錦眼鏡余話1:No5 
ボランティア活動 

NPO法人「海外に子ども用車椅子を送る会」に入って
ボランティア活動をすることにしました。

小笠原の単身赴任中、徒然に発行していた「ボニナイト通信」No261で
紹介したボランティア活動です。
ようやく生活にもリズムがうまれてきたので、ひょんなことから縁のあった
NPO法人のM会長を訪ねて、入会したい旨を告げました。

M会長は、
「活動日は月の第三日曜日で、時間は9時から午後4時まで。」
と、例の威勢のいい声で教えてくれました。
「活動場所は。。。」と言いかけた会長の声を遮って。。。
「活動場所なら、会のHPを見て、確かめてありますから大丈夫です。」
と言うと、
「それは手際がいいね。」
と、歯切れのいい言葉が返ってきました。

11月20日(日曜日)は、ボランティア最初の活動日です。
駐車場があるかどうか、少々心配しながら。。。家を8時40分に車で出ました。

活動場所は、福生市の繁華街を過ぎた大通りにありました。
活動拠点と思われる場所は、車両の車検や修理などを手掛ける会社の敷地内ようです。
入口に、ボーイスカウトの制服を着たお兄さんがひとり立っていました。
ボランティア活動に来た人らしいです。
思い切って声をかけてみました。
「海外に子ども用車椅子を送る会のボランティア活動をしに来たのですが。。。
活動場所はここでいいのでしょうか?」
「ええ、そうです。。。いつも、10時近くになって人が集まるようです。」
時計を見ると、9時半を過ぎたばかりです。

10時15分ぐらい前になると、10人ぐらい人が集まりました。
ボーイスカウトの格好をした中学生が5人と大人が3人。
話に耳を傾けていると、どうやら常連さんのようです。
それも、あきる野市から来ているようです。
それに年配のおじさんが数人。。。私もその一人ですが。。。

門が開けられて、倉庫のようなとことから次々と、車椅子が運び出されました。
私も車椅子を運び出す手伝いを始めました。
倉庫の中には、たくさんの車椅子がしまわれていました。
運び出される車椅子は、ひとつとして同じものがありませんでした。

運び終わると、大型のトラックがバックで敷地に入ってきました。
荷台には、たくさんの車椅子が積まれていました。
この車椅子をおろすのを手伝いました。

やはり同じ車椅子はありませんでした。
きっと障害に応じてあつらえるのでしょうか。。。

車椅子の掃除が始まりました。
私も周りを見ながら、見よう見まねで車椅子の掃除を始めました。
バケツに水が入っています。
小さなブラシだけでなく、紙タオルや「激落ちキング」(商品名:ウレタンのような汚れ落とし)
などを使い、丁寧に汚れを落とします。

すべての車椅子には、清掃の始まる前に1枚の紙が薄いビニール袋に入れられて、
紐で取り付けられました。
その紙には、清掃や点検、不具合などを記入する欄が一覧表でつくられてありました。
誰がやったかも、名前を記入するようになっていました。

いつの間にか、ロータリークラブの方々や大学生らしき男女の集団も
加わって賑やかになっていました。
大きな声に振り向くと、会長のMさんが来ていました。
私と目が合うと、近寄ってきて。。。
「写真係をやってほしいんだけど。」
と言いました。
会に入会するため、
Mさん宅を訪問したときに、写真係のことを言われたことは覚えています。
「ごめんなさい。今日は最初の活動日なので、カメラを持ってきませんでした。
次回から持ってくるようにします。」

いろいろと細かい細工のされた車椅子もありました。
おじさんが細工のされた車椅子の修理をしています。
私も手伝うことにしました。
「この車椅子は、こうやって使っていたようだな。。。」
おじさんの説明をききながら車椅子の操作を覚えようとしました。
レバーひとつで、びっくりするような仕掛けを持った車椅子もありました。

お昼は、ボーイスカウトの面々が非常用の五目御飯のようなものを
作ってくれました。
それを食べて、今日のお昼にしました。

午後からはきれいに掃除の終わった車椅子をプチプチ(正式の名前は知りません。)
で梱包です。
今日、掃除や点検・修理の終わった車椅子は、カンボジアとエチオピアへ送られるそうです。
国別の識別がつくように、梱包材に番号と記号を大きく記入していきます。
この仕事は中学生や大学生たちがやってくれました。

敷地の中に、梱包された車椅子が並べられました。
そこへ、午前中、車椅子を運んできた大型トラックが入ってきました。
積み込み作業です。

トラックへ国別に、梱包された車椅子が次から次へと積み込まれていきます。
この仕事の主役は、若い方々です。
トラックの荷台の上には、荷役作業のプロのような方が詰め込まれた
車椅子を安定するように積み込んでいきました。
梱包された車椅子は、あっという間に大型トラックに積み込まれました。

車椅子を積み込んだ大型トラックが出ていくと、後片付けが始まりました。
この日、清掃や修理の終わらなかった何台かの車椅子が倉庫の中におさめられ、
散らばっていた道具類も片づけられました。
ゴミもまとめられ。。。今日の活動は終了です。
時計を見ると、もうすぐ午後3時になるところです。

最初の活動なので何をしていいか分らず、オロオロすることもありましたが。。。
どうにかこうにか、最初の日の活動を終えることができました。
この日、心地よい疲労感を感じました。