錦眼鏡余話5:No193
一日〇〇 

数か月に1回ほど、
私は、教員時代にお世話になったT先生を訪ねるようにしています。
 
本当はもっと頻繁に訪問しなければいけないと思っていますが、
気がついてみると、半年に1回ほどになっています。
 
前回訪問したのが暮れでした。
そのあと4月中旬に、お伺いしようとしましたが、
先生の都合で実現することができませんでした。
 
ようやく、先日の5月26日に訪問することができました。

 
私が教職を全うできたのは、T先生のお蔭だとおもっています。
当時、T先生は校長でした。
西多摩のS小学校に十数年、
たった1校で十数年の間、校長職を全うされた大校長でした。
議員さんが動かすように圧力をかけたが、
当時の教育課長さんが動かさなかったと聞きました。
異例なことです。
 
私は教員時代、どれほど先生にご迷惑をかけたか。
当時、T先生が校長でなければ、
私は教員を続けていなかったと思います。
また、教員としてどうにかこうにか一人前になれたのも、
T先生のご指導と温かい見守りがあったからだと感謝しております。
T先生のお宅を訪問すると
積もる話で2〜3時間があっと言う間に過ぎてしまいます。
 
T先生は、今年91歳になられます。
まだ、かくしゃくとしております。
電動自転車に乗って、
近くのスーパーへ買い物にも行っているそうです。
 
5月下旬のその日、
T先生からいくつか大事なことを教えていただきました。
ウメとカキの枝の剪定時期を尋ねました。
T先生は、昔地域の古老に教えていただいたことだと言って、
「ウメの枝は、お盆前に切ること」
「カキの枝は、葉が落ちてから切ること」
と、大変分かりやすく教えてくれました。
 
今年は妻に
「あなたが剪定したから、来春はウメの花が咲かないわね。」
「来秋にはカキの実がならないわ。」
と嘆かれないですみそうです。
 
T先生は私に、こんなことも教えてくれました。
老後、呆けないために以下のような実践をしているそうです。
「一日一善」
「一日十人」(一日十人の人と話をする)
「一日百字」一日百字程度の日記をつける)
「一日千字」(一日千時ぐらいは読む:新聞のコラム記事を読む)
「一日一万歩」(一日一万歩程度歩くこと)
 
T先生は、最後の一万歩は実行できていないそうです。
十人の人と話すは、電話も入れてだそうです。
また、毎日、日記をつけているので、100字は書いているそうです。
私のようにパソコンに頼っていると、
漢字は読めても書くことができなくなっています。
 
あらためて、自分はどうかと、先生の「一日〇〇」を考えてみました。
「一日一善」は、家事(主に食事の後片付けと掃除、片付けなど)を
中心に頑張っています。
「一日十人」これは週に何回かは出来ていますが。。。怪しいです。
「一日百字」日記が短いので、実行できていません。
私は一行日記をつけています。A4用紙を縦にして、たった2行です。
時どき、漢字が思い出せなくて、電子辞書を引いています。
「一日千字」これは、新聞や読書でかなりの活字に接しています。
妻に暗い中で、読書をしていて叱られたりしています。
「一日一万歩」朝6時ごろから散歩をするようにしていますが、
多くて5000歩ほどです。
散歩に出かける前に、ストレッチを20分ほどします。
 
現代は、否応なしに長生きをしてしまう時代です。
どうせ長生きをするのなら、
T先生のように健康で元気で忙しく生きたいのものです。