製作編 

第1回

塗装仕上げ

@ 塗装とマスキング

A スミ入れ

B ウェザリング

  プラモデルを初めて作る時、まずはそのまま組み立てるかもしれません。すると、次に作る時は塗装、 そして場数を踏んでレベルアップするに従ってディティールアップ他テクニックを身に付けていく欲が沸いてくる事でしょう。

 ここではプラモデル作りの第一歩である塗装と、仕上げまでの工程についての基本テクニックを紹介いたします。

 

@ 塗装とマスキング

ある程度組み立てて、ペーパーやサーフェーサーなどの下地調整後、塗装です。塗分ける時にはマスキングテープで「養生」をする。

塗る順番は溶剤の強いもの、色は薄い色から先に行ないます。

ラッカー系と水性アクリルの併用ではラッカー系を先に塗ります。強い溶剤のものを後から塗ると下の塗装を溶かしてしまうからです。

 

 

 

塗分けは1色塗るごとに前に塗った色が充分乾燥したのを確かめてから、こまめにマスキングしながら行なう。

 

 

 

 

 

 

 

塗料の種類は? 

いわゆる「ラッカー系」の塗料、一番皮膜は硬い。写真はグンゼのMrカラー、航空機やAFVの専用色があり豊富にそろう。

ラッカー系の専用薄め液、つまりシンナー、写真右のエアブラシ用はムラ防止のリターダー(硬化遅延剤)が調合されているのでなかなか重宝だ。

水性アクリル塗料、においが少なく安全で水で薄めたり筆を洗えるが、皮膜はラッカー系よりやわらかい。

写真は右がグンゼ、左がタミヤの塗料、グンゼの方が色が豊富で、タミヤの方は専用色がほとんど無く調色することが多いが、タミヤの皮膜の方がダントツに良いと思う。

こちらは水性アクリル専用薄め液、塗料は水を使用できても乾燥すると水では溶けない。そんなときのためにこの専用シンナーは必要です。

 

結果、ラッカー系ならグンゼ、水性アクリルならタミヤがベストか。水性アクリルの薄め液は専用の溶剤(TAMIYA X20-A)シンナーを使おう。                       

                    

A スミ入れ

1、スミ入れにはエナメル塗料を使います。うんと薄めた塗料をスジにたらします、すると表面張力で色が入っていきます。

 

 

 

塗装後は「スミ入れ」を行い、パネルラインを引き立たせましょう。

※ここでは、「凹モールド」のキットを使用しています。凸モールドのキットの場合のスジ彫り→スミ入れの工程は別回で紹介いたします。

 

 

エナメル塗料と専用のシンナー。

このエナメル塗料が一番溶剤が弱いので、スミ入れには最適、定番である。

又、乾燥に時間がかかるので、ムラになりにくく仕上がりは他の塗料よりもなめらか。

2、ひと通りスミ入れをしたところ。

 

      

3、乾いたらエナメルシンナーを含ませたティッシュ や綿棒で拭き取る。

 

4、拭き取り後の様子。

※作例では、モールド(パネルライン)に対して全部塗装をなぞっているが、パネルの交差部に塗料をたらすやり方のほうが、拭き取り時にせっかく入った塗料まで拭き取ってしまう事が少なくなるので、そちらの方法がお勧めです。

B ウェザリング

デカール(転写シール)を貼ったら、ウェザリング(汚し塗装)を行ないます。

主なものとしてはパネルラインに沿って薄く吹いたりエンジン排気口のスス、塗装が剥げの表現などがあります。

※ウェザリングをするか否かは任意です。デスクトップモデルのようにピカピカがよい、という人はしないでしょう。

やりすぎると、いかにもという感じでクドくなるので注意。

ウェザリングが終了したなら、デカールや塗装保護のために、全体的にクリアを吹き付けます。

 

上ぶきのクリア塗装のツヤは、クリアの他にフラットベース(つや消し)を調合して調整をする。さらにツヤのあるスーパークリアなるものもある。

 

キャノピーのマスキングは、塗装関係が全部終了してからはがす、それからキャノピー周りの塗装の凸凹を修正する。

     完成。

 

作例は、メーカー:ハセガワ 

     スケール:1/48

「フォッケウルフ Fw190D」