A新聞の土曜版に「今さら聞けない」シリーズがあります。
タイトルを見て、興味がわくと目を通します。
今までも、「メール通信」(錦眼鏡余話)でいくつものことを
紹介してきました。
今回は「絶滅危惧種」です。
地球が誕生して、たくさんの生物が進化・分化してきました。
また、地球の地軸変化による環境変化や隕石の衝突などで、
多くの種が絶滅してきました。
中でも有名なのが約6,500万年前に起きた恐竜の大絶滅です。
約2億年にわたって地球に繁栄した恐竜が姿を消しました。
地球上では、
このような大絶滅がこれまでに6回あったと言われています。
その中の6回目が現在です。
その原因が人間社会によるものです。
それも、
かってないほどの規模で、大絶滅時代を迎えています。
1年間で、4万種もの生物が絶滅していると推定されています。
恐竜時代や1900年年代前半には、1年間に絶滅していく種は、
推定で1種未満か1種ほどと言われてきました。
それが、現在では1年間に4万種を超える種が地球上から
姿を消していると言われています。
4万種の後ろに、絶滅を危惧されている野生生物がたくさん
控えていることを忘れてはいけません。
「絶滅危惧種」とは、
絶滅の恐れが高い「深刻な危機」にある野生生物を指します。
1966年、世界最初に作成されたリストの表紙が赤色だったために
「レッドリスト」と呼ぶようになったそうです。
「深刻な危機」にある野生生物のレッドリストには、
魚類や無脊椎動物などの調査十分に進んでいないので、
その方面の研究が進めばさらに多くの種の危機的状況が
明らかになると言われています。
日本では、動物1338種と植物2259種の計3597種が
「絶滅危惧種」に指定されたそうです。
日本でも、年々レッドリストが増えています。
無脊椎動物や魚類の調査が進むと更に増えると言われています。
「絶滅危惧種」に指定されると、保護が進むのかというと、
そうではないそうです。
レッドリストは、野生生物の保護を進めるために広く活用されることを
目的に作成さるもので、法的規制などの強制力はないそうです。
「絶滅危惧種」を保護する法律は、「種の保存法」です。
この法律の「国内希少野生動植物」に指定されると、
捕獲や採取、譲渡などが禁止されるそうです。
これまでに、ヤンバルクイナ・イリオモテヤマネコ・イヌワシなど
90種しか指定されていないそうです。
レッドリストに記載されている日本の絶滅危惧種3597種の
中のたった90種が「種の保存法」で希少野生動植物に
指定されているにすぎません。
これが絶滅危惧種の増加が止まらないのに、対策が後手に回っていると
言われている要因です。
そのため環境省は、2030年までに300種の「国内希少野生動植物」の指定を
目指したいとしています。
ところで、
気の遠くなるほどの時間をかけて、地球の自然環境はつくられてきました。
ところが、それが現在、人間社会の富を求める経済活動・開発等によって
壊されつつあります。
現代は地球46億年の歴史からすると、ほんの一瞬の時間ですが。。。
壊された自然をもとに戻すことは、不可能だと言われています。
特にアフリカや熱帯雨林(アマゾン流域・カリマンタン島など)で、それが顕著です。
人間の限りない欲望が緑の地球に大きな影響を与えています。
最近、地球上で起こる大規模災害や自然大災害は、
人間社会への警告のような気がするのですが。。。。。。
飽くなき富の追及が、取り返しのつかない地球の環境破壊を
引き起こしているのではないでしょうか。
新聞を読みながら、
それを警告しているのが、年間4万種の野生生物絶滅種であり、
その後ろに控えた「絶滅危惧種」だと思いました。