錦眼鏡余話4:No129
データの寿命:No3

H製作所中央研究所のW主任研究員らが京都大学と開発中の技術は、
寿命が「数億年」と言われています。
「数億年」の記憶媒体。。。これこそ、究極の記憶媒体だと思いました。

強烈なレーザーで石英ガラスの内部にドット(点)を刻むそうです。
火災や化学薬品にも強く、停電にも強いといわれています。
厚さ2mmで記憶層は、26層もあります。
 
現在は、1メガバイトの書き込みに約1時間半かかるそうです。
そのため、高速化を進め、3年後に実用水準にするのが目標だそうです。
 
数億年も保存できる記憶媒体も、データを再生できなければ意味がありません。
米航空宇宙局(NASA)が、1970年代に打ち上げた火星探査機バイキングの
観察データを約25年後に解読しようとしたら、読み取ることができなったそうです。
ただ1と0が意味不明にずらっと並んでいるだけでした。
「保存形式」の情報を知る職員が全ていなくなっていたからでした。
 
こういう事が起こらないために、
石英ガラスの技術では、データ本体と一緒に、
保存形式などの情報も文字や図、絵などで書き込むことにしているそうです。
 
また、読み出しに使う機器も、普通の光学顕微鏡とノートパソコンです。
こうすれば、
読み出し装置が生産されなくなることもありません。
これでデータを読みだすことができないと言ったこともなくなります。
 

 
 
最後にもう一つ、はっと驚く記憶媒体を紹介します。

生物の遺伝情報を38億年も受け継ぐDNAを記憶媒体に
使う研究も進められているということです。
塩基配列をデジタルデータに見立てて、
遺伝組み換え技術で情報の書き込み、DNA解読装置で読みだす発想です。
欧州分子生物研究所などは2013年、
シェークスピアの詩などを合成DNAに保存し、
再生に成功したとの論文を英科学誌ネイチャーに発表しました。

生物が持つDNAは、世代交代するうちに突然変異で徐々に変化します。
慶応大学などのグループは、2007年に生きた細菌のDNA4か所に
同じデータを別々の形式で保存することで、
数百年〜数千年間保存できる可能性を示したと言われています。
 

 
今後、データ保存のための記憶媒体開発で、
どの方法が最も安定し、消えないものとなるのか、
世界の企業や研究所がしのぎをけずっていくことでしょう。

私は、3台の外付けHDD(ハードディスク)で、
写真などの保存を行っています。
手持ちのHDDも昔は、500GBが最も大きかったのですが、
現在は1テラバイト2台と500ギガバイト1台になっています。
 
外付けHDDも年々大きくなっているようです。
最近、量販店で置かれている外付けハードディスクの主流は、
1〜4テラバイトになってしましました。
 
時代とともに、世界を飛び交う情報量も増え続けています。