、添田町へ入った。添田町は大観光資源としての英彦山を擁する大きな面積の町だけれど、残念ながらコアになる市街が小さい。その添田市街をかすめてJR添田駅を過ぎた直後に右折して踏み切りを越える。更に十余分の田園ドライブの後いよいよ山間へ突入、急坂を登り始める。ダム近し。アドレナリンが騒ぐ。いよいよ私も立派なダム男(お)君になったことを実感する。

 

残念ながらダムはメンテナンスモードに入っていて、堰堤は封鎖されているし、ダム事務所もすっぽりとカヴァーに覆われている。仕方がない、なんとかなるだろうと近くの駐車場に車を留めて左回りに歩き出す。1975年完成ということだから既に35年が経っているのだ。車の通行が頻繁な県道をダム湖に沿って離れると更に静かさが増す。

ダム本体に程近い水面が大きくあわ立っている。何か大きな怪物でも姿を現すのか、そんなことはないだろう。堰堤上で今しも行われている作業と関係があるのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

水鳥がゆうゆうと動いていった。3000歩たらずで堰堤の反対側に達したが、バリケードは更に堅固であり、わき道もない。仕方なく来た道を戻る。おまけにカメラの電池が切れて動かなくなった。腹も減ったし、いいことがない。もう二度と来るまいか。

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