錦眼鏡余話5:No177
植木の剪定

朝食後、雑談をしていたとき、
「K店で樹木の剪定を1本3000円でしてくれるんだって。」
と、妻が言いました。
そう言えば、    K店の入口にそんな張り紙があったようです。
 
買物ついでに入口の張り紙を読んでみました。
樹高3m以内の木なら3000円で剪定するとありました。
 
ここのところずっと、
我が家の樹木の剪定は、私の仕事になっています。
妻から自由にやっていいということなので、
剪定の知識のほとんどない私でも、全体のバランスを考え、
隣家の敷地側へ伸びそうな枝などを切ったりしました。
また、「とう」がたった枝(真っ直ぐ上へ伸びた枝)は、
元から切るようにしています。
あとは、太い枝から同じ向きにのびている枝も切るようにしています。
 
妻は自由に剪定していいと言いながら、
私の剪定に不満を持っていることが分りました。
例えば、梅の木の場合なら。。。
「花芽のついた枝がみんな切られてしまったわ。
今年、梅の花が咲くかしら。」
柿の木の場合。。。
「今年はたくさん実がつく年なのに。。。ろくろく実がつかないわ。」
などと呟くのです。
自由に剪定していいと言うお墨付きを頂いたつもりでしたが、
そうではありませんでした。
 
梅の木も柿の木もちょうど今が剪定の時期です。
私は妻に
「1度、専門家の方に剪定してもらおうよ。」
と声をかけると、
「そうね、1度やってもらいましょうか。」
ということになりました。
 
さっそく、歩いて数分のところにあるK店へ出かけました。
大学生のような若い店長さんが対応してくれました。
「植木屋さんが1度打ち合わせにお伺いします。」
日程の調整等に来ることになりました。
たった2本の樹木の剪定のために事前の打ち合わせを
しに来てくれて採算があうのだろうかと思いました。
 
打ち合わせの当日、植木屋さんが年内に仕事をしたいと言ったので、
こちらの年内の予定を告げて日取りを決めました。
実直そうな植木屋さんでした。
柿の木の樹高は、3本の枝が3mを超えていました。
ところが、植木屋さんはカーソルを合わせながら
「柿の木も3m以内ですね。」
といって、2本6.000円になりました。
私は思わず「ありがとうございます。」とお礼を言いました。
 
帰り際に、植木屋さんがひとつ大事なことを教えてくれました。
「柿の木は新しい枝に実が付きますよ。
だから、実だけを採るのではなく、実の成った枝からとるようにしてください。」
 
私はどちらかと言いうと、
実のなった枝を剪定せず、来年のために残すような剪定をしていました。
つまり果実だけを採っていたのです。
ひとつ利口になったなあと思いました。
 
12月26日朝8時から仕事を始めるそうです。
約1時間ほどで終わるそうです。
朝早いけれど、こちらも用事がひとつ早く終わるので助かります。
 
当日、植木屋さんの仕事ぶりを少し見てから、
「あと宜しくお願いします。」
といって、私は朝食の続きを食べました。
 
9時頃、「ピンポン」とチャイムが鳴ったので外へ出ていくと、
梅の木と柿の木の剪定が終わっていました。
第一印象は、「2本の樹木が床屋さんへ行った感じになっていました」
取り除いて枝は、拍子抜けするほど少なかったです。
それでいて、2本の樹木はすっきりとしていました。
 
これからのために、写真を撮っておこうと思いました。
下が剪定された2本の樹木です。
「2本の樹木とも床屋さんへ行った感じになっていまんか。」
 
(14年前に亡くなった母が江戸川の家からもってきた白梅)
 
(食いしん坊な妻が柿の木が欲しくて買ってきた柿木)