錦眼鏡余話3:No97
ヤマトシジミ 


異常気象という言葉が世界各地で使われる昨今になっています。

今年、7月の後半から、記録的な暑さが続いています。
8月に入り、人間の体温を超える日もあって、
たくさんの人々が熱中症にかかり病院へ搬送されています。
お年寄りの中には亡くなられる方も出ています。

その一方で、山陰地方や北陸、東北、北海道などで、
記録的な豪雨がありました。
関東は、激しい雨が降る割には、水源の貯水量が増えず、
今年の夏は、渇水なのだそうです。



うだるような暑さの中、
我が家の庭に、ちらちらと動くものがあります。
よく見ると、小さなシジミチョウです。
大きさは人差し指の爪ほどの大きさです。
花にとまったり、葉の上にとまったりと、落ち着きのないチョウです。
南側の樹木の茂った庭にも、東側の花壇にも、結構います。
主に地上すれすれの低いところを飛んでいます。

どれ、観察してやろうかと近づくと、すぐに飛び立ち、じっとしていません。
そんな訳で、はねの模様が分らず、なかなか正体が分かりません。
カメラを持ってきて、撮影をしようとしても、させてくれません。

最初に、どんなところにとまるのかを観察することにしました。
庭に咲いている花に吸蜜するためにとまりますが、長くはとまりません。
目で追っていくと、庭にはえている緑の葉にもとまります。
めまぐるしく動き回っています。

あらかじめ、カメラを構えて、良く来る場所に陣取って
やってきたところを撮る方法がひとつ。
もう一つは、
朝の早い時間帯がいいのかなと考えています。
朝、まだシジミチョウが十分に目覚めていない時間を
狙うのはどうだろうかと考えました。
考えてから、蝶には、そんなことってあるのかなと思いました。

白い小さな花がたくさん咲いている「カラミンサ」によくとまるのが
分りました。
カラミンサの横で待つことにしました。
とまって、吸引して飛び立ちます。
裏はねの模様が分かりました。
はねの模様を記憶しました。

 
とりあえず、シジミチョウの名前を調べることにしました。
図鑑とインターネットで調べました。
その結果シジミチョウは、「ヤマトシジミ」だと言うことが分かりました。

図鑑では、「ヤマトシジミ」は。。。
◆日本では本州から沖縄まで各地に産し、普通に見られる。
4月〜11月の間、平地に普通に見られ、年数回の発生。
主として4令幼虫で越冬する。
♂ははねの表が青藍色であるのに対し、♀では暗かっ色であること
(庭に飛んでいる♀らしきヤマトシジミのはねは、かっ色と
いうほどではなかった:個体差を感じた)
上のカラミンサにとまったヤマトシジミは、はねの色から♀のようですね。
下のナスタチュームの葉にとまったのは、♂のようです。


◆春型(4月頃から)・夏型(6月頃から)・秋型(10月頃から)の3型がある。

◆朝鮮半島(中部以南)・台湾・中国・ミャンマー・インド・タイ・イランなど
にもいる。

図鑑には食草について書かれていませんでした。
インターネットで調べてみました。
カタバミでした。


カタバミは私達の身近にある野草のひとつです。
夕方、3枚の小葉を閉じたとき、片方の葉が食べられたように見えます。
そこで、片喰み(かたばみ)と名付けられた説があります。

黄色い小さな花をつけます。
日本全土に分布する多年草で、畑や庭、道端などにはえ、
茎は地上を這って、太い主根を深く伸ばしています。
葉は夜間はたたんで閉じます。

ハート形の3枚の小葉をもち、花柄が長いです。
カタバミ科の植物は、どれも蓚酸(しゅうさん)を含むため、
葉を咬むと酸っぱい味がします。
熟した果実は触るとはじけて種子を飛ばします。
手で触ると、はじけて飛んだ種子が手の指にくすぐったく感じられます。


葉が赤味を帯び、花の内側に薄い赤い輪状の模様の入っているものを
「アカカタバミ」と分けたりしています。


ヤマトシジミは、日本全土の畑地や庭、道端などにはえているカタバミを食草に、
日本全土、どこでも見ることが出来るチョウだということが分かりました。