錦眼鏡余話2:No68
外壁塗装 
 
我が家の外壁は、私が退職してから家のリフォームと
一緒に塗ったので、かれこれ7年ほど経ちました。

何が原因か分かりませんが、
昨年あたりから、外壁のひび割れが目立ちはじめました。

そればかりではありません。
鋭い金属音を立てて、外壁が割れるようになりました。
最初は、何だろうかと思い、
一瞬ビクッとして外を伺うことがありました。
誰かが小石を投げて、ガラス窓に当たった感じがしたからです。
休みの日など、新聞を読んだりパソコンに向かっていると、
頻繁に金属音がするのに気がつきました。

妻に言うと、ベランダ下の外壁を指さして、
「かなり前から、外壁がこんな状態にひび割れ始めていますよ」
と説明してくれました。

そうこうしているうちに、
数軒の業者さんが外装の塗装をしませんかと、
我が家を訪れるようになりました。
ベランダ下の縦にひび割れた惨状を指摘して、
これは早く処置した方がいいですねと、
いろいろとアドバイスをしてくれるようになりました。

こちらも、ひび割れが起きた原因が知りたくて質問すると、
「前の業者さんがどんなふうに塗装をしたのか、
何を使って塗装したのかかが分からないとはっきりした原因は
分かりません」
と、イマイチすっきりしませんでした。

ある業者さんは、憶測ですがと前置きして。。。
「下地の手入れや下塗りを十分にしないまま、塗装をしたのかもしれません。
また、もともとの壁の塗料に合わないものを使ったのかもしれません」

私も業者さんが持ってくるパンフレットに目を通してみました。
外壁塗料には、大きく3つあることが分かりました。
@アクリルシリコン樹脂塗料
Aフッ素樹脂塗料
B変性無機塗料

業者選定に悩んだ末、
地元の業者さんを頼むことにしました。
地元の業者さんの
「我々は地元の業者です。お客様との信頼関係を大事にしています」
の言葉を信じました。

地元の業者さんを選んだ理由は、
前回のリフォーム工事では、大手の業者さんを選んで失敗したからです。
大手の業者さんだから信頼があるだとうという既成の概念を持っていたからです。
我々庶民にとっては、多額の金額を使うのだから慎重になりました。

それが結果的にダメだと言うことがよく分りました。
大手は単なる仲介業者なのです。
まず、自分たちの利益分をとってしまい、
残りの金額で下請けに丸投げしている実態が分かってきました。
大手と言えども、工事を請け負う業者さんを常時抱えることは、
経費上できません。

利益の大半を取られた請け負い業者さんは、
自分たちの利益分をひねり出そうと工夫をします。
材料を節約するとか、指定された材料を使わないとか、工程を飛ばすとか、
様々なやり方で自分たちの利益をひねり出そうとします。

我が家の外装塗装は、そんな業者さんのおかげで塗装がひび割れのため、
盛り上がるほどのクラックが走るようになりました。

大規模改修時に、大手さんから進められて行った改装が
無理な工事だったことも次第に分かってきました。
家一軒建つほどのお金をかけるのなら、
無理なリフォームより
思い切って建て替えたほうがずっとよかったと後悔しました。

しかし、60歳を超えた年齢には、
建て替えにかかる労力と時間を考えると、
住みながら改修工事を選んだのもしかたないと諦めています。

あと、数日で今回の外壁塗装は終わる予定です。
実際に作業をしている職人さんたちは、大変礼儀正しいのに驚いています。
若い親方の指示があると、
それに対する職人さんたちの受け答えもしっかりしています。
「はい、分かりました」
必ず大きな声が返ってきます。

大手の下請け業者さんは、いつ来ていつ帰ったのかも分かりませんでした。
何かを伝えようか質問しようかと思っても、何もできないまま、
工事は終わってしまいました。

今回は、親方が明日はどんな作業をしに来るのか、何時ごろに来るのか、
我々に伝えたから、職人さん全員がそろって挨拶をして帰ります。

家の周りをすっぽりとネットで覆われた工事なので、
外は快晴なのに、家の中には薄日しか射しません。
太陽の日の光が恋しい日々を送っています。