ふーさんの 超水彩画入門 |
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はじめに | ![]() |
風景をカメラで切り取って写真にしてみるのも良いが、
スケッチで風景を切り取るのはどうでしょうか!あなたの近所の見慣れた風景も、スケッチで切り取ってみてはどうでしょうか?
ちょっと細かい風景の観察は必要ですが、新たな気持ちで注意深く深くみると新しい景色にでも出会ったかのような感じでになります。
水彩画が初めての方にも気楽で簡単に風景画を楽しんで描けるよう、私の少ない経験の中から要点を紹介します。
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1.何を準備するか | ![]() |
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紙 | ![]() |
●紙は安価なものから、
高価なものまで、色々ありますが、最初に使うのであれば、安価なもので十分だと思います。
高級なものと安いものの違いは、
・ 水彩絵の具を何度も紙の上をなでると紙の繊維が壊れて破れることがある。
・ 破れないにしても、できあがった紙がたわむ(波うつ)ことが多い。(水張りで対処)
・ 安い紙だと失敗を恐れず数多く練習ができる。
・ 沢山練習すれば、それなりに上手に描けるようになります。
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● 紙の大きさ これはスケッチブックと称するものを画材やさんで、好みの大きさのものを購入してください。 私はB5サイズの大きさが気に入っています。大きいと時間がかかるし、これ以上小さいと景色の情報が入りにくいと思っています。 |
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鉛筆 | ![]() |
@ フォルダー式の鉛筆が便利です。
A 替え芯の濃さは私の場合、「B」を中心に、HB,2B,4Bを使っています。
使う紙の表面の粗さとマッチしたものがいいと思います。
軽く描いても、ほどよく濃く、且つ、描いているときに粉がでないもの
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消しゴム | ![]() |
普通の消しゴムでもOKですが、「練り消しゴム」がいいです。消してもカスがでないから、また、濃く描いてしまった部分は丸めてその部分を転がすだけで色の濃さが半減します。
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絵の具 | ![]() |
学校では、不透明水彩絵の具を使っているようですが、ここでは、透明水彩絵の具を使用します。
不透明水彩絵の具は下塗りした色の上に別の色を重ねて塗ると、下の色が隠されます。透明水彩絵の具
は、下塗りの色と重ねた色が混じって見えます。ようは、透けて見えるということです。
(イ) 私の場合、マッチベイシックカラーの3原色セットと12色セットを使っています。3原色は混色するにも3色しかないので、あまり考えないで2色を混色すればいいので楽です。(色の数が多いと混色が難しく感じますので)。
混色した2色以外の3色目の色をほんの少し混ぜると、暗くなります。
混色に慣れてくると中間色も混ぜないで欲しくなりますので追加購入しました。もちろん3原色からでもつくれますけど揃えておいた方が便利です。
イエロー、マゼンタ、ブルー、ブラック、ホワイト
バーミリオン、グリーン、イエローグリーン、
レモンイエロー、ブラウン、イエローオーカー、ウルトラマリン、カーマインレッド
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パレット | ![]() |
パレットは絵の具を混ぜるて混色を作り出すものです。最初は持っている絵の具をパレット上に取り出し、水で薄めたり、絵の具を混ぜたりできるので良い。
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筆 | ![]() |
筆の種類は、その穂先の形状(丸いもの(丸筆)、平たいもの(平筆))と太さがあります。
それと穂先が動物の毛かナイロン製で出来ているかにより、値段が変わります。最初はナイロン筆でもいいのではないでしょうか!
筆の太さを号数で表します。0号から12号とか、1号おきにあります。B5くらいの大きさの紙に塗るのであれば、細かいところを描く0号近辺、普通には4号近辺、面積のおおきなところを塗る8号近辺の3〜4本を用意すれば良いと思います。
変わったところの筆では水筆があります。水筆の特徴は、筆の軸のところに水を入れて使用するので、
絵の具を溶かしたり、混色したり、塗ったりするのに便利です。穂先についた絵の具は、テッシュで拭けばいつでも新鮮状態になります。そのため筆洗いようの水入れはいらないことになります。
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水入れ(筆洗い) | ![]() |
インク瓶なみの大きさのものを100円ショップで購入。
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イーゼル(野村流) | ![]() |
イーゼルはあると便利です。屋外で描くにも、屋内で描くのにもスケッチ用紙を適度な角度をつけて描くことができます。これは、野村重存先生の本で作り方が掲載されていたものから作成しました。
できあいのものも最近画材屋さんで売られているものを購入するのも手かなーーと思います。
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スケール(自作) | ![]() |
景色を切り取るための範囲を簡単に確認するため、市販のものもありますが、ポケットに入る大きさのものをつくりました。
風景のなかの一部分を切り取るための枠(フレーム)です。
・準備するものは、Suicaでお金を入れたときに発行してくれる領収書 または、テレホンカード等のほどよい大きさのものを用意します。
・真ん中をカッターで切り抜きますが、切り抜く大きさの比は、画用紙に合わせた比率で縦、横を決めてから切り抜きます。写真の三種類は、切り抜いたあと糸をマス目に張っています。これはあまり効果がありませんでした。
出来上がったフレームの縦、横を2等分か、4等分の位置に目印の白い絵の具を塗っておくと便利です。
下の写真は、遠くの建物にスケールをあてて風景を切り取っているところです。
フレームの上、下に何が見えるか、またスケールの真ん中には何が見えているか?
また、屋根の角度は、窓の位置は、屋根が右側の半分くらいの位置で終わっているな!
とか、スケールの中に見えるいろいろな情報を画用紙側に反映して描いていけば、
それほど、扁平な絵にはならないですよ。
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入門者にお勧めの本 | ![]() |
はじめての風景スケッチ | 野村重存著 | 株式会社旬報社発行 | スケッチが100倍楽しくなる超実践テクニック! | ||||||
はじめての水彩画 | 野村重存著 | 日本文芸社発行 | 基本テクニックをていねいにに解説し随所にプロの裏ワザも披露! | ||||||
三原色で描く風景スケッチ | 野村重存著 | 日本文芸社発行 | 三原色だけでいろいろな色を作り出す方法は混色の基本を教えてくれる! | ||||||
小旅行で楽しむ 風景スケッチ | 野村重存著 | 日本放送出版協会発行 | 全国各地の写真とスケッチを対比しやすく、混色方法を披露! | ||||||
水彩で描く にっぽん絶景スケッチ旅行 | 野村重存著 | 日本放送出版協会発行 | 雄大に広がる絶景の構図ごとに3つのポイントで要約している。 | ||||||
そのまま描けるえんぴつ画練習帳 | 野村重存著 | 日本文芸社発行 | 道具の紹介から小物の形、風景、人物などの描き方がわかる | ||||||
風景スケッチヨーロッパの田舎を描く | 野村重存著 | NHK出版 | こういう絵を描きたいなーと思わせる心がなごむ絵がいっぱい | ||||||
この他にもたくさんありますが、とりあえず上記の7冊をおすすめします。
準備が完了しましたら、いよいよ絵を描いてみましょう。
絵を描いてみよう |
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まず描き始める前に | ![]() |
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描く練習 | ![]() |
スケッチブックに’そのまま描けるえんぴつ画練習帳’を撮してみてみてはどうでしょうか?
・景色を実際に紙の上に模写することは重要なことと思ってます。なんでもそうですが、参考書の
ような上手な絵を描きたいと思ったら、まずそれがそのように描けるか?が問題となります。
家の描き方、山の描き方、点景として人物なんかを描きたいと思ったら、まず先生のように
まねして、まねして、こんなもんかなーーと思ったら、それは、あなたの書き味になるのではないでしょうか! とにかく、木を描くにしても、先生はどのように描いてその木の雰囲気を出しているか?疑問を持ちながら実際にスケッチブックに鉛筆で書いてみてください。
自分の味というのがでてくると思います。
・紙にも特性があります、いろいろなメーカーをものも試してください。色の広がり、筆のすべり、滑らかさ、水の吸い込みの早さなどに違いがあります。
・鉛筆も一本で幅の広い線を描いたり、細く描いたり、直線をかくにも細かく引いて味のある線を描いたりできますので、鉛筆に親しんでください。
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色を塗ろう | ![]() |
スケッチが描けたら色を塗ってみましょう!
色も同じような色は、なかなか難しいですが、これも、絵の具と遊んでいる間にだんだん慣れてきますので
あきらめないで、遊んでください。
色は、薄めに溶いて、筆からしたたり落ちるような状態の色水をつくり、スケッチブックに、薄く、薄く塗ります。最初から濃い色水を使って塗ってしまうと、元に戻せなくなります。
色水は、試しようの紙を用意しておいて、ちょんちょんと塗ってどの程度の色合いかを確かめながら塗れば心配はありません。
もし、塗った瞬間、ありゃーーと思ったら、すぐにテッシュで押しつけて拭き取ります。
ちょっと乾いてしまったら、水を含ませた筆でちょっとその部分を湿らせてからテッシュで拭き取ります。
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写真等を見ながら室内でゆっくり描くメリット
・人に見られないので、のびのびゆっくり描ける。
・風が吹いたりして、スケッチブックが飛ばされたり、パレットが飛ばされたりしない。
・天気の心配をしなくて済む。
・ゆっくり描いていると、光の方向が変わってしまって、見えるものが見えなくなる。
・疲れたらいつでもやめられるし、後片付けが楽である。
なれてきたら屋外スケッチ
・どこを描けばいいかは、スケールを覗いて描く。
・これから描こうとするところを写真に撮っておく。
・落ち着ける場所に座って描く(立ってても良いが疲れるから)。
・写真では見えない細かい部分が見える、省略するにしても納得できる。
・遠くの山の色は、上空の雲や、光の方向により変化するので、あらかじめ斜線でしるしをしておく。
・風で紙飛んで行って、追いかけたりすることもあるのでこのようなことがないようにしておく。
・持って行ったものをすべて持ち帰る(汚れた水、テッシュ)。
付録
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水張り(たわみを無くす方法) | ![]() |
水を多く使うような場合、 紙をあらかじめ水張りをしておくと出来上がった作品はアイロンをかけたように仕上がります。
・ 水張りの材料は、シナベニヤ(画用紙より若干大きいもの)、水張り用紙テープ(幅の狭いものでもOK)、水刷毛(適度な大きさの刷毛)
・ 仕上がったあとの処理
カッターナイフでテープと画用紙の境目に切れ目をいれてはがします。
問題は、貼り付けたシナベニヤ側に残ったテープをいかに剥がすかです。
最初は、水に浸して、その後にたわしでこすって落とそうとしたのですが、なかなか剥がれず、紙の原液のごとく細かく剥がれた紙の繊維がたわしの目を詰まらせ、あげくの果てには洗い場のフィルタも詰まらせて大変なことになってしまいました。なにせ、細かな繊維状態に加えてべとべとした糊まで混じっているのですから洗い場のまわりは大変なことになりました。
・ その後、画材やさんで剥離剤をかったのですが、あまり効果がありませんでした。
・ それで、考えついたのが、駅のホームなんかで、へばり付いたガムを剥がすためのヘラです。これは、かなり効果がありました。
・ 水に浸したあと、テープの側面からヘラを差し込むと簡単にきれいにはがれることがわかりました。いままでの苦労はいったい全体何だったんだと思いました。
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三脚を使って簡易テーブルを作成 | ![]() |
パレットや筆を置くことのできるテーブルが出来ないかといろいろ試行錯誤しました。
三脚の根本部分にベニヤ板を挟み込む形でテーブルを作成します。
【写真1】
準備するもの
@ 写真1のA,B,C,Dを準備
・A:板 縦2.5cm × 横13cm × 厚1cm ::テーブル押さえ板
・B:ベニヤ板 厚3mm ×横45cm × 縦30cm::これがテーブルの大きさ
・C:ゴムバンド 折径140mm ×切幅21mm ::百円ショップで1袋購入
・D:ベニヤ板 厚3mm ×縦14.8mm × 横29.5mm::テーブルを支える板
【写真2】
補強板数法
A写真2は写真1の裏面です
・E:板 横14cm ×縦7.5cm ×厚1cm ::三脚との補強板
・F:ベニヤ板 長14cm ×縦7.5cm ×厚3mm 支え板押さえ
B三脚との補強板寸法
・a: 8mm
・b: 75mm
・c: 140mm
・d:140mm
・e:15mm 支え板の滑り止めなので適当
・f:45mm
・g:20mm
・h:三脚の太さが入るように各寸法を調整(今回使用している太さは20mm×20mm)
・i:40mm
C切り込みを入れる
・センターから左右に30度くらいの角度で深さ20mmになるように
のこぎりで切り込みをいれる
・テーブルの左右に、テーブルの奥から12cm手前に左右1cm放して深さ2cm
の切り込みを2本入れる
D組み立て
これはテーブルの裏からみたものです。
テーブルと三脚の固定はゴムバンドでしっかり固定します。
下の写真はテーブルの真上からみたものです。
このテーブルはノートパソコン(約1Kg)くらいなら載せられます。
全体を組み立てた写真です。
実用になっている写真です。