錦眼鏡余話2:No69
カタカナ語

最近、カタカナ語でイライラすることが多くなってきました。

これを自分が歳をとった証と捉えるのか、
それとも、カナ文字を持つ日本文化の宿命と捉えるかは
読者の判断にお任せするとします。

昨年の暮れの新聞に、
「イライラするカタカナ語は?」という見出しで、
興味深い記事が載っていました。
この記事をもとに、最近のカタカナ語について考えてみたいと思います。

新聞記事によると、
「意味の解らないカタカナ語にイラついた経験を尋ねたところ、
なんと85%のモニターが「はい」と答えたそうです。
私もまったく同感です。

「クラウドにアップロードしたけど、もともとファイアーウォールにバグが。。。」
こんなカタカナだらけの言葉で話しかけられたら、
私などは、「最初の「クラウド」って、何だろう」と戸惑っているうちに、
相手の話が終わってしまっていると思います。

最近、テレビのニュースを見ていて感じたことですが、
安倍首相などもカタカナ語を使う人だと感じました。
とっさに意味の通じないカタカナ語を口にするからでしょうか。。。
国会の答弁でも、
官僚が作成した答弁書を早口で読み上げていることが多いのも気になります。
私のほうも腹いせに、意地悪な見方がしてしまいます。

前首相の野田さんは、出来るだけ自分の言葉を使って話されていた人だと思いました。
野田さんは、答弁も原稿の棒読みはしない人だったと記憶しています。

意味の解らないカタカナ語の上位には、
特定の分野の中で使われる言葉が並んだそうです。
1位が「コンピテンシー」だそうです。
解りますか。
人事評価用語だそうです。
「高い業績を持つ人間特有の行動の特徴」なんだそうです。
或る「超訳カタカナ語辞典」では、「デキる人の行動パターン」と
なっているそうです。
以下、10位まで並べてみます。

2位「インスタレーション」
3位「インキュベーション」
4位「コモディティー」
5位「ダイバーシティー」
6位「サステイナブル」
7位「コンソーシアム」
8位「オルタナティブ」
9位「ステークホルダー」
10位「リテラシー」

読んでみても、私には何のイメージも湧いてこない言葉が並んでいます。
最後の「リテラシー」だけがかろうじて通じたくらいです。
11位以下にも、意味不明の言葉が並んでいました。

国立国語研究所が1956年と1994年に、
雑誌を対象に記事の中の外来語の比率を調べた結果を紹介していました。
それによると、
1956年が9.8%、1994年が34.8%と、約40ほどの間に
3.5倍に増えたそうです。
IT関連の技術の進歩もあって、カタカナ語がますます増加していくのでしょうか。
お年寄りには住みにくい社会になっていると感じました。

最近はカタカナ語の総量自体、それほど増えていないそうです。
しかし、中身がどんどん入れ替わっているんだそうです。

その例の一つに、14位の「アカウンタビリティー」が挙げられていました。
10年ほど前までは、盛んに使われていた言葉でした。
日本語では、「説明責任」とう意味です。
ところが、今では「説明責任」とう日本語が十分浸透し
「アカウンタビリティー」というカタカナ語が消えつつあるんだそうです。

「わざとらしいカタカナ語」として紹介されていたカタカナ語に
「リスペクト」が挙げられていました。
なんで「尊敬」と言わずに、「リスペクト」と言うのでしょうか。
首を傾げたくなります。
「尊敬」の重さが軽々しくなるようです。

最後に、最初の文章「クラウドにアップロードしたけど。。。」の
「クラウド」には後に続く言葉で「crowd」になるそうです。
日本語では「群衆」や「集合知」と言う意味だそうです。

もう一つは、「クラウド(cloud)」は、日本語では「雲」ですね。
業界用語の一つなのかもしれません。

頭が痛くなってきたので、このへんで終わります。