錦眼鏡余話3:No95
ニホンウナギ


ウナギやクロマグロを大量に消費している国は、日本です。
これは、日本の食文化と言っていいでしょう。
今年も、「土用の丑の日」にウナギを食べた方も多いと思います。

「土用の丑の日」にウナギを食べる習慣は、江戸時代に始まった
ようです。
蘭学者:平賀源内が知人のウナギ屋のために
「本日、土用の丑の日」と書き、店先に張り紙をしたところ、
お客がたくさん来て大繁盛したというのが有名な起源説だそうです。

この「土用の丑の日」に、我が家もウナギを買ってきて、
うな丼にして食べました。
猫のミーも、久しぶりのウナギをわき目もふらずに食べました。

ニホンウナギが「絶滅危惧種」に指定されそうです。
されたら、どうなるのでしょうか。
ウナギが食卓から姿を消す日が来るのでしょうか。
我が家の愛猫ミーの好物が一つ減ってしまうのは困ります。
今までも、猫のミーが元気のないときにウナギを食べさせて、
復活させたことが何回もあります。

ニホンウナギは、フィリッピン沖の太平洋の海溝で生まれます。
稚魚(シラスウナギ)となって、日本の河川をさかのぼる時に網で捕獲されます。
捕獲されたシラスウナギを、養殖施設で大きく育て出荷されます。
静岡県の浜松あたりには、こうした養殖施設が新幹線からも見ることが出来ます。

ニホンウナギが高い値をつけているのは、長年の乱獲が原因とされています。
日本の河川をさかのぼるシラスウナギが激減していると言われています。
今やスーパーなどでは、中国産などの外国産ウナギが主流をなしています。

ところで、昨年の平成22年に、
ニホンウナギの完全養殖化が成功したというニュースが流れました。
横浜市にある水産総合研究センターで、
ウナギの卵から成魚へとの完全養殖に成功したのです。

ところが、卵から幼生の「レプトセファルス」の段階で、
9割が死んでしまい実用化には至らなかったそうです。
原因は、幼生「レプトセファルス」の餌が不明だったためだそうです。

しかし、東京大学の研究チームが昨年、太平洋で採取した幼生を調べ、
餌を突き止めました。
それによると、プランクトンの糞や死骸のなどが餌だったことが分かりました。
最近の研究で、鶏卵やヤマメの精巣も餌になることが判明し、
幼生「レプトセファルス」の約9割が大きく育つようになったということです。

完全養殖化には、飼育の大規模化が課題として残っていますが、
ニホンウナギの完全養殖の実用化が確実に近づいています。