錦眼鏡余話4:No145
人工知能:その2  

「ディープランニング(DL)」の機能は、
実はすでに私達の手の中にあります。
 
スマートフォンに組み込まれた、音声で操作する「アプリ」です。
初の成功例は、アップル社のアイフォーンに組み込まれた「Siri(シリ)」です。
 
「東京駅に行くには?」「この近くに美味しいレストランは?」と
喋りかけると、人工知能がベーターベースやウェブを検索して、
音声で答えを返してくれます。
 
こうした「ディープランニング(DL)」の進化の先にある社会は、
どんなふうな社会なのだろうか。
 
一つのヒントを示したのが、最近公開されたアメリカの大学生の動画です。
 
朝、起きた学生が、手にしたのはアイフォーンです。
「Siri(シリ)」に向かって、「電気をつけて」と話しかけると、照明がともります。
台所へと歩きながら、再び「Siri(シリ)」に「部屋の温度を上げて」と話しかけると、
エアコンが動き始めます。
家の外へ出た学生が車の前へ行き、手元の「Siri(シリ)」に「鍵を開けて」と
指示すると、自動ロックが解除される音が響き、学生は車へ乗りこみました。
 
身の周りのもの全てがインターネットに繋がり、手元の末端に口頭で
命令すれば、全てが出来るようになります。
今後、「ディープランニング(DL)」は、データを食べるほどに賢くなり、
画像や音声の認識率も上がります。
 
かって、人工知能の研究で、世界をリードしていたのは日本でした。
通産省と日本の大手家電メーカー各社がタッグを組み、
第5世代コンピュータープロジェクトを立ち上げました。
500億円を超えるお金を注ぎ込み、
「人間のように考える」大型コンピューター作成に取り組みました。
ところが、残念ながら失敗に終わりました。
 
失敗の背景には「技術の問題」がありました。
当時の人工知能は、
コンピューターへ「ルール」を覚えこませる方法が主流でした。
人間のように考えさせるには莫大なルールが必要になってきます。
ルールが複雑で多すぎて、研究者もすべてを書き出しきれなかったのです。
 
世界は大型コンピューター時代が去り、小型パソコンが主流になってきました。
 
日本のメーカーは、その後、人工知能を部分的に組み込んだコンピューターや
システムの開発へと進みだしています。
一つの例として、人間がいるところだけを冷やすクーラーの開発などです。
将棋の世界では、人工知能「Ponanza(ポナンザ)」がプロ棋士を圧倒しました。
 
現在、世界中で、個人がインターネット上に、文字や画像、動画などのデータを
ため込んでいます。
その大量のデータを、「ディープランニング(DL)」などの人工知能が呑み込み、
賢くなっています。
英語学習で言えば、文法は完全に無視します。
代わりに英会話を浴びるように聞き、見よう見まねで学んでしまいます。
 
フェイスブックは、この4月、
様々な顏の画像から個人を特定する技術「ディープフェース(DF)」を発表しました。
人の横顔の画像からも、正面の顔を推定できるようになったそうです。
ネット上にある人工知能の目が世界中のネットワークを瞬時に探し回り、
人々の居場所を捕捉する社会が訪れるかもしれません。
 
データを飲み込めば飲み込むほど進化する人工知能は、
いずれは人間の知性を超えるのではないかと言う予測も出始めています。
 
「近い未来、この会場のすべての知性を集めても、
単純な人工知能にすら及ばなくなる」
松山市でこの5月中旬に開かれた「人工知能学会全国大会」で、
富士通研究所の研究員がこんな挨拶から講演を始めたそうです。
 
宇宙物理学者のスティーブン・ホーキングら4人の科学者は、この5月、英紙で、
「人類史上、最高もしくは最悪かもしれない事態に、我々は直面しているが、
真剣な研究はなされていない。今、何ができるか自問する必要がある」
と指摘しています。
 
人工知能が、自律型兵器などに応用されれば、
負の側面が大きく拡大しかねないことを警告しています。
 
これは、◇人工知能◇その1:でも取り上げたように
北朝鮮のような国に利用されたら、
計り知れない問題をもたらすことになります。
 
インターネットで<自律型ロボット兵器の恐怖>を下に引用します。
 
是非、読んでいただきたいと思います。
アメリカを中心とした軍事先進国や北朝鮮では、盛んに開発しています。
漫画やSF小説、映画のの世界ではすまされなくなってきています!!
 

 
『最近、無人戦闘機やロボット兵器に関する話題が取り上げられる機会が増えてきた。
実際、アメリカの無人機がテログループのリーダーを殺害したなどと言った類の
ニュースもよく耳にする。
そんな中、問題になっているのは、自律型ロボット兵器の開発である。
無人機にせよロボットにせよ、これまで敵を殺害するかどうかの判断は、
遠隔装置等を通じて人間が下してきた。
それが自立型ロボットになると、
殺害の判断までロボット自身が下す恐れがあるというのだ。
 
人がロボットの意思で殺される時代がくるかもしれない。
そんなことを考えるだけでも恐ろしいことである。
(昔、「ターミネーター」という怖い映画を見た記憶があります)
ロボットには倫理観のような感情がない。
あくまで状況データを機械的に分析し、機械的に判断を下す。
現在、核兵器や化学兵器のような大量破壊兵器の拡散をふせぐための
国際的な枠組みは存在するものの、
(これには、アメリカを中心とする大国がはいっていない!!凄い矛盾。)
自律型ロボット兵器の規制に関する仕組みは未整備である。
 
人間の遺伝子操作などと同様、自律型ロボット兵器についても
倫理的な規制に関する国際議論を深め、
一刻も早く殺人ロボットを防止するための枠組みを構築する必要があるのではないか。』
 
もう1度、宇宙物理学者のスティーブン・ホーキングら4人の科学者の文書を引用します。
「人類史上、最高もしくは最悪かもしれない事態に、我々は直面しているが、
真剣な研究はなされていない。」
 

 
世界が足並みをそろえて、貧困や悪に立ち向かう時代は来るのか?
 
はたまた、「第三次世界大戦」が偶発的に起こるような気がするのは、
日本の安倍首相の提案し進める戦争のできる様々な準備
(秘密保護法・武器輸出三原則の見直し・集団的自衛権問題等々)のためだろうか。
 
日本国民が選挙で選んだ安倍政権:自民党が進める先に見えるものは、
今の日本を巨大な軍艦に仕立てあげて、再び戦争の出来る未来のような気がします。
それを、大企業(軍需産業)が待ち望んでいるのだから怖いものです。
 
軍需産業は景気に左右されずに、巨大な税金・資金を飲み込みます。
武器弾薬が際限もなく、紛争地域に流れ込みます。
日本にも、
武器・弾薬、兵器をつくり、儲ける企業が生まれつつあります。
武器輸出三原則の箍(たが)が外れたら、
途端に世界の兵器産業の集まりに日本企業が参加し出したのだから驚きです。
 
政治家の脅しや甘い言葉に騙されないようにしたいものです。