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はじめに

私のホームページをご覧いただき、有り難うございます。
クリックしたのも何かの縁と思い、どうか少々お付き合い下さい。

・ここでは、私が考える良い家について少し述べたいと思います。
それは、なんら特別なものでは有りません。
昔から当たり前の様に建てられてきたごく普通の日本建築がそうです。
丸太の小屋組み、木舞下地の土壁、無垢の木材・・・。
しかし近年、その様な伝統的な建て方がめっきり少なくなりました。
・例えば、今時の木造新築住宅をご覧下さい。
その殆どが、新建材を多用した洋風建築です。
梁や柱は集成材、壁も天井も石膏ボードにクロス張り、床や建具など全て張物の合板です。
サイディング仕上げのモダンな外観に、真っ白なクロスの室内は美しく、
特に若い方々が好むのも無理はありません。
・そして、その一方。
新たな工法に伴い、昔の様な高度な大工技術は必要なくなりつつあります。
また、土壁も少なくなり、左官職についても同様です。
遥か昔から日本の風土で培われてきた素晴しい伝統技術が失われつつあります。
つまり、それは「便利なもの」が溢れる現代において、「楽に、早く、合理的に」という思考の変化の結果です。
そういった考え方で大量生産される今の住宅は、少し味気なく思います。

・私は、新しいものを否定するつもりは全くありませんし、
いたずらな懐古主義でもありません。
良いものは良い、ただそれだけの思いです。
・例えば土壁(日本壁)です。
湿度調整と断熱防音効果を兼ね備え、日本の風土に適した素晴しく良いものです。
また、従来の日本建築は、解体してもその殆どが土に返る素材で出来ています。
したがって、シックハウス等の問題もありませんでした。
無垢の木材は体に優しく、時が経つほどに味わいも出てきます。
木は油分を含んでおり年月とともに徐々に表面に染み出します。
乾拭きすることで光沢が出てきます。
又、小さなキズや汚れは削り取ることも可能で、
これらは、集成材や合板では出来ないことです。
さらに畳ですが、表のい草には空気清浄やアロマ効果が有るといわれており
畳そのものには断熱性とクッション効果(柔道には欠かせません)が有ります。
この様に、数え上げたら限がありません。
先人たちの知恵には驚くばかりです。
大げさに聞こえるかも知れませんが、日本建築は「生きている」と云って良いと思います。
・余談になりますが、これら日本建築の技術は、洋風建築にも十分対応可能です。
例えば洋間を作る場合、柱を隠すように土壁を施し、珪藻土等で仕上げます。
見た目も良く、しかも機能的な壁の完成です。(詳しくは施工例にて)
この様に、少し工夫するだけで新旧工法の良い所を組み合わせることが出来ます。

・今はハイテクの時代です。
図面を書くのも、木材をカットするのも、コンピューターです。
新技術や建材も続々登場し、取り入れるべきも多々あります。
私もパソコンを使いますし、今では無くてはならない物です。
しかし、その反面、アナログ(昔ながら)の方が良い、と思う場面もあります。
皆さんもそう感じた事が有りませんか。
・世間は常に市場原理によって動いています。
不合理なものは淘汰され、「良いもの」が必ずしも残らないのが現状です。
そして多くの業者が経営にしのぎを削っています。
しかし、その様な中にあって、決して忘れたくないことが有ります。
それは他でもない「ものづくり」に対する情熱や喜びの気持ちです。
建築のみならず工業製品その他、全ての「ものづくり」の原点であり、
それなくしては何も始まりません。
利益や合理性を追い求める今のご時世だからこそ、よけいにそう思います。
・古い奴だとお思いでしょうが(歌の文句に有りましたね。笑)、
私は「良いもの」をいつまでも残したいと思っています。

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