錦眼鏡余話1:No40
金環日食の写真
 
5月20日(日)の夜の天気予報では、
明日の東京の天気を、生憎曇り空でしょうと予想していました。
これでは明日朝の金環日食は、無理だろうと思いました。

そんな訳で、21日(月)の早朝はいつものように5時に起きても、
天気は曇りだろうということで、雨戸も開けずにいました。

5時半頃、いつものように朝刊を取りに玄関から外へ出てみて驚きました。
朝日が眩しく射しています。
ところどころに青空も見えます。
天気予報と違うぞと思いました。
この天気では金環日食を見ることができるのではないかと思いました。
気持ちがワクワクしてきました。

新聞を取って、慌てて部屋へ入り、観測の準備です。
と言っても、平成22年7月22日の日食で、
小笠原小の子どもたちと「木漏れ日」を通して日食観察をしたときの
ことを再現してみようと思っただけです。
小笠原の父島では、JAXA(ジャクサ)「宇宙航空研究開発機構」のスタッフの
要請に基づき、都下のある科学館と2元中継を行いました。
残念ながら、都下の科学館の天気は雨模様でした。
逆に小笠原は雲ひとつない晴天でした。
もちろん、小笠原での「木漏れ日」による日食観察は大成功でした。

時計を見ると、7時ちょうどでした。
急いで、厚紙を探しました。
用意をしていなかったので、お菓子の空箱を切って代用しました。
まず、茶筒を使って、空き箱に円を描きました。
次にボールペンの先を利用して、適当な間隔に穴をあけました。
一周したら、穴が13個出来ました。

次に、開けた穴が小さかったので、丸い鉛筆の先を利用して、
穴を少し大きくしました。
最後に、鉛筆の先で押し出された余分な所を潰しました。
これで完成です。

時計を見ると、もう7時20分でした。
大分太陽が欠けてきています。
さっそく、カーテンを開けて、窓から差し込む光で試してみました。
妻もやってきました。
手伝ってもらい、写真を数枚撮りました。
下の写真は、その1枚です。

妻が、壊れた鍋の蓋を持ってきました。
鍋の空気を抜く穴が絶妙な大きさで、
欠けた太陽が見事に影となってとらえられました。

いよいよ、金環日食の時間になりました。
時計は、朝の7時半を過ぎました。
おもしろい影が出来ました。
カエルの卵を連想しました。
不思議な何とも言えず奇妙な形でした。

数枚、写真を撮るうちに、天体ショーは終わりました。

(2012・5・25)