錦眼鏡余話7:No265
幼虫:その2 

朝刊をとりに外へ出た。
まだ、小雨が降っている。
郵便ポストは門扉横にある。
 

玄関から門扉まで、幅1mほどがタイルになっている。
その中ほどまで歩くと、
1匹の幼虫がタイルの中ほど中央にいた。
危うく踏んでしまうところだった。
 

傷つけないよう、そっと端のほうへ移動させた。
気に入ったところを見つけて、
蛹になってくれるといいのだが。
 

お昼近くなって、雨が止んだので、
幼虫を探しに外へ出てみた。
出窓横の壁を登っていた幼虫が見つかりません。
 

諦めかけたとき、
ゴーヤ(ニガウリ)の葉越しに覗き見るように見上げると、
 
出窓のアルミサッシの1番上部のへこみに
吊るさがっている幼虫を見つけた。
 

急いでカメラを撮りに行って撮影した。
 
葉の間にかろうじて、吊るさがっている幼虫が撮れた。
 

数年前、
妻が見つけた蛹を虫籠の中に入れて
観察を続けたことがあった。
そのときの蛹の写真がパソコンの中に残っていたので、
ここで紹介する。
お腹に銀色に輝く棘をもっていた。
触るのが怖いくらい迫力があった。
 
この蛹は、虫籠の中で雌の成虫(チョウチョ)になった。
その日は10月中旬の良く晴れた暖かい日だった。
濡れ縁の上へ虫籠を置いて、蓋を開けてあげると、
しばらく虫籠の上で休んでから、雌は
空へまい上がり旅だちをした。
 

 

ところで、
サッシに吊るさがった幼虫は、
3日後には、形や色が変わり蛹になっていた。
 

また、プランターの縁でじっとしていた幼虫は、
いつの間にかプランターの縁の下で蛹に変身していた。
下の写真は、プランターの縁を利用した蛹である。
銀色の棘がいくつか見える。

出窓とプランターの2匹の蛹は、
 
10月上旬から中旬にかけて、成虫になって羽ばたくのだろうか。
我が家の庭の花が咲いていれば
蜜を吸いに来るかもしれない。
その成虫が生んだ卵からかえった幼虫か蛹で越冬するようだ。
 

自然のサイクルって、見事にできているものだと感心している。
 

<幼虫>(完)