「未来の栄養食」なんて打つと、何かいいことかなと
思われるかもしれませんが、
内容を読んだら、「嫌だあ。。。」「ぞっとするわ」なんて
感想が出てきそうです。
地球上の人口は、現在70億だそうです。
国連の推計では、
2050年までに90億を超えると言われています。
国連食糧農業機関(FAO:本部ローマ)の報告書では、
この人口を養うには今の食糧生産を倍に増やす必要が
あると言っています。
その報告書の中に、「エコで安上がりな未来の昆虫食」があります。
国連食糧農業機関によると、今までアジアやアフリカを中心に
世界で約20億の人間が
1900種以上の昆虫を食べていると報告されています。
日本でも、イナゴや蜂の子が昔から食べられている地域が
あることは有名です。
実は私も小学生時代、イナゴを食べた記憶があります。
昭和20年代の中ほどでした。
その頃、私は世田谷区に住んでいましたが、
畑や水田がありこちにあった時代でした。
竹で編んだイナゴ専用の入れ物を持って、
イナゴ採集に出かけた記憶があります。
イナゴは佃煮風にして食べました。
国連食糧農業機関によると、
昆虫食の利点が3点あると述べています。
一つ目は、栄養面です。
昆虫によってばらつきはありますが、
高たんぱくで、ビタミンや食物繊維、鉄分や亜鉛を多く含む
高栄養食品だと言われています。
二つ目は、環境に優しい点です。
昆虫は変温動物で、体温維持にエネルギーを使わないので、
食べたものを効率よくたんぱく質へ換えることができます。
三つ目は、社会経済的であるという点です。
昆虫の採取や飼育はローテクで、投資も少なくてすむために
貧しくても参入が可能な点です。
将来、火星などで暮らすときを考えて研究がされている「宇宙農業」では、
カイコがたんぱく源のひとつと見なされています。
味のほうはどうなのでしょうか。
「昆虫料理研究会」(何でもあるんですね)代表のUさんによると、
「一番美味しいのはカミキリムシの幼虫で、まさにトロの味」だそうです。
ただ、昆虫食は、西欧諸国では野蛮な行為として忌避されてきました。
もともと、昆虫の種類が少なかく、大型脊椎動物の種類の多かった
欧州や北米では、割の合わなかった昆虫食が敬遠されたのだと
言われています。
昆虫の活用で現実的なのは「飼料としての昆虫の活用」だそうです。
畜産や魚の養殖業で、資料にされている魚肉や大豆は、
価格が高騰しています。
その代役として、昆虫が注目されています。
今年、国連アフリカ経済委員会などが主催する「アフリカ革新技術賞」に選ばれたのは、
なんとハエを使って家畜飼料をつくる技術だそうです。
食品廃棄物や捨てられていた家畜の臓物などでハエを育て、
その幼虫を乾燥させて飼料工場に送ります。
乾燥させた幼虫は、飼料に使われる魚粉と成分は同じだそうです。
ところが、ハエの幼虫と言えば蛆(ウジ)であるため、
かなりの抵抗があるのではないでしょうか。
その技術を開発した人の話によれば、
「10年もすれば、捨てられていた栄養分のリサイクルとして
自然に思えるようになるはずです」だそうです。
私が生きている間には、現実的な話にはなりませんが、
このまま世界の人口が増え続ければ現実味を帯びた話となることでしょう。
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