インドのカースト制度をもう少し考えてみたいと思います。
私には、荷が重いとは思いますが。。。
細かいことには触れずに、簡単にカースト制度を見ていきます。
もしかすると、間違いもあるかもしれませんが、お許しをください。
カーストとは、ヒンドゥー教にまつわる身分制度だと言われています。
紀元前13世紀頃に、アーリア人がインドに進出しインドを支配しました。
それに伴い、「ヴァルナ」という身分的階層と「ジャーティ」という職業的階層とが
組み合わさってできたものだと言われています。
階層としては、バラモン(僧侶、司祭階層)、クシャトリア(王侯、戦士階層)、
ヴァイシャ(商人階層)、シュードラ(最上位に奉仕するカースト)、
そして、ダリッド(カースト外)などに別れています。
これらの階層は、「世襲」なので、
生まれながらに身分と職業が決まってしまいます。
この点で、日本の江戸時代の身分制度である士農工商とは違います。
武士が武士をやめて、商人になったり、商人の娘が殿様の側室になり、
その子どもが殿様を継いだりすることもありました。
カースト制度では、カーストの低い階層に生まれた者は、
どんなに才能があろうとも、一生身分の低いカーストから
抜け出すことができませんでした。
また、どんなに劣った者でも、位の高いカーストに生まれた者は
その位で一生を終えるのです。
インドのカースト制度は、
ヒンドゥー教の輪廻転生の概念に基づいていると言われています。
江戸時代の士農工商は、江戸幕府がつくりあげたものです。
カースト制度は、
紀元前からインドの中で多様な宗教観に根ざし出来上がったものだそうです。
その過程で複雑な階層となり、一筋縄では理解できません。
1950年、法律でカースト制度は廃止されました。
法律で廃止されたからと言って、インドカースト制度がすぐになくなるわけではありません。
紀元前からインド社会に巣くってきたカースト制度です。
ある意味で、インド社会の発展を阻害してきた元凶でもあると言えます。
経済発展の著しいインドにおいて、
確実にカースト制度が変貌をとげつつあることだけは確かなようです。
大変喜ばしいことです。