「アルツハイマーは脳の糖尿病説」
当たり前のことですが、新聞は情報の源です。
テレビやパソコンより、伝える情報量が詳しいのが新聞です。
また、テレビと違って、何回でも読み直すことができます。
でも、どの新聞でも同じかというと、政治的なことなどでは、
新聞によって随分論評の仕方や扱い方が違っています。
これは気をつかなければいけないことです。
ということは、テレビやパソコンのニュースでも同じ危険が
潜んでいると言えます。
新聞に書いてあることを頭から信じることは危険なことです。
これはテレビやパソコンでも同じことです。
「新聞から学んだこと」と題して、科学や病気だけでなく、
なるほどと思ったことを、シリーズでお伝えしたいと思います。
No1は、「アルツハイマーは脳の糖尿病説」という
衝撃的な見出しの記事です。
認知症のひとつ「アルツハイマー病」は、インスリンがうまく
働かない糖尿病の一種なのではないか。
そんな見方を示す報告が続いているそうです。
「アルツハイマー病患者の脳では、インスリンをつくったり
利用したりする仕組みが壊れている」
これは九州大学分子生物学チームが今年5月に専門誌に
載せた報告です。
アルツハイマー病は「アミロイドベータ(Aβ)」という異常な
たんぱく質の蓄積がもとで起こるとされています。
「インスリン」は主に膵臓でつくられ、糖を体の細胞に
取り込ませるのに働くホルモンだそうです。
ところが、最近の研究で、「インスリン」は脳でも少しつくり出され、
神経細胞を守る作用があるとわかってきました。
アルツハイマー病の患者の脳では、インスリンをつくったり、
糖を利用したりするのに欠かせない遺伝子の働きが大幅に
低下しているそうです。
糖尿病は大きく二つのタイプにわけられるそうです。
膵臓の異常で、インスリンがつくられずに高血糖になる1型と、
インスリンがあっても不十分だったり、細胞の側の問題で
インスリンがうまく利用できなかったりする2型があるそうです。
アルツハイマー病患者の脳では、
両方に共通する特徴があるそうです。
いずれも、「アミロイドベータ(Aβ)」という異常なたんぱく質の蓄積が
アルツハイマー病の発症するきっかけになっているとみられています。
研究が進むにつれて、
糖尿病がアルツハイマー病を引き起こしやすいことも分ってきました。
また、大阪大学老年医学のS准教授は、
高血糖が続くと脳に「アミロイドベータ(Aβ)」がたまりやすくなるほか、
「タウ」という別のたんぱく質にも異常が起きて、
神経細胞が壊れやすくなるという説をもっています。
また、Aβの一部が全身に回り、インスリンの効き目をさらに落として
いる可能性も疑われています。
アルツハイマー病が糖尿病をさらに悪化させるという悪循環に
おちいっているようです。
アルツハイマー病と糖尿病、この二つの病気の共通点を手がかりに、
アルツハイマー病の新治療法を目指す試みも始まっています。
その一つの例が、糖尿病に使われるインスリン薬をアルツハイマー病や
軽度の認知障害の人達に試みる臨床実験だそうです。
今のところ、その効果はあまりあがっていないと言われています。
アルツハイマー病の治療をめぐっては、
Aβをやっつける薬の臨床実験が続いているものの、
これといった決め手のないのが現状だそうです。
人間の英知がそう遠くない日に、この病気を根本から治すことの
出来る日をもたらすことを確信しつつ終わります。
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