難攻キット攻略 

 プラモデルを組立てる時、必ず出くわすのがパーツの合わせ目の段差やバリとヒケ。しかしそれらがあったからとて不良品だといえないのがプラモデル。それならば、克服するしかありません。ここでは、下地処理に手間のかかるキットを難攻キットと称してみました。

 

キットは、その筋では有名なKP、チェコのメーカーだ。パッケージは新デザインだが中身はどうだろうか。

確かに部品数は少ない、そのまま組むなら30分もかからない。が、しかーし、そういう訳にはいきません。

 

 

 

 

仮組する。やはり、ほとんどまともに合わない、予想通りのKPだ。

せっかくの合わせ目のポッチなのに、それがあるためにパーツが合わない。切り取ってしまおう。

 再び仮組みをする。隙間や段差がここではっきりする。下地処理は何を使おうか、大きな修正はポリパテが便利。

 以外にもこの時点で主翼の角度がぴったり合っていたのには驚き、操縦席はどうやってもまともになりそうもない、こういう場合は迷わずキャノピーの内側をダークグレーで塗りつぶす。

 

パテ埋めとサーフェーサー吹きの後、ペーパー掛け。概ね240#、400#、600#、1000#と掛けていく。

ペーパー掛けによってモールドは無くなったので、スジを掘り直す

スジ彫りの後、再びサーフェサー吹きをしてさらに凸凹がないか確かめる。あれば修正を加える。パテは指にシンナーをつけて行なうと上手く出来る。・・健康には悪そうですが。

パテ・ペーパー掛けを何回か繰り返し、下地処理の完成

ハセガワやタミヤなどの優れものキットならば以上までの工程はほとんど無くて済むことが多いのだが・・。

シルバー色の機体なので、最初に基本色のシルバーを吹いたところ。その後、シルバーにグレーやゴールド等を調色したものをパネル毎にトーン分けするとかなり引き立ちます。

本体の塗装完成。

作例の場合、スジ彫りのスミ入れは機首部分のみにしました。筋が少々太くなってしまった為、全部入れるとくどくなりそうだからです。

 

 

後記

 こういうキットは、部品数も少なく簡単に出来そうな錯覚を起こすが、どっこい、いざまともに取り掛かると、製作時間は合いの良い優れものキットの数倍かかる。なぜならそれは、そのまま作るのは許されないというプライドに始まり、どの程度までやってみようか、出来るだろうかというテクニックと製品との妥協で果ては自分との戦いである。そうなったらほとんど「スポ根」の世界だ。しかも苦労した割には出来映えはたいした事ない。

 そして「もうこんなキット二度と作らんぞー」と思う反面、気が付いたら定期的にこういうのに手を出してしまう。・・・んー、不思議な魅力があるのかもしれない。